5月23日(木)、雨模様。
「升田名人なら、どんな回答をしたか」です。
私なりの考えは次の通り。
「それが一番面白かったから」。
そういったはずです。
升田名人は終戦直後、「将棋を禁止する」とするGHQの聞き取りに対して、
「敵を殺す西洋のチェスに対して、日本の将棋は敵を殺さず味方にして活用する。それがなぜ悪いのか」と、言ったそうですね。
今回の「将棋の9x9・・」に対しては、小難しいことを言わず明快単純に、このように言ったと思うのです。
いかがでしょうか。
今日はこれにて終了。
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かつて長良川の鵜飼いを見に行かれた折、使う手縄がヒノキの繊維で作られたものと聞かされた名人がその理由を問うて鵜匠の苦心に心を打たれました。
鵜が水中に潜り込んだ際、そこにどんな障害物があるやもしれぬ。もし、それに縄が絡まってもねじれると切れやすいヒノキなら鵜が数回バタバタすれば縄はプッツリ切れ、鵜は自力で水上に帰ることができ、これが鵜で魚を採る心の要ですとその鵜匠は声を強めたというのです。
水中のどの鵜も自由自在、100%の性能を発揮できるようにしなければならない。盤上のどの駒にも心が行き届いていなければならない。川底の見えているような清流なら丈夫な麻縄に限るだろう。しかし夜の長良川のように先の見通しが全くつかない局面でも、すべての駒に自在性を持たせねばならぬ読みが必要だ。
「僕たちの将棋の世界にも、ヒノキの縄が要だと思う」と升田名人は思われたそうです。
「なぜ将棋をやるのか」という問いであれば、情感的な「おもしろいから」という答えは有りでしょう。ですが、盤面の詳細な規定9×9=81マスなのかの問いには、もう少し理詰の解が欲しいところです。
「これが」を「9x9」に読み替えて、「9x9が一番面白かったから」ということで、さらに言葉を足すと「9x9より大きかったり、小さいモノでは面白さに問題があって、9x9が一番面白かったから」となります。
いかがでしょうか。
柔道、剣道は規制が入ったようですが、将棋界に升田名人のような人物が復帰されたのは、幸運でしたね。
端的に、「9X9枡が面白かったからだ」と言った方が、納得してもらえると思います。
藤井さんが「難しい質問ですね」と言ったのは、理屈でなく、どのように返事すれば分かってもらえるかが、直ぐに思いつかなかったからでしょうね。
質問した相手に合わせたレベル(内容)で、答えないと通じないわけです。
それが「難しい」と。藤井さんは考えたのでしょう。
そもそも、黒柳徹子女史は「なぜ将棋は9×9=81マスか。」の答えを本当に知りたくて、問うたのでしょうか。藤井聡太なら答えられると想定していたはずです。テレビで答えられない質問をして恥をかかせる意図はなかったはずです。
日本の小将棋しか知らない者には、この疑問は生じません。チェスをはじめとする外国の将棋の比較文化からはじめて起こる疑問と思います。
このような質問には、質問者の知識や関心度に応じて、臨機応変にそのレベルに合わせての答えをすることがポイントだと思います。
ですから、藤井さんも素直にシンプルに答えを返せておれば、何事もなく終わったと考えます。
私がこの問いかけを皆さんにしたのは、そのようなことを言いたかったところもあったのでした。