A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

東の舞台がNewportなら、西の舞台Montereyでも熱い演奏が・・・・・・

2007-05-02 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
WOODY HERMAN’S BIG NEW HERD AT THE MONTEREY JAZZ FESTIVAL

50年代の後半、ベイシーやエリントンなどの老舗のオーケストラはNewportのひのき舞台で完全復活。大喝采を浴びていた。白人オーケストラの多くがダンスバンドとなっていった中で、Woody Hermanは元気にモダンbig band Jazzにチャレンジしていた。

場所は、東海岸のNewportではなく、西海岸のMonterey Jazz Festival。
50年代も最後の年、1959年のステージに登場している。
このフェスティバルの音楽プロデューサーは、当時MJQのリーダーでもあったJohn Lewis。この年は、開催期間中ワークショップオーケストラとしてWoody Hermanオーケストラに様々なソロイストにサンスランシスコシンフォニーのメンバーなどを加えた特別編成のオーケストラが出演した。
いつものレギュラーバンドではないので、出演したミュージシャンも、ハードなリハーサルに明け暮れたそうだ。

ハーマンのオーケストラ自体も、豪華ゲストを加えた特別編成の「Swinging Festival Herd」で舞台に臨んだ。
Bill Chaseなどのレギュラーメンバーに加えて、Zoot Simsなど古巣に戻ったOB、さらに各セクションに当時の西海岸のべストと言えるメンバーを加えたオールスター編成だ。

ドラムには、サド・メルの一方のリーダーMel Lewisが座る。
彼の経歴からすると、Woody Hermanオーケストラにどこかで在籍してもおかしくなかったのだが、それまでハーマンのバンドに加わったことはなく、これが始めての参加だったらしい。
リーダーのWoody Hermanも、このままのメンバーでツアーに出たいと洩らしたほどの、豪華キャストのライブステージだ。

十八番のFour Brothersからスタートするが、アンサンブルといいソロといい、ハーマンオーケストラのこの時期のベストプレーだろう。
このモンタレーだけの演奏に終わってしまったのは残念である。
モンタレーの特徴の近くの飛行場の飛来する飛行機の音も、プレーヤーにとっては雑音だったかも知れないが、ライブの臨場感の効果音と捕らえれば歴史的な記録でもある。
もっとも軍用機は、フェスティバル開催中は飛行を遠慮したそうだが。

この年、1959年は、ヨーロッパから帰ったQuincy Jonesが素晴らしいオーケストラを率いて、5月に「The birth of a band」を録音して活動を本格化した年。ハーマンのオーケストラとは異なり短命ではあったが、このバンドもサドメルにつながる歴史の1ページには欠かせない。
新しいBigBandの胎動を感じさせる1959年だった。

Scoobie Doobie
Four Brothers
Like Some Blues Man
Monterey Apple Tree
The Magpie
Skylark

Conte Candoli, Bill Chase, Frank Huggins, Ray Linn, Al Porcino (tp)
Urbie Green, Bill Smiley, Si Zentner (tb)
Woody Herman (cl)
Don Lanphere (as, ts) Richie Kamuca, Bill Perkins, Zoot Sims (ts)
Med Flory (bars)
Victor Feldman (p, vib)
Charlie Byrd (g)
Monte Budwig (b)
Mel Lewis (d)

'Monterey Jazz Festival', Monterey, CA, October 3, 1959


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DUOがよければTRIOはどうだ!

2007-04-08 | CONCORD
GEREAT GUITARS / Charlie Byrd, Barney Kessel , & Herb Ellis

72年のConcord Jazz FestivalでのケッセルとエリスのギターのコンビのライブでスタートしたConcordレーベル。翌年73年のフェスティバルでも、同じコンビの演奏がライブで録音された。

そして翌年74年。6月28日の日曜日の夜。サンフランシスコ近郊のConcordは、この時期でも夜は肌寒い気候だったそうだ。
第6回のConcord Jazz Festivalのステージには、いつもの2人に加えてもう一人のギタリストが座っていた。
Charlie Byrdだ。2人と違って、手にしているのはアコースティックギター。
はたして、3人でやって旨くいくのだろうか?

最初は3人揃って「Undecided」から始まる。3人でユニゾン、ソロにバッキングを絶妙に掛け合いながら、まずは3人で小手調べといったところだろう。
軽いアップテンポで、それぞれの持ち味を出している。

O Baequinhoは、ボサノバのリズムで、Byrdの独演会。もう一曲Charlie’s Bluesのプレーも秀逸だ。この世界はByrdの独壇場。
2人の入る隙はない。

B面にいくと、GoodmanとCharlie Christianのコンビの名曲の再現にチャレンジ。
Topsyと最後の締めのBenny’s Bugle。
これは、3人で一緒のプレー。かなり気合が入る、元々クリスチャンの信奉者であるケッセルがクリスチャンのプレーに迫る。

途中に、KesselとEllisのduoが3曲ある。
バックの2人が休んで、2人のショーケース。
ある時はソロを、バックを、そしてパーカッションのように、2人の手にかかると一台のギターが七色変化だ。
最初はラテンのリズムで軽くノリ、続いてスローなブルースでネチッコク、最後はギターでブギウギ。古き良き時代のスイング感を思い出させる。
一方が、ピアノの左手の低音域を担当し、「ピアノでなくともブギウギはできるぞ」とでも言いたげだ。

というわけで、3人寄ると、それぞれの良さを活かすのもよし、2人のDuoもよし、さらに3人で競い合うもよしと、ますます幅が広がる。肌寒さを吹き飛ばすだけの3人の熱気が伝わってくる。
ギターの魅力の奥深さを再認識した一枚。ギターの名手3人の競演は大成功。
単なる顔見せ興行以上のプレーを聴く事ができる。

Undecided
O Barquinho
Slow Burn
Charlie’s Blues
Topsy
Latin Groove
Down Home Blues
Hand B Guitar Boogie
Benny’s Bugle

Barney Kessel , Herb Ellis, Charlie Byrd (g)
Joe Byrd (b)
John Rae (ds)

Recorded live at Concord Jazz Festival, July 28, 1974
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