A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

奇しくも直後に亡くなった「故人」への餞になってしまったが・・・・

2013-03-30 | CONCORD
The Dave Mckenna Trio Plays The Music of Harry Warren

ホテルのラウンジでよくピアノの演奏が行われている。いわゆるカクテルピアノというものだ。ソロの時も多いが、ギターやベースを入れても煩くなくBGMとして心地よい響きを提供してくれる。ポピュラーな曲が多いが、古いスタンダードも多い。

ジャズのピアニストには、このような雰囲気が得意な人がいる。Concordでおなじみのデイブマッケンナもその一人だと思う。得意の左手の魔術はベースなしでも、実にスインギーにテンポを刻む。事実、この頃マッケンナはツアーのない時は、ボストンのCopley Plaza Hotelを根城にして週6日出演していた。経営が代わってプログラムを変えたら客足が途絶えたとか。それだけマッケンナを聴きにきていた地元のファンが多かったということだろう。

そのマッケンナが作曲家Harry Warrenの作品集を取り上げたのがこのアルバム。
作曲家の作品集というのはよくある企画だ。ピアノではピーターソンの作曲家シリーズが有名だが、演奏家にとってはその作曲家への何らかの想いがあるものだ。
このアルバムは、Warrenが亡くなる一ヵ月前に作られたもの。最初から企画があったのか、それともWarrenの近況を聞いて日頃ホテルで演奏している曲からWarrenに想いをこめて作られたのかは定かではないが、結果的に発売されるときには追悼盤ということになった。

このアルバムでは、ベースとドラムを入れた通常のトリオ編成。マッケンナの洒落た雰囲気はいつものとおりだが、ラウンジでの演奏よりはきっと熱の入った演奏だと思う。ベースが入っても、マッケンナの左手は健在、最後のLulu’s Back in Townでのドライブ感は流石である。

普段あまり、作曲家の経歴などを見ることはないが、之を機に少し調べてみると、これらの曲が生まれたころのWarrenの映像もあった。



この前、紹介したBreezeが歌っていたお気に入りJeeper’s CreepersもこのWarrenの作品だった。この頃のスタンダードは思わず口ずさみたくなるような曲が多い。



演奏家の場合、亡くなるとラストレコーディングを最後に後の演奏は聴くことができない。よく若くしてこの世を去ったミュージシャンを思い浮かべ、もし今の時代生きていたらどんな演奏をしただろうか?と思うことは多い。
ところが作曲家の場合は、亡くなった後もスタンダードとなり演奏し続けられる。もちろん、その時代の解釈は加えられても、名曲というのは永遠だ。作曲家冥利に尽きるとはこのことかもしれない。

1. Nagasaki
2. 42nd Street
3. Medley
4. This Heart of Mine
5. Carnival
6. My Heart Tells Me (Should I Believe My Heart?)
7. I Only Have Eyes For You
8. The Gold Digger’s Song (We’re In The Money)
9. Lulu’s Back in Town


Dave Mckenna (p)
Bob Maize (b)
Jake Hanna (ds)

Composed By Harry Warren died September 22,1981

Produced by Carl Jefferson
Recorded by Ron Davis
Recorded at Russian Hill, San Francisco, August 1981

Originally Released on Concord CJ-174

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