A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

90歳になっても、この頃のドラミングと本質は変わらずに・・・

2015-05-21 | MY FAVORITE ALBUM
We Three / Roy Haynes, Phineas Newborn, Paul Chambers



先日ロイ・ヘインズのライブがあった。「90歳の誕生日を祝って」というタイトルであったが歳を感じさせないプレーを聴かせてくれた。へインズもバップ時代を伝える生き字引の一人だが、まずは元気な姿を見ることができて一安心。

元々小柄なへインズだが、ちょっと見た感じ、そして歩く姿は一回り小さくなった感じがするのは否めない。しかし、一度ドラムセットの前に座るとそのドラミングは健在であった。小柄なせいかへインズのドラムセッティングは椅子を高くして少し特別なセッティングだという。これがしっくりいかなかったのか、最初の曲が始まってからもドラムセットを細かく神経質そうに調整していたのが気になった。もちろんプレーもおざなりになる。

しかし、曲が進むにつれてドラミングの方も、本来のへインズのタイムリーな、きめ細かさにドライブがかかってきた。元来ド派手なプレーをするタイプではないので、ドラムソロと言ってもマレットを使ったメロディアスなプレーであった。年を重ねてもへインズのドラミングの本質は変わるものではなかった。

同年代のベニーゴルソンのステージではプレーだけでなく昔話を交えたトークも楽しめたが、反対に今回のへインズのステージはプレーに専念。曲目紹介やメンバー紹介もなく淡々とステージは進んだ。本来は陽気な性格のへインズのはずだが、これは少し残念であった。

へインズは長く演奏生活を続けているが、これはというリーダーアルバムはあまり思い浮かばない。(もっとも90年以降のアルバムはほとんど聴いていないが)。しかし、バックに廻った時、その時のメンバーや場の雰囲気に合わせたドラミングは格別のものがある。

因みに自分が一番好きなドラミングは、チックコリアのNow He Sings Now He Sobsのバック。コリアが新しい事をやろうとしている事に合わせて、曲によって実に変化に富んだドラミングを聴かせてくれる。スタンゲッツのグループに加わりながら、コルトレーンのグループにエルビンジョーンズの代役として良く加わっていたというのも、どのような相手とも合わせることができるへインズならではの技があるからだと思う。

このへインズの50年代のアルバムというとこのアルバムとなる。サラボーンのバックを務めている時はブラッシングに専念しているが、ここではフィニアスニューボーンのピアノが相手だ。超絶テクニックにどう合わせるかが聴き所だが、レギュラートリオのようにピッタリときまっている。

この録音が行われた1958年、ロイヘインズは長年務めたサラボーンのバックを離れた。そしてこのアルバムで共演しているニューボーンとは何度かファイブスポットでgigを続けていたようだ。それもあって、まさにタイトル通り誰がリーダーという事も無く3人の呼吸は合っている。クラブでの演奏にピッタリなグルービーな雰囲気もそのままスタジオで再現している。ニューボーンもデビュー直後の様にテクニックをひけらかすのではなく、3人のコラボに重きを置いているようにも感じる。まさにWe threeだ。

このジャケットの3人の写真を見ても、へインズとニューボーンがチェンバースと較べて頭一つ違うのが良く分かる。小さな巨人達のビッグな演奏が聴けるアルババムだ。



1. Reflection                Ray Bryant 4:21
2. Sugar Ray           Phineas Newborn Jr. 6:22
3. Solitaire             Guion / Carl Nitter 8:47
4. After Hours             Avery Parrish 11:14
5. Sneakin’s Around             Ray Bryant 4:21
6. Our Delight             Tadd Dameron 4:01

Phineas Newborn (p)
Paul Chambers (b)
Roy Haynes (ds)

Produced by Bob Weinstock
Recording Engineer : Rudy Van Gelder
Recorded at Van Gelder Studio Hackensack New Jersey on November 14, 1958


We Three: Rudy Van Gelder Remasters Series
クリエーター情報なし
Prestige

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