A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

サドメルのメンバーの普段の仕事場は・・・・

2012-01-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Roll ‘em / Shirley Scott Plays The Big Bands





60年代の中頃元気があったレーベルといえば、マイルスのいたコロンビア、コルトレーンを擁していたインパルスやピーターソン、ゲッツ、ウェス、ジミースミスなどの大物を抱えていたヴァーブなどのメジャーレーベルだった。中でも、インパルスはボブシールのプロデュースした作品は、一味凝った味付けでいい作品が多かった。さらに、綺麗にコーディングされたダブルジャケットは見た目も豪華で今でも綺麗な状態を保っている物が多い。メジャーレーベルのアルバムはお金をかけられるのか、コンボの演奏だけでなく、オーケストラをバックにしたアルバムも多かった。日本ではあまりボーカル物も含めてオーケストラをバックにしたアルバムは人気が無かったが、中にはアレンジを含めていいアルバムも多いのだが。

サドメルが結成されたのは65年の暮れ。実際には66年から本格的に活動開始し、本拠地Village Vanguardの最初のライブは、66年の2月7日のであった。この模様はアルバムで残されているが、このメンバーがほぼ創設時のメンバーであったと思う。メンバーを見渡すと、大部分がニューヨーク在住のベテラン揃い。スタジオワークでも良くクレジットで名前を見かけることが多い面々だ。このスタジオワークのひとつがこのようなビッグバンド編成をバックにしたレコーディングだった。サドメルのオーケストラが初のライブを録音してしばらく経った4月19日、いつものルディーヴァンゲルダースタジオに御大サドジョーンズを含む面々が集った。その日の主役、オルガンのシャーリースコットのアルバムの録音であった。

アルバムのタイトルも”PLAYS THE BIG BANDS”という往年のビッグバンドの名曲にチャレンジしたアルバムだった。内容はビッグバンドをバックにしたもの(アレンジはオリバーネルソン)もあるが、トリオの演奏もあるという、少し捻った構成になっている。オルガンは他の楽器よりは表現力がありそうだが、流石にオルガンだけでビッグバンドの名曲&名演にチャレンジは少し荷が重い。やはり、ビッグバンドの名曲はビッグバンドのサウンドが耳に残ってしまうの。ビッグバンドをバックにしたものの方がオルガンの演奏も生きているように思う。オリバーネルソンのアレンジもそれほど凝る方ではないので、快調にスイングするバックにはうってつけだったと思う。そして、スイングするバックにはグラディーテイト、そしエドショネシーのドラムもピッタリだ。

実は、先日捨てずにダンボール詰めにしてあった古いスイングジャーナルを久しぶりに引っ張り出してみた。丁度このアルバムがリリースされた1966年の頃の物から捨てずに残っているが、パラパラ捲っていると、当時ニューヨークに在住の秋吉敏子のニューヨーク報告の記事が目に留まった。当時ニューヨークでも話題になっていたサドメルのライブにようやく行った、その感想であった。それは、「メンバー良し、アレンジ良し、場所も良しなのに何故かひとつしっくりこない。ひとつは明らかに練習不足。そして最悪なのがドラムのメルルイス。彼のノリの悪いドラムがすべてを台無しにしている、彼ほどオーバーレイテッドなドラマーはいない。」とメルを酷評するものであった。結果は、メルルイスがこのバンドを引き継ぐことになったのだから皮肉なものだ。
このアルバムを聴きながらこの記事を読んで、もしサドジョーンズがドラマーとしてこのアルバムで起用しているグラディーテイトかエドショネシーを自分のオーケストラに選んでいたら、果たしてサドメルはどうなっていたであろうか・・・・・?と、つまらないことが気になった。

1. Roll 'Em              Williams 4:08
2. For Dancers Only          Oliver, Raye, Schoen 3:43
3. Sophisticated Swing         Hudson, Parish 2:49
4. Sometimes I'm Happy         Caesar, Grey, Youmans 3:53
5. Little Brown Jug          Winner 3:57
6. Stompin' at the Savoy        Goodman, Razaf, Sampson, Webb 3:57
7. Ain't Misbehavin'          Brooks, Razaf, Waller 3:30
8. A-Tisket, A-Tasket          Alexander, Fitzgerald 3:55
9. Things Ain't What They Used to Be  Ellington, Ellington, Persons 5:19
10. Tippin' In             Smith, Symes 4:33


Thad Jones, Joe Newman, Jimmy Nottingham, Ernie Royal, Clark Terry (tp)
Quentin Jackson, Melba Liston, Tom McIntosh (tb)
Paul Faulise (btb)
Jerry Dodgion, Phil Woods (as) Bob Ashton, Jerome Richardson (ts) Danny Bank (bars)
Shirley Scott (org)
Attila Zoller (g)
George Duvivier (b)
Grady Tate (d)
Oliver Nelson (arr, cond)

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 19, 1966

Shirley Scott (org)
Richard Davis (b)
Ed Shaughnessy (d)

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, April 15, 1966
Produced by Bob Thiele
Engineer Rudy Van Gelder



Roll Em
クリエーター情報なし
Grp Records

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