A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

有名グループもメンバーチェンジでイメージが変わることも・・・・

2008-05-21 | MY FAVORITE ALBUM
Last Set at Newport / Dave Brubeck Quartet

“The Trio”といえばオスカーピーターソン。レイブラウンとのコンビがトリオの屋台骨を支えた。“The Quartet”といえばデイブブルーベック。同じようにポールデスモンドとのコンビがこのグループの人気を絶対的なものにした。
レイブラウンがピーターソンの元を離れたのが1965年。それから2年、1967年にはポールデスモンドがブルーベックの元を去った。世界中を股にかけて活躍していた人気グループの解散であった。
ブルーベックはしばらく休養した後、相手に選んだのがジェリーマリガン。
最初のアルバムはメキシコでのライブだった

アルトからバリトンへとサックスが重厚なサウンドになったが、軽妙なブルーベックカルテットの伝統のサウンドはしっかり引き継がれていた。それから3年。2人のコンビの呼吸が合って来たところで、このグループがNewportの舞台に立った。

ブルーベックのステージの前のプログラムは、ビルチェイスが率いるブラスロックグループ”Chase”が大音量で聴衆を圧倒した。興奮冷めやらぬ会場に4人が登場することになったが、ブルーベックは一瞬会場のPAを最大に上げねばとも感じたようだった。
思いとどまって、いつものセッティングで演奏をスタートする。
オコナー神父の紹介で、”Newport Blues”で演奏がスタートするが、心なしか普段よりタッチが力強く感じられる。マリガンのソロを挟んで、ブルーベックのピアノが得意のブロックコードでのソロを繰り広げる。キーボードを叩くブルーベックの手から繰り出される音の塊が徐々に会場を圧倒していく。16分にも及ぶ長い演奏の後、お馴染みの”Take Five”が続く。誰もが知っているメロディーに会場が一瞬ざわめく。アルトからバリトンに変わっても、その軽妙なメロディーには変わりがない。ところが曲が進むにつれて、ブルーベックのピアノがまた怒涛のように広い会場一杯に拡がる。その原因がブルーベックのピアノのプレーにあるのは勿論だが、それを後押ししているのはアランドーソンのドラムだ。「機関銃のように」という例えがあるが、まさにドラムセットを駆使して軽機関銃から時には重機関銃のように連続したリズムをたたき出す。“Sheets of Sound”はエルビンジョーンズの得意技だが、まさにドーソンのドラミングもその表現がピッタリだ。クラッシクのテクニックに裏打ちされたブルーベックのピアノは、クライマックスを迎えるとあたかもフリージャズのような様相も呈してくる。ブルーベックの新境地を垣間見ることもできる。マリガンのバリトンも心なしか影が薄くなる。
この演奏であれば、ブルーベックの心配は無用であった。会場のPAの音量を上げる必要は全く無かったのだ。パートナーを代えて、新たなブルーベックカルテットのパワフルな世界を存分に披露したステージであった。

1. Introduction by Father Norman O'Connor             0:39
2. Blues for Newport                     Brubeck 16:24
3. Take Five                          Desmond 9:49
4. Open the Gates (Out of the Way of the People)   Brubeck 8:12

Produced by Nesuhi Ertegun

Gerry Mulligan (bs)
Dave Brubeck (p)
Jack Six (p)
Alan Dawson (ds)

Recorded live at The Newport Jazz Festival, July 3, 1971


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