Gula Matari / Quincy Jones
ビッグバンドのアレンジャーは作品にそれぞれ個性がある。自分のバンドであれば好きなことができるし、他のバンドへのアレンジであればバンドカラーも意識しなければなるまい。メルルイスオーケストラにいくつもの作品を提供したボブブルックマイヤーも個性あるアレンジャーの一人だ。自分の好きなアレンジャーの一人はクインシージョーンズ。曲作りを含めて、シンプルな中にも個性を感じさせるのはやはり才能だろう。晩年は作編曲だけでなく、アルバムのプロデュースから含めてオールインワンのクインシーサウンド作りになっていった。そのターニングポイントは、AMに移籍した最初のアルバム”Walking in Space”だろう。
クインシーの関係するアルバムは以前何枚か紹介したが久しぶりにクインシーを聴いてみた。この”Walking in Space”が大ヒットしたので、2匹目のドジョウを狙ったのがこのアルバム、「グラマタリ」だ。普通であれば、第2弾は二番煎じになりがちだが、このクインシーのアルバムはさらなる前進を感じさせる。アフリカンサウンドを取入れたり、単なる8ビートではない、個性的なリズム感に包まれる。収められている曲も、クインシーのオリジナルもあれば、ガーファンクルのヒット曲の明日に懸ける橋、マイルスの十八番のウォーキン、ナットアダレイのハミンなど多彩だ。
特に、ウォーキンはクインシーのビッグバンドの本格スタートともいえる、「私の考えるジャズ」にも収録されていた。このアルバムのプロデューサーは、このアルバムと同じクリードテイラーだ。サックスのジェロームリチャードソンも14年を経てこのセッションにも参加している。決して2番煎じではなく、セカンドステージの本格スタートの宣言ともいえるのがこのアルバムだろう。メンバーも、当時のニューヨークのスタジオミュージシャンの一流どころを揃えている。リチャードソンを含めサドメルのオーケストラもメンバーも多く参加している。
Concordのアルバムが、あまりお金をかけない「普段着の演奏」の良さを売りにしているのに反して、このAMのアルバムは徹底的にお金をかけてゴージャスな世界を作り出している。その期待に十分応えているクインシーの本領発揮の一枚だ。
1. Bridge Over Troubled Water Garfunkel, Simon 5:09
2. Gula Matari Jones 13:02
3. Walkin' Carpenter 8:02
4. Hummin' Adderley 8:08
Quincy Jones Arranger, Producer, Trumpet, Vocals
Freddie Hubbard Flugelhorn, Trumpet
Gene Young Flugelhorn, Trumpet
Danny Moore Flugelhorn, Trumpet
Ernie Royal Flugelhorn, Trumpet
Marvin Stamm Flugelhorn, Trumpet
Wayne Andre Trombone
Benny Powell Trombone
Tony Studd Trombone
Al Grey Trombone
Pepper Adams Flute, BaritoneSax
Danny Bank Bass, Reeds (Multiple), Sax (Baritone)
Jerome Richardson Reeds (Multiple), Sax (Soprano)
Hubert Laws Flute
Eric Gale Guitar
Toots Thielemans Guitar
Herbie Hancock Keyboards
Bobby Scott Keyboards
Bob James Keyboards
Milt Jackson Vibraphone
Ray Brown Bass
Ron Carter Bass
Richard Davis Bass
Major Holley Bass, Vocals
Grady Tate Drums
Don Elliott Percussion
Jimmy Johnson, Jr. Percussion
Warren Smith Percussion
Maretha Stewart Choir, Chorus, Vocals
Hilda Harris Choir, Chorus, Vocals
Marilyn Jackson Choir, Chorus, Vocals
Barbara Massey Choir, Chorus, Vocals
Valerie Simpson Vocals
Kermit Moore Cello
Lucien Schmit Cello
Alan Shulman Cello
Seymour Barab Cello
Creed Taylor Producer
Rudy Van Gelder Engineer
Recorded on March 25,26, May 12,1970
ビッグバンドのアレンジャーは作品にそれぞれ個性がある。自分のバンドであれば好きなことができるし、他のバンドへのアレンジであればバンドカラーも意識しなければなるまい。メルルイスオーケストラにいくつもの作品を提供したボブブルックマイヤーも個性あるアレンジャーの一人だ。自分の好きなアレンジャーの一人はクインシージョーンズ。曲作りを含めて、シンプルな中にも個性を感じさせるのはやはり才能だろう。晩年は作編曲だけでなく、アルバムのプロデュースから含めてオールインワンのクインシーサウンド作りになっていった。そのターニングポイントは、AMに移籍した最初のアルバム”Walking in Space”だろう。
クインシーの関係するアルバムは以前何枚か紹介したが久しぶりにクインシーを聴いてみた。この”Walking in Space”が大ヒットしたので、2匹目のドジョウを狙ったのがこのアルバム、「グラマタリ」だ。普通であれば、第2弾は二番煎じになりがちだが、このクインシーのアルバムはさらなる前進を感じさせる。アフリカンサウンドを取入れたり、単なる8ビートではない、個性的なリズム感に包まれる。収められている曲も、クインシーのオリジナルもあれば、ガーファンクルのヒット曲の明日に懸ける橋、マイルスの十八番のウォーキン、ナットアダレイのハミンなど多彩だ。
特に、ウォーキンはクインシーのビッグバンドの本格スタートともいえる、「私の考えるジャズ」にも収録されていた。このアルバムのプロデューサーは、このアルバムと同じクリードテイラーだ。サックスのジェロームリチャードソンも14年を経てこのセッションにも参加している。決して2番煎じではなく、セカンドステージの本格スタートの宣言ともいえるのがこのアルバムだろう。メンバーも、当時のニューヨークのスタジオミュージシャンの一流どころを揃えている。リチャードソンを含めサドメルのオーケストラもメンバーも多く参加している。
Concordのアルバムが、あまりお金をかけない「普段着の演奏」の良さを売りにしているのに反して、このAMのアルバムは徹底的にお金をかけてゴージャスな世界を作り出している。その期待に十分応えているクインシーの本領発揮の一枚だ。
1. Bridge Over Troubled Water Garfunkel, Simon 5:09
2. Gula Matari Jones 13:02
3. Walkin' Carpenter 8:02
4. Hummin' Adderley 8:08
Quincy Jones Arranger, Producer, Trumpet, Vocals
Freddie Hubbard Flugelhorn, Trumpet
Gene Young Flugelhorn, Trumpet
Danny Moore Flugelhorn, Trumpet
Ernie Royal Flugelhorn, Trumpet
Marvin Stamm Flugelhorn, Trumpet
Wayne Andre Trombone
Benny Powell Trombone
Tony Studd Trombone
Al Grey Trombone
Pepper Adams Flute, BaritoneSax
Danny Bank Bass, Reeds (Multiple), Sax (Baritone)
Jerome Richardson Reeds (Multiple), Sax (Soprano)
Hubert Laws Flute
Eric Gale Guitar
Toots Thielemans Guitar
Herbie Hancock Keyboards
Bobby Scott Keyboards
Bob James Keyboards
Milt Jackson Vibraphone
Ray Brown Bass
Ron Carter Bass
Richard Davis Bass
Major Holley Bass, Vocals
Grady Tate Drums
Don Elliott Percussion
Jimmy Johnson, Jr. Percussion
Warren Smith Percussion
Maretha Stewart Choir, Chorus, Vocals
Hilda Harris Choir, Chorus, Vocals
Marilyn Jackson Choir, Chorus, Vocals
Barbara Massey Choir, Chorus, Vocals
Valerie Simpson Vocals
Kermit Moore Cello
Lucien Schmit Cello
Alan Shulman Cello
Seymour Barab Cello
Creed Taylor Producer
Rudy Van Gelder Engineer
Recorded on March 25,26, May 12,1970
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