SUITE FOR POPS / THAD JONES & MEL LEWIS ORCHESTRA
仲間と事業を共同で立ち上げて、苦労しているときはお互い二人三脚で力を合わせて頑張るが。一度目標が達成されて一段落するとお互いに次なる夢は異なってしまうことが多い。仲違せずにそれぞれの道を歩めれば幸せだが会社はひとつ。結局はどちらかが去らなければならない。ビジネスの世界ではよくあることだ。
ジャズの世界でも2人でコンビを組んだ双頭バンドは、いつかはこのような局面が生じる。
サド・ジョーンズとメルルイスのオーケストラも、週一回のVILLAGE VANGUARDでの活動をメインとするリハーサルオーケストラとしてスタートしたが、レコーディングや国内外のツアーも増えてレギュラーバンドとしての活動をするようになってきた。
そして、これまでの活動の集大成ともいえる、アルバム“CONSUMMATION”を制作して一区切りを迎えた。1970年のことだ。
オーケストラ自体は、益々人気を集めて活発な活動を続けるが、メンバーの移動も激しくなってきた。そして、所属のレーベルも変わり、新生サド・メルがスタートすることになる。新たな所属先、A&M HORIZONから発表されたのがこのアルバム”SUITE FOR POPS”だ。作曲家としてのサドジョーンズの想いがより前面に出たアルバム作りになっている。
作曲を志すものにとってのひとつの夢は、曲を数多く作曲することに加え、いくつかの曲を組み合わせ、「組曲」として自分のイメージを複数の曲で実現することなのかもしれない。組曲はクラッシクの世界では数多くあるが、ジャズの世界ではやはりエリントンが代表的であろう。
作曲家としてのサド・ジョーンズが、このような夢を実現したのがこのアルバム。POPSの祖ともいえるサッチモ、ルイアームストロングに捧げたのがこのアルバムだ。
このような趣旨なので、自由なアドリブを繰り広げるというよりは、一曲ごとに計算されたアンサンブルとソロの組み合わせが特徴的だ。
サド・ジョーンスのフリューゲルホールをフィーチャーしたバラードは、いつものことながらサド・ジョーンスの曲とアレンジの美しさの独自の世界に引き込まれる。エイトビートやカリプソのリズムを取り入れたアップテンポもサドの洗練されたアレンジで派手さが一オブラートに包まれたような独自のサウンド。
ボーカルのディーデューブリッジウォーターが加わったTHE GREAT ONEも秀逸。
一方で、サドメルオーケストラの良さは、白人・黒人がうまく混成され、曲やアレンジも色々なメンバーから持ち寄られ、ライブで本領を発揮する自由なアドリブが本来の出発点。
そのような点では、設立時のコンセプトから少し趣きを変えて、サドジョーンズの意向に重きを置いて取り組んだ一枚である。メンバーの移動が多い中、2年がかりで作られたのもこのアルバムの登場には色々紆余曲折があったのだろう。立ち上げ時を支えた、ジェロームリチャードソンやボブブルックマイヤーもいない。メルルイスとの呼吸も、この頃から合わなくなり始めたのかもしれない。
もちろん、内容的にはサドメルの特徴と良さが十分に出ているが。
MEETIG PLACE
THE SUMMARY
THE FAREWELL
TOLEDO BY CANDLELIGHT
THEGREAT ONE
ONLY FOR NOW
A GOOD TIME WAS HAD BY ALL
Thad Jones (flh,perc)
John Faddis , Stephen Furtado, Jim Bossy , Lew Soloff , Snooky Young , Marvin Stamm , Virgil Jones , Cecil Bridgewater (tp)
Jimmy Knepper , Quentin Jackson , Billy Campbell , Eddie Bert , Janice Robinson , Earl Mcintyer (tb)
Cliff Heather , Jack Jeffers , Dave Talor (btb)
Jack Jeffers (tuba)
Jim Buffington , Peter Gordon , Earl Chapin , Jullius Watkins , Ray Alonge (frenchhorn)
Jerry Dodgion , Eddie Xiques (as.ss,fl)
Billy Harper , Eddie Daniels Ron Bridgewater , Frank Foster , Greg Herbert Lou Marini (ts,fl,cl)
Pepper Adams (bs,cl)
Roland Hanna (ep)
George Mraz , Richard Davis , Steve Gilmore (b)
Leonard Gibbs (conga)
Mel Lewis (ds.per)
Dee Dee Bridgewater (vocal)
Recorded January 25, 31,September 1 1972 , July 22 1975
仲間と事業を共同で立ち上げて、苦労しているときはお互い二人三脚で力を合わせて頑張るが。一度目標が達成されて一段落するとお互いに次なる夢は異なってしまうことが多い。仲違せずにそれぞれの道を歩めれば幸せだが会社はひとつ。結局はどちらかが去らなければならない。ビジネスの世界ではよくあることだ。
ジャズの世界でも2人でコンビを組んだ双頭バンドは、いつかはこのような局面が生じる。
サド・ジョーンズとメルルイスのオーケストラも、週一回のVILLAGE VANGUARDでの活動をメインとするリハーサルオーケストラとしてスタートしたが、レコーディングや国内外のツアーも増えてレギュラーバンドとしての活動をするようになってきた。
そして、これまでの活動の集大成ともいえる、アルバム“CONSUMMATION”を制作して一区切りを迎えた。1970年のことだ。
オーケストラ自体は、益々人気を集めて活発な活動を続けるが、メンバーの移動も激しくなってきた。そして、所属のレーベルも変わり、新生サド・メルがスタートすることになる。新たな所属先、A&M HORIZONから発表されたのがこのアルバム”SUITE FOR POPS”だ。作曲家としてのサドジョーンズの想いがより前面に出たアルバム作りになっている。
作曲を志すものにとってのひとつの夢は、曲を数多く作曲することに加え、いくつかの曲を組み合わせ、「組曲」として自分のイメージを複数の曲で実現することなのかもしれない。組曲はクラッシクの世界では数多くあるが、ジャズの世界ではやはりエリントンが代表的であろう。
作曲家としてのサド・ジョーンズが、このような夢を実現したのがこのアルバム。POPSの祖ともいえるサッチモ、ルイアームストロングに捧げたのがこのアルバムだ。
このような趣旨なので、自由なアドリブを繰り広げるというよりは、一曲ごとに計算されたアンサンブルとソロの組み合わせが特徴的だ。
サド・ジョーンスのフリューゲルホールをフィーチャーしたバラードは、いつものことながらサド・ジョーンスの曲とアレンジの美しさの独自の世界に引き込まれる。エイトビートやカリプソのリズムを取り入れたアップテンポもサドの洗練されたアレンジで派手さが一オブラートに包まれたような独自のサウンド。
ボーカルのディーデューブリッジウォーターが加わったTHE GREAT ONEも秀逸。
一方で、サドメルオーケストラの良さは、白人・黒人がうまく混成され、曲やアレンジも色々なメンバーから持ち寄られ、ライブで本領を発揮する自由なアドリブが本来の出発点。
そのような点では、設立時のコンセプトから少し趣きを変えて、サドジョーンズの意向に重きを置いて取り組んだ一枚である。メンバーの移動が多い中、2年がかりで作られたのもこのアルバムの登場には色々紆余曲折があったのだろう。立ち上げ時を支えた、ジェロームリチャードソンやボブブルックマイヤーもいない。メルルイスとの呼吸も、この頃から合わなくなり始めたのかもしれない。
もちろん、内容的にはサドメルの特徴と良さが十分に出ているが。
MEETIG PLACE
THE SUMMARY
THE FAREWELL
TOLEDO BY CANDLELIGHT
THEGREAT ONE
ONLY FOR NOW
A GOOD TIME WAS HAD BY ALL
Thad Jones (flh,perc)
John Faddis , Stephen Furtado, Jim Bossy , Lew Soloff , Snooky Young , Marvin Stamm , Virgil Jones , Cecil Bridgewater (tp)
Jimmy Knepper , Quentin Jackson , Billy Campbell , Eddie Bert , Janice Robinson , Earl Mcintyer (tb)
Cliff Heather , Jack Jeffers , Dave Talor (btb)
Jack Jeffers (tuba)
Jim Buffington , Peter Gordon , Earl Chapin , Jullius Watkins , Ray Alonge (frenchhorn)
Jerry Dodgion , Eddie Xiques (as.ss,fl)
Billy Harper , Eddie Daniels Ron Bridgewater , Frank Foster , Greg Herbert Lou Marini (ts,fl,cl)
Pepper Adams (bs,cl)
Roland Hanna (ep)
George Mraz , Richard Davis , Steve Gilmore (b)
Leonard Gibbs (conga)
Mel Lewis (ds.per)
Dee Dee Bridgewater (vocal)
Recorded January 25, 31,September 1 1972 , July 22 1975