A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バンドカラーにもお国柄が出るものだが・・

2008-02-14 | MY FAVORITE ALBUM
A Good Time Was Had By All / Esko Linnavalli ・ New Music Orchestra

サド・メルがフィンランドのオーケストラ「UMO」と共演したアルバムで、妙にそのオーケストラのサウンドがサドのコンセプトにしっくりしている。普通であれば、他のオーケストラの譜面を持ち込んで演奏しても自分のオーケストラの音にするには時間がかかるものだが。
サド・メルの2人とこのオーケストラはその時が初共演かどうかも分からないが、このオーケストラのリーダーであるESKO LINNAVALLIとNew Music Orchestraは、サド・メルのオーケストラに興味を持っていたのは間違いない。

そもそもこのオーケストラが設立されたのは1975年。フィンランドでジャズの世界で活躍する代表的なミュージシャンを中心に編成され、放送やコンサートで活動を開始した。
サド・メルとの共演の一年前の1976年、このオーケストラはこの一枚のアルバムを出している。デクスター・ゴードンやニールス・ペデルセンなどをゲストに加えて、ESKOの曲を中心に演奏をしているが、一曲だけサドジョーンズの作曲した“A Good Time Was Had By All”が収められている。そして、この曲がアルバムタイトルにもなっている。
この曲は、サド・メルの”SUITE FOR POPS”というアルバムに入っている、カリプソのリズムに乗った軽快な曲。

そして、一曲目の曲は”Talking with Mr.Jones”。このジョーンズとはサドのことであろう。サド・メルのオーケストラをかなり意識していたのかもしれない。
他の曲もソプラソサックスやフルートを多用したサドジョーンズ風のアレンジが多い。何となく、サドジョーンズのオーケストレーションと、このESKOの目指していたオーケストラのサウンドには共通点がある。
とすると2人の共演はある種の既定路線だったのかもしれないし、その演奏内容はサド・ジョーンズのアレンジの意図を十分に理解して演奏できる素地はすでにできていたのかもしれない。
この時、サドジョーンズも自分のアレンジを実現してくれるのはアメリカのオーケストラではなく、ヨーロッパ、それも北欧のオーケストラと思ったのかもしれない。
事実、78年に自らのバンドであるサド・メルのオーケストラを去り、ヨーロッパに渡って、デンマークのオーケストラのリーダーとなる。

1. Talking With Mr.Jones
2. Sari
3. Eclipse
4. A Good Tme Was Had By All

New Music Orchestra

Dexter Gordon (ts,ss)
Pekka Poyry (as,ss,fl)
Juhani Aaitonen (ts,ss,fl)
Eero Koivistoinen (ts.ss)
Pentti Lahti (bs,ss,fl)
Allan Bostschinsky Simo Salminen , Markku Johansson , Kaj Backlund (tp.flh)
Juhani Aalto , Tetri Juutilainen , Mircea Stan , Tom Bildo (tb)
Geoge Wadenius (eg)
Esko Linnavalli (p,ep.cond.)
Niels Pederesen (b,eb)
Esko Rosnell (ds,per)

Produced by Lars Samuelson

Recorded at Finnlevy Studios , Helsinki , May 17-19 , !976





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