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A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

元気なコーラスグループが活躍していた時代もあったが・・・

2013-05-23 | MY FAVORITE ALBUM



It’s Wonderland / ‘ITS’

モダンコーラスグループの世界でマンハッタントランスファーの登場、そして彼らの現在に至る活躍はジャズ、ポップス、フージョンのジャンルを問わずコーラスグループの世界に大きな影響を与えてきた。
ジャズの伝統に根差し、モダンなサウンドのコーラスグループは楽器の響きとはまた違って聴いていて心地よいしスリルがあるので自分も好みのジャンルのひとつだ。
マントラが活躍を始めて、それに影響を受けたのか日本でも色々なコーラスグループが生まれた。今も野口久和のオーケストラとも一緒に活動しているBREEZEもそのひとつだと思うが、今から30年前にはこんなグループもあった。

ITSというグループは1978年に結成され、84年まで活動した。ITSの由来はメンバー3人の頭文字。分かりやすいといえば分かりやすい。81年に制作されたこのアルバムは、確かスイングジャーナルでも賞を受賞したと思う。当時、彼らのコンサートは郵便貯金ホールを一杯にするほどの人気と実力を合わせ持ったグループだった。

久々にこのアルバムを取り出して聴いてみた。佐藤雅彦のアレンジで、オリジナル曲を含めてモダンなサウンドを聴かせてくれるが、やはりB面が良い。ディズニーソングのメドレーも最高だが、アカペラのベニーゴルソンのウィスパーノットが秀逸。
 ゴルソンは先日来日して元気にプレーしていたが、作曲家としても多くの名曲を残している。このウィスパーノッツを始めとして名曲アイリメンバークリフォードなどは一体何人に演奏されたのだろう。先日のライブでは、クリフォードブラウンが亡くなった時の様子から、この曲が生まれるまでの経緯をまさに生き証人としてたっぷりと時間を掛けて話をしていた。



ジャズの場合はどうしても名アルバム、そしてそれに収められている名演が語り継がれるが、素材となる曲もいいものは良い、名曲と云われるものも多く存在する。いわゆる古いヒット曲のスタンダードとは別のジャズスタンダードと云われる曲だ。名曲と云われる物はコンボでも、大編成でも、ボーカルでも、そして誰がやっても素材の良さにそれぞれのプレーヤーの味が組み合わさっていいものだ。料理もいくらシェフの腕前が良くても、素材が良くなければシェフの腕を発揮できないのと同様。プレーヤーと較べて不思議と作曲家はスポットライトが当たらないが、このベニーゴルソンなどは名作曲家の一人として後世に残ると思う。

 このアルバムで、3人のコーラスのバックを努めたのは、当時フュージョングループで注目された“Fuse One”のメンバー達。歌良し、バック良し、アレンジ良し、そして曲良しの4拍子揃ったアルバムだ。当時は、このような贅沢なアルバムがたくさん作られ、コンサートも活況を呈していたし、今思えば元気な時代だった。
 企業、経済面の凋落ばかりが語られるが、最近の音楽市場も縮小が止まらないようだ。文化面でも衰退の一途を辿っているのは嘆かわしい。 古いアルバムをひっくり返すのもいいが、新しい現役コーラスグループでも探してみよう。せっせと若者を連れてライブ通いでもして、現役を応援しながら微力ながら音楽界の復活に貢献したいものだ。

1. Count On My Love
2. Dark Honey Dance
3. Solitary Search
4. Makeup Your Mind
5. Disney's Wonderland
Bella Notte ~
Someday My Prince Will Come ~
Zip-A-Dee-Doo-Dah ~
Chim Chim Cher-ee ~
When You Wish Upon A Star
6. Whisper Not
7. Sesame Street
8. Open Up Your Heart


木本いず美 ( Izumi Kimoto )
東郷輝久 ( Teruhisa Tohgoh )
島すみえ ( Sumie Shima )

Joe Farrell (ts,fl)
Ronnie Foster (p,elp.mini Moog)
Jeremy Wall (prophet 5)
Masahiko Sato (Prophet 5)
Steve Khan (elg)
Will Lee (elb)
Leon Chancler (ds)

Hoji Hadori,Fumio Shiroyama (tp)
Eiji Arai, Yasuo Hirauchi (tb)
Sumio Okada (btb)
Kiyama Takeshi,Michiya Koide,Takeshi Shinohara (fl)
Koji Yamaguchi, Tsutomu Goto (fhr)

Produced by Akira Taguchi
Arranged by Masahiko Sato

Rercording Engineer : Hideo Takada
Recorded at Victor Studio, Sound Inn studio, Media Studio, Tokyo
On July through September 1981


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