Indiana / The Jeff Hamilton Quintet
今年の夏は大物ドラマーの来日が多かったように思う。というよりも自分のお気に入りのドラマーが相次いで来日したというのが正しいかも。
JATPにはジェフ・ハミルトンがいた。バディー・リッチビッグバンドにはゲストでピーター・アースキンが加わっていた。そしてベイシーオーケストラには久々にブッチー・マイスルが。
皆さんしばらく見ていなかったらすっかり風格がある風貌になっていたが、自分もそれなりに歳をとったのだから当たり前なのだ・・。
JATPオールスターズは少し期待はずれであったが、ドラムのジェフ・ハミルトンはトリオで、そしてハリー・アレンのバックで相変わらず素晴らしいトラミイングを聴かせてくれた。このハミルトンも若いと思っていたが来年で還暦を迎える。すでに大ベテラン長老組の仲間入りをしていたということになる。
Concordレコードの初期、ドラムといえばジェイク・ハナがレギュラーメンバーであったが、このハミルトンがいつの間にかレギュラーの座に加わった。
ハミルトンはビッグバンドでも、コンボでも、ピアノトリオでもボーカルのバックでもオールマイティー、経歴を振り返るとインディアナ大学を出るとすぐにドミー・ドーシーオーケストラに加わる。そしてライオネルハンプトンと、デビュー当時から「爺殺し」の大役を務めている。
その後、モンティー・アレキサンダートリオの一員として、ウディーハーマンオーケストラに加わる一方でシェリーマンの後釜としてLA4への参加で一躍有名になった。
LA4への加入はレイブラウンの強い推しがあったという。当然ジェファーソンの目にもとまりコンコルドレーベルへの登場も多くなっていった。
ところがジェフ・ハミルトンのリーダーアルバムはというとすぐには思い出せない。サイドメンとしての活躍は広範囲であったが、リーダーとしては奥手であった。
74年のデビューから8年、1982年になってConcordに吹き込んだこのアルバムが初のリーダーアルバムのようだ。それまでの活躍と比較すると大分遅れてのリーダー作となった。
彼のデビュー作に付き合ったのは、サックスがベテランの2人。ハミルトンよりはひとまわり以上年上。どちらもロスのスタジオミュージシャンとしては一流、西海岸のビッグバンドには良く登場するモーガンとクーパーだ。
ベースは、その後コンビを組むことになるクレイトンブラザースの片割れジョン・クレイトン。レイブラウン張りの図太いベースが良く合う。
ハミルトンとはインディアナ大学の同窓生、学生時代からの仲だそうなのでお互い気心の通い合う間柄。このアルバムお互い曲やアレンジを提供し合い、2人のコンビのデビューアルバムといってもいい程だ。そしてボーカルのマークマーフィーが華を添える。
ドラマーがリーダーとなると、アルバム作りもライブでもショーケースとしてドラムソロが良く入るが、このアルバムでは名脇役のハミルトンらしく、彼のドラミングの手数の多さと素晴らしさは各曲の中に上手く織り込まれている。
最初の曲での小気味よいシンバルワーク、そして続くガールトークでのブラッシングを聴いただけで素晴らしさが伝わってくる。彼が影響を受けたドラマーとしてまずはメルルイスを挙げている。ビッグバンドでもコンボでもこなし、派手さは無いが小気味良さを感じるのはこの辺りがハミルトンの原点なのかもしれない。
その後、ハミルトンのリーダー作は90年代まで無い。
長く活躍し、その間参加しているアルバムの数も半端ではないが、あまり自ら派手に表舞台に立つのは不得手のようだ。ドラミングと同様。どうやらこのアルバムもCD化されていないようだ。
1. It's You or No One
2. Girl Talk
3. 2nd Street Samba
4. Jeff's Express
5. Split Season Blues
6. Indiana
7. Jeff Hamilton
8. Long John
Jeff Hamilton (ds)
Bob Cooper (ts)
Lanny Morgan (as)
J.T."Biff" Hannon (p)
John Clayton (b)
Mark Murphy (vol)
Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco California on January 1982
Originally released on Concord CJ-187
今年の夏は大物ドラマーの来日が多かったように思う。というよりも自分のお気に入りのドラマーが相次いで来日したというのが正しいかも。
JATPにはジェフ・ハミルトンがいた。バディー・リッチビッグバンドにはゲストでピーター・アースキンが加わっていた。そしてベイシーオーケストラには久々にブッチー・マイスルが。
皆さんしばらく見ていなかったらすっかり風格がある風貌になっていたが、自分もそれなりに歳をとったのだから当たり前なのだ・・。
JATPオールスターズは少し期待はずれであったが、ドラムのジェフ・ハミルトンはトリオで、そしてハリー・アレンのバックで相変わらず素晴らしいトラミイングを聴かせてくれた。このハミルトンも若いと思っていたが来年で還暦を迎える。すでに大ベテラン長老組の仲間入りをしていたということになる。
Concordレコードの初期、ドラムといえばジェイク・ハナがレギュラーメンバーであったが、このハミルトンがいつの間にかレギュラーの座に加わった。
ハミルトンはビッグバンドでも、コンボでも、ピアノトリオでもボーカルのバックでもオールマイティー、経歴を振り返るとインディアナ大学を出るとすぐにドミー・ドーシーオーケストラに加わる。そしてライオネルハンプトンと、デビュー当時から「爺殺し」の大役を務めている。
その後、モンティー・アレキサンダートリオの一員として、ウディーハーマンオーケストラに加わる一方でシェリーマンの後釜としてLA4への参加で一躍有名になった。
LA4への加入はレイブラウンの強い推しがあったという。当然ジェファーソンの目にもとまりコンコルドレーベルへの登場も多くなっていった。
ところがジェフ・ハミルトンのリーダーアルバムはというとすぐには思い出せない。サイドメンとしての活躍は広範囲であったが、リーダーとしては奥手であった。
74年のデビューから8年、1982年になってConcordに吹き込んだこのアルバムが初のリーダーアルバムのようだ。それまでの活躍と比較すると大分遅れてのリーダー作となった。
彼のデビュー作に付き合ったのは、サックスがベテランの2人。ハミルトンよりはひとまわり以上年上。どちらもロスのスタジオミュージシャンとしては一流、西海岸のビッグバンドには良く登場するモーガンとクーパーだ。
ベースは、その後コンビを組むことになるクレイトンブラザースの片割れジョン・クレイトン。レイブラウン張りの図太いベースが良く合う。
ハミルトンとはインディアナ大学の同窓生、学生時代からの仲だそうなのでお互い気心の通い合う間柄。このアルバムお互い曲やアレンジを提供し合い、2人のコンビのデビューアルバムといってもいい程だ。そしてボーカルのマークマーフィーが華を添える。
ドラマーがリーダーとなると、アルバム作りもライブでもショーケースとしてドラムソロが良く入るが、このアルバムでは名脇役のハミルトンらしく、彼のドラミングの手数の多さと素晴らしさは各曲の中に上手く織り込まれている。
最初の曲での小気味よいシンバルワーク、そして続くガールトークでのブラッシングを聴いただけで素晴らしさが伝わってくる。彼が影響を受けたドラマーとしてまずはメルルイスを挙げている。ビッグバンドでもコンボでもこなし、派手さは無いが小気味良さを感じるのはこの辺りがハミルトンの原点なのかもしれない。
その後、ハミルトンのリーダー作は90年代まで無い。
長く活躍し、その間参加しているアルバムの数も半端ではないが、あまり自ら派手に表舞台に立つのは不得手のようだ。ドラミングと同様。どうやらこのアルバムもCD化されていないようだ。
1. It's You or No One
2. Girl Talk
3. 2nd Street Samba
4. Jeff's Express
5. Split Season Blues
6. Indiana
7. Jeff Hamilton
8. Long John
Jeff Hamilton (ds)
Bob Cooper (ts)
Lanny Morgan (as)
J.T."Biff" Hannon (p)
John Clayton (b)
Mark Murphy (vol)
Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwards
Recorded at Coast Recorders, San Francisco California on January 1982
Originally released on Concord CJ-187