A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

世の中、偽装とか誤報とかが続いているが、このアルバムも・・・・

2014-09-13 | MY FAVORITE ALBUM
Mercy, Mercy, Mercy / The Cannonball Adderley Quintet

67年9月号のスイングジャーナルのレコード評を懐かしく見ていたら、このアルバムが目に留まった。タイトル曲のマーシーマーシーマーシーがシングルヒットして、人気のあったアルバムだ。この曲は、ザヴィヌルの作曲家としての出世作でもあり、色々カバーされている。バディーリッチビッグバンドのアルバムも良く聴いたものだ。

このところ、ペッパーアダムスがバックに入った、ぬるい8ビートを何枚か聴いたので、同じ時期でもこんなに元気な演奏があったと改めて思い出した。

所有盤はCDなので、発売当時ではなく大分後になって買い求めたものだ。
このCD盤のリイシューのプロデューサーはお馴染みマイケルカスクーナであるが、いきなりこのアルバムの正体の暴露から始まる。

先日、朝日新聞の誤報事件(あえて事件と言いたい)があったが、その前は食品関連の産地偽装、素材誤表示と、要は世の中嘘で固めて出回った物が次々と暴露されてきている。
それらには必ず何の為?という理由があるが、メディアが嘘を書いたらこれは自殺行為。憶測記事ならばまだしも、今回のものは調書という文書に書かれた物。日本語の分からない外人が読み間違えたならまだしも、文章を書くことを生業としている記者が、いくら黒塗りのあったにせよ読み間違いをするとは考えにくい。
嘘を嘘の上塗りでごまかすと、二進も三進もいかないところまで行くのが世の常だが、果たしでどこまで行くか。今回の事件を簡単な幕引きで終わらせる事は読者だけでなく、国民が納得しないだろう。

さて、このアルバムの嘘というのは、まずはタイトルそのものから始まる。
タイトル曲のMercy、Mercy、Mercyは良しとして、サブタイトルの”Live at The Club”が大問題。
このクラブが、バーチャルであれば、たいして問題は無かったのだが、シカゴに実在していたクラブの名称だから問題だ。このクラブに、アダレイクインテットが7月に出演し、その時のライブとなっている。ディスコグラフィーを見ても、そのまま表記されている。

では、実際にはどこでとなるが、10月20日にハリウッドのCapitolのAスタジオというのが正解。演奏を聴くと、聴衆の熱気が伝わってくるが、これはスタジオにお客を入れたスタジオライブだから。フリードリンクで当然乗りの良いお客を入れた、いわゆるやらせである。よく、拍手をオーバーダビングしたライブ風(擬き)というアルバムもあるが、それと比べれば実際に客を入れていたので、演奏自体は熱っぽく良いノリとなっている。

では何の為という事になるが、このクラブの新装開店のパブリシティに協力したというのが真相のようだ。今の時代であれば、その点を含めて綿密にプロモーションがプランされる事もあるかと思うが、今回はアダレーがここのオーナーと知り合いだったので、開店祝いに一肌脱いだということだそうだ。

ライナーノーツを書いている地元のラジオのディスクジョッキーも共犯になるが、彼もこのオーナグループの一員だったようなので辻褄合わせに一役買ったのだろう。

シカゴでのライブは7月とクレジットされているので、実際にこの時演奏し収録もされたかもしれない。しかし、せっかくのパブリシティには内容が今一つ(演奏なのか会場の雰囲気だったのかは?)だったので、10月にスタジオライブで録り直したというのが本当の所ではないか?

今の時代では、このような事をやればすぐにネットで話題になる。世の中段々人を騙すのは難しくなっているのに、反対に振り込詐欺が横行するのは何故?

もちろん、このような仕掛けがあっても(あったから結果が良かったのかも)演奏は素晴らしいものなので、アルバム自体は大ヒットした。しかし、お店の方は残念ながら長くは続かなかったという。世の中そんなものだろう。

1, Fun           Nat Adderley / Nat Adderley, Jr. 8:26
2. Games                    Nat Adderley 7:19
3. Mercy, Mercy, Mercy              Joe Zawinul 5:10
4. Sticks                Cannonball Adderley 3:54
5. Hippodelphia                 Joe Zawinul 5:49
6. Sack O' Woe             Cannonball Adderley 10:29

Cannonball Adderley (as)
Nat Adderley (cor)
Joe Zawinul (p,elp)
Victor Gaskin (b)
Roy McCurdy (ds)

David Axelrod Producer
Hugh Davies  Engineer

Recorded at Capitol Studios Los Angeles, on October 20., 1966

Mercy Mercy Mercy
Cannonball Aderley
Blue Note Records

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本の伝統的な曲でNewportの... | トップ | 分家も本家に負けずに元祖サ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。