A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

サドメルのメンバーの面々が揃ってバックに、その歌手は・・・?

2016-02-10 | PEPPER ADAMS
Hello There,Universe Mose Allison

2月7日は50年前サドメルが初めてビレッジバンガードに出演した記念すべき日だった。本家ビレッジバンガードではVJOが連日記念ライブをやっていたようだが、50年前の記念すべきライブの模様を収めたアルバムが当日発売された。この1966年2月7日の最初のステージの模様は以前”Opening Night”というタイトルで発売されたこともあるが、今回は3月17日のライブも追加されてCD2枚組での発売。前回はFM放送に使用されたソースを使ったようだが、今回は同じ録音であっても正式に許諾手続きがされてリリースされたようだ。
サドメルのアルバムとしては久々のアルバムなので早速入手したが、50周年ということもあって、当時のメンバーのインタビューなども収めた厚いブックレットも添付され、これも貴重だ。ファンにとっては、気になるネタも多いのでこのアルバムの紹介は改めてしようと思う。

立上げ当時のサドメルのメンバーというと、ニューヨークでテレビに番組にレギュラー出演していたり、ファーストコールのスタジオミュージシャンが中心。月曜日には仕事が少ないという事もあり、サドメルのオーケストラに集まるのは月曜日がレギュラーとなったが、他の日はメンバーそれぞれがスタジオの仕事で飛びまわっていた。ジャズアルバムのメンバーとして加わるだけでなく、歌手のバックから、コマーシャルのジングルまでその活動の幅は広い。ペッパーアダムスももちろんその一人であった。
ある時はリーダー以下、バンドメンバーが全員参加バックでしたことがある。ジミースミスの”Portuguese Soul”などはメンバーだけでなく、アレンジを含めてサドメルがそのままバックを務めたこともある。

1969年10月、この日はトランペットセクションから2人、サックスセクションから3人の面々が揃ってスタジオに集まった。その日の主役、モーズアリソンのアルバムのための録音であった。
バックのアンサンブルのアレンジもアリソンが行ったので、このメンバーを集めたのはアリソンの要望だったのだろう。ただ、実際のアレンジは単調で、何もこのメンバーでなくともと思うが、スタジオワークでは要求されたものを要求どおり何でもやることが重要なのだろう。

さて、モーズアリソンというと、根っからのジャズファンにとっては、アルコーン&ズートシムスのグループでの演奏が有名だ。50年代から60年代初めにかけてのアリソンは、ハードバップに根差したピアノで活躍した。若手メンバーがロフトに集まって日々鍛錬を続けた仲間の一人でもあった。そのロフトではズートシムスやペッパーアダムス達も常連であったが、以前その演奏の様子は”Jazz Loft”というアルバムで紹介したことがある。ここでも、アリソンはシムス、アダムスなどとジャムセッションを繰り広げている。

このアリソンは、次第にジャズだけでなくブルースにも軸足を移す。次第にピアノだけでなく自作の曲のボーカルが中心になる。彼が歌う白人のブルースはジャズよりはロックやポップスのミュージシャンに影響を与え、カバーされることも多かった。

ジャズピアニストであるモーズアリソンが、今のモリソンに変身していく過渡期に作られたのがこのアルバムだ。すでにボーカルが中心になっているが、けっして歌が上手といったタイプではない。黒人特有のブルースの泥臭さがあるわけでもない。ソングライターとしての才能に、白人らしい洗練された歌い口がマッチして人気が出たのであろう。そのジャンルのファンにとっては伝説のジャズブルースシンガーになっているようだ。

バックのアンサンブルは人数が多いが複雑なアンサンブルワークを披露している訳ではない。人数が多い分分厚いサウンドだが、単調なバックだ。アダムスは、1曲目でいきなりソロをとっているが、もう一曲でソロが聴ける。珍しくセルドンパウエルがバリトンを吹いているが、録音日によってアダムスと交代している。



1. Somebody Gotta Move
2. Monsters Of The ID
3. I Do’ntWant Much
4. Hello there, Universe
5. No Exit
6. Wild Man On The Loose
7. Blues In The Night
8. I’m Smashed
9. Hymn To Everyhing
10. On The Run

Mose Allison (p, org. vol, arr)
Jimmy Notthingham (tp)
Richard Williams (tp)
Jerome Richardson (as,fl)
Joe Henderson (ts)
Seldon Powell (bs)
Pepper Adams (bs)
Bob Cranshaw (eb)
Joe Cocuzzo (ds)
Produced by Nick Samardoge & Lee Friendlander
Engineer : William Arlt & Jerome Gasper
Recorded in New York on October 16, 21, 31 1969


Hello There Universe
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