Telephone / Ron Carter & Jim Hall
ロンカーターというと、自分にとっては丁度ジャズを聴き始めた頃のマイルスのグループの一員という印象が強い。しかしカーターの長いミュージシャン人生の中で、マイルスのグループに加わっていた期間は1963年からマイルスインザスカイまでの5年間、その間もスタジオワークでは数多くのセッションに加わっていた。レコーディングに参加した数の多さは間違いなく、ベスト5に入るだろう。
今年で80歳になるがまだまだ現役バリバリ。良く来日して演奏を聴かせてくれるが、コンボであったり、ビッグバンドであったり、昨年はチェロを加えたノネット編成だった。ジャズだけでなく、クラシックの演奏にも長けているカーターは、要は何でもこなせるスーパーベーシストだ。
一方の、ジムホール。有名な映画「真夏の夜のジャズ」では冒頭に登場するジミージュフリーのトリオにボブブルックマイヤーと共に加わっていた。映像では音はすれども姿はみせず、曲が終わった挨拶のところでワンカットだけ写っていたので印象が薄いが。その後、ロリンズやアートファーマーのグループに加わっていたが、彼も、その後スタジオワークが多くなった。スタジオでは常連のロンカーターと顔を合わせることも多かっただろう。
この2人のキャリアを辿ると、2人ともチコハミルトンのグループが出発点になる。大陸の東西でハードバップ、そしてウェストコーストジャズが全盛であった頃、このハミルトンのグループというのは得意な存在だった。そこに2人が加わっていたというのも何か因縁めいたものを感じる。ハミルトンのグループでは必ずしも一緒にプレーをした期間はなく、入れ替わりだったようだが。
この2人が、1970年にアローントゥギャザーというDuoアルバムを出した。ジムホールのデュオというと、ビルエバンスとのアルバムが有名だが、このベース版となる。一方のロンカーターも最近ではサックスのヒューストンパーソンとのデュオアルバムがあり、デュオでの演奏も多い。
最近のゴルフはプロの世界では300ヤード越えのドライバーショットが目立つが、スコアメイクはやはりアプローチとパット。昨日のPGAツアーで松山が優勝したが、最後の勝因はやはりアプローチとパット。よく引き出しが多いという言われ方をするが、状況に合わせた多彩なアプローチの技を持っている松山に軍配が上がった。
そのような意味では、ロンカーターとジムホールも日頃の多彩な演奏活動から自然と多くの引き出しを持つようになったのだろう。その2人が、丁々発止とやりあえば、それぞれの引き出しはフルオープンになる。
ギターとベースのデュオというと、時々同じような演奏が延々続くライブに出くわすこともある。引き出しの少ない者同士のデュオは実に単調でつまらないが、この2人の掛け合いは実にスリリングだ。それも、ライブでの演奏だと一層。ゴルフでいうと練習場とコースでのショットの違いになるのだろう。本番でいい球を打てるようになれば本物だ。
この2人のデュオにはライブのオファーも多く、忙しい日々の仕事の合間を縫ってはクラブ出演を続けていた。それも、大きな会場ではなく、小さなクラブの日曜の昼のセッションのような場所で。
ある時、ニューヨークのビレッジウェストに出演した時の演奏がラジオ放送のために録音された。たまたまその音源の権利を2人はキープしていたので、ジムホールがコンコルドでアルバムを出すようになった時、ジェファーソンにそれを提供した。晴れてアルバムとなったのが、前作のLive at Village Westだった。
このアルバムが好評だったので、ジェファーソンはコンコルドジャズフェスティバルの舞台に2人を登場させることになった。1984年の8月、同じライブといっても、小さなクラブと違って、コンコルドのステージは2人だけの演奏には大きすぎたかもしれない。しかし、耳の越えたファンの暖かい拍手に迎えられ、2人の熱いコラボレーションが展開された。その、ライブでの演奏が収められたのが、このアルバムとなる。
2人のデュオの3作目となるがいずれもライブでの演奏になった。スタジオに籠って2人きりで演奏するよりは、人前で一発勝負の演奏する方が、緊張感が増すのだろう。ジャズは、やはりライブに限るという一例だ。
1. Telephone Ron Carter 5:05
2. Indian Summer Al Dubin / Victor Herbert 5:43
3. Candlelight Ron Carter 4:05
4. Chorale and Dance Jim Hall 6:30
5, Alone Together Howard Dietz / Arthur Schwartz 10:15
6. Stardust Hoagy Carmichael / Mitchell Parish 7:29
7. Two's Blues Jim Hall 4:04
Ron Carter (b)
Jim Hall (g)
Produced by Carl Jefferson
Engineer : Phil Edwards
Recorded at Concord Pavillion, Concord, California August 1984
Originally released on Concord CJ-270
ロンカーターというと、自分にとっては丁度ジャズを聴き始めた頃のマイルスのグループの一員という印象が強い。しかしカーターの長いミュージシャン人生の中で、マイルスのグループに加わっていた期間は1963年からマイルスインザスカイまでの5年間、その間もスタジオワークでは数多くのセッションに加わっていた。レコーディングに参加した数の多さは間違いなく、ベスト5に入るだろう。
今年で80歳になるがまだまだ現役バリバリ。良く来日して演奏を聴かせてくれるが、コンボであったり、ビッグバンドであったり、昨年はチェロを加えたノネット編成だった。ジャズだけでなく、クラシックの演奏にも長けているカーターは、要は何でもこなせるスーパーベーシストだ。
一方の、ジムホール。有名な映画「真夏の夜のジャズ」では冒頭に登場するジミージュフリーのトリオにボブブルックマイヤーと共に加わっていた。映像では音はすれども姿はみせず、曲が終わった挨拶のところでワンカットだけ写っていたので印象が薄いが。その後、ロリンズやアートファーマーのグループに加わっていたが、彼も、その後スタジオワークが多くなった。スタジオでは常連のロンカーターと顔を合わせることも多かっただろう。
この2人のキャリアを辿ると、2人ともチコハミルトンのグループが出発点になる。大陸の東西でハードバップ、そしてウェストコーストジャズが全盛であった頃、このハミルトンのグループというのは得意な存在だった。そこに2人が加わっていたというのも何か因縁めいたものを感じる。ハミルトンのグループでは必ずしも一緒にプレーをした期間はなく、入れ替わりだったようだが。
この2人が、1970年にアローントゥギャザーというDuoアルバムを出した。ジムホールのデュオというと、ビルエバンスとのアルバムが有名だが、このベース版となる。一方のロンカーターも最近ではサックスのヒューストンパーソンとのデュオアルバムがあり、デュオでの演奏も多い。
最近のゴルフはプロの世界では300ヤード越えのドライバーショットが目立つが、スコアメイクはやはりアプローチとパット。昨日のPGAツアーで松山が優勝したが、最後の勝因はやはりアプローチとパット。よく引き出しが多いという言われ方をするが、状況に合わせた多彩なアプローチの技を持っている松山に軍配が上がった。
そのような意味では、ロンカーターとジムホールも日頃の多彩な演奏活動から自然と多くの引き出しを持つようになったのだろう。その2人が、丁々発止とやりあえば、それぞれの引き出しはフルオープンになる。
ギターとベースのデュオというと、時々同じような演奏が延々続くライブに出くわすこともある。引き出しの少ない者同士のデュオは実に単調でつまらないが、この2人の掛け合いは実にスリリングだ。それも、ライブでの演奏だと一層。ゴルフでいうと練習場とコースでのショットの違いになるのだろう。本番でいい球を打てるようになれば本物だ。
この2人のデュオにはライブのオファーも多く、忙しい日々の仕事の合間を縫ってはクラブ出演を続けていた。それも、大きな会場ではなく、小さなクラブの日曜の昼のセッションのような場所で。
ある時、ニューヨークのビレッジウェストに出演した時の演奏がラジオ放送のために録音された。たまたまその音源の権利を2人はキープしていたので、ジムホールがコンコルドでアルバムを出すようになった時、ジェファーソンにそれを提供した。晴れてアルバムとなったのが、前作のLive at Village Westだった。
このアルバムが好評だったので、ジェファーソンはコンコルドジャズフェスティバルの舞台に2人を登場させることになった。1984年の8月、同じライブといっても、小さなクラブと違って、コンコルドのステージは2人だけの演奏には大きすぎたかもしれない。しかし、耳の越えたファンの暖かい拍手に迎えられ、2人の熱いコラボレーションが展開された。その、ライブでの演奏が収められたのが、このアルバムとなる。
2人のデュオの3作目となるがいずれもライブでの演奏になった。スタジオに籠って2人きりで演奏するよりは、人前で一発勝負の演奏する方が、緊張感が増すのだろう。ジャズは、やはりライブに限るという一例だ。
1. Telephone Ron Carter 5:05
2. Indian Summer Al Dubin / Victor Herbert 5:43
3. Candlelight Ron Carter 4:05
4. Chorale and Dance Jim Hall 6:30
5, Alone Together Howard Dietz / Arthur Schwartz 10:15
6. Stardust Hoagy Carmichael / Mitchell Parish 7:29
7. Two's Blues Jim Hall 4:04
Ron Carter (b)
Jim Hall (g)
Produced by Carl Jefferson
Engineer : Phil Edwards
Recorded at Concord Pavillion, Concord, California August 1984
Originally released on Concord CJ-270
Telephone | |
クリエーター情報なし | |
Concord Records |