Live!/ Shelly Manne & His Men at The Manne Hole Vol.1
マリガンとホッジスの共演アルバムは1959年末にロスで録音された。1960年代になるとジャズの主流は東海岸に移り、ウェストコーストジャズはさらに下火になった。とはいってもジャズを演奏するミュージシャンが西海岸にいなくなった訳ではない。テレビの普及によりスタジオの仕事はさらに増えた。日々の活動は益々スタジオワークが中心になり、プレーヤーよりもアレンジャーとしての活動の軸足を移した者もいれば、アンドレプレビンのようにクラシックに転じた者もいた。
ウェストコーストジャズを支えた重鎮の一人にドラムのシェリーマンがいる。ケントンオーケストラ出身だが、早くに独立しロスに居を定めて活動をした。ライトハウスオールスターズの一人でもあった。ウェストコーストジャズを支えたコンテンポラリーレーベルを中心に多くのアルバムに参加したが、日々の活動はスタジオからライブまで広範囲に渡っていた。シェリーマンは生涯プレーヤーとして活躍したが、一方でビジネス的なセンスも持ち合わせていた。
下火になった1960年に敢えて自分のクラブ「シェリーズマンホール」をハリウッドのど真ん中に開店した。ネーミングも自らの名前を捩ったマンホールと洒落っ気の名前を付けた。週末は、自らのグループを率いて出演し、平日は西海岸在住のミュージシャンに演奏の場を与えることにした。ジャズファン以外でも立ち寄れるような雰囲気づくりもし、ドリンクのメニューもハードリカーだけでなくソフトドリンクも提供した。その努力もあって、1972年までの間、ロスの代表的なライブハウスとして存続したが、もちろん時にはロスを訪れる有名ミュージシャンも出演した。ビルエバンスのライブレコーディングが有名だが、たまたま映画の仕事でロスに来ていたミッシェルルグランを迎え、レイブラウンとのトリオのライブもアルバムとなった。
そのシェリーズマンホールの開店祝いともいえる、開店直後の自身のクインテットのライブアルバムがある。メンバーは、オーナーでもあるシェリーマンを筆頭に、ピートカンドリ、リッチーカムカ、ラスフリーマンなど、ウェススコーストを代表する面々。当時のシェリーマンのレギュラークインテットである。
シェリーマンのレギュラークインテットのライブ物というと1年前のブラックホークでのライブが有名だが、この演奏をやっと自分の店でできるようになったという嬉しさも加味された演奏だ。
演奏は、シェリーマンの小気味良いドラミングがやはり目立つ。古いスタイルから新しいスタイルまで何でもこなすシェリーマンだが、彼の信条はスイングする事。名ドラマーと言われる名手は他にも沢山いるが、実は自分が一番好きなのはこのシェリーマンかもしれない。
演奏全体はアレンジ主体のウェストコーストジャズという雰囲気ではないが、グループとして普段一緒に演奏している一体感はある。曲はお馴染みの曲ばかりで、メインストリームジャズのお手本とでもいえるような演奏だ。以前紹介した、ルースプライスのアルバムも実はこの時に収録されたもの。このアルバムのVol.2を含めて、この時のステージの全容が分かる。
ライブならではの店の雰囲気もよく収められているが、店のPA装置はこのアルバムをレコーディングしたHoward Holzerだそうだ。勝手知った場所での録音の割には少し音に厚みが無い。たまたま同じ時期の録音のマリガンとホッジスの厚みのある音に感心した後に聴いたせいもあるが、ライブ録音というとWally Heiderが手掛けた物が優れているようだ。
1. Love For Sale Cole Porter 10:29
2. How Could It Happen To A Dream Ellington Hodges 6:50
3. Softly As In A Morning Sunrise Romberg-Hammerstein 8:59
4. The Champ Dizzy Gillespie 10:55
Shelly Manne (ds)
Conte Candoli (tp)
Richie Kamuca (ts)
Russ Freeman (p)
Chuck Berghofer (b)
Produced by Lester Koenig
Engineer : Howard Holzer
Recorded live at Shelly’s Manne-Hole, Hollywood, March 3-5 1961
マリガンとホッジスの共演アルバムは1959年末にロスで録音された。1960年代になるとジャズの主流は東海岸に移り、ウェストコーストジャズはさらに下火になった。とはいってもジャズを演奏するミュージシャンが西海岸にいなくなった訳ではない。テレビの普及によりスタジオの仕事はさらに増えた。日々の活動は益々スタジオワークが中心になり、プレーヤーよりもアレンジャーとしての活動の軸足を移した者もいれば、アンドレプレビンのようにクラシックに転じた者もいた。
ウェストコーストジャズを支えた重鎮の一人にドラムのシェリーマンがいる。ケントンオーケストラ出身だが、早くに独立しロスに居を定めて活動をした。ライトハウスオールスターズの一人でもあった。ウェストコーストジャズを支えたコンテンポラリーレーベルを中心に多くのアルバムに参加したが、日々の活動はスタジオからライブまで広範囲に渡っていた。シェリーマンは生涯プレーヤーとして活躍したが、一方でビジネス的なセンスも持ち合わせていた。
下火になった1960年に敢えて自分のクラブ「シェリーズマンホール」をハリウッドのど真ん中に開店した。ネーミングも自らの名前を捩ったマンホールと洒落っ気の名前を付けた。週末は、自らのグループを率いて出演し、平日は西海岸在住のミュージシャンに演奏の場を与えることにした。ジャズファン以外でも立ち寄れるような雰囲気づくりもし、ドリンクのメニューもハードリカーだけでなくソフトドリンクも提供した。その努力もあって、1972年までの間、ロスの代表的なライブハウスとして存続したが、もちろん時にはロスを訪れる有名ミュージシャンも出演した。ビルエバンスのライブレコーディングが有名だが、たまたま映画の仕事でロスに来ていたミッシェルルグランを迎え、レイブラウンとのトリオのライブもアルバムとなった。
そのシェリーズマンホールの開店祝いともいえる、開店直後の自身のクインテットのライブアルバムがある。メンバーは、オーナーでもあるシェリーマンを筆頭に、ピートカンドリ、リッチーカムカ、ラスフリーマンなど、ウェススコーストを代表する面々。当時のシェリーマンのレギュラークインテットである。
シェリーマンのレギュラークインテットのライブ物というと1年前のブラックホークでのライブが有名だが、この演奏をやっと自分の店でできるようになったという嬉しさも加味された演奏だ。
演奏は、シェリーマンの小気味良いドラミングがやはり目立つ。古いスタイルから新しいスタイルまで何でもこなすシェリーマンだが、彼の信条はスイングする事。名ドラマーと言われる名手は他にも沢山いるが、実は自分が一番好きなのはこのシェリーマンかもしれない。
演奏全体はアレンジ主体のウェストコーストジャズという雰囲気ではないが、グループとして普段一緒に演奏している一体感はある。曲はお馴染みの曲ばかりで、メインストリームジャズのお手本とでもいえるような演奏だ。以前紹介した、ルースプライスのアルバムも実はこの時に収録されたもの。このアルバムのVol.2を含めて、この時のステージの全容が分かる。
ライブならではの店の雰囲気もよく収められているが、店のPA装置はこのアルバムをレコーディングしたHoward Holzerだそうだ。勝手知った場所での録音の割には少し音に厚みが無い。たまたま同じ時期の録音のマリガンとホッジスの厚みのある音に感心した後に聴いたせいもあるが、ライブ録音というとWally Heiderが手掛けた物が優れているようだ。
1. Love For Sale Cole Porter 10:29
2. How Could It Happen To A Dream Ellington Hodges 6:50
3. Softly As In A Morning Sunrise Romberg-Hammerstein 8:59
4. The Champ Dizzy Gillespie 10:55
Shelly Manne (ds)
Conte Candoli (tp)
Richie Kamuca (ts)
Russ Freeman (p)
Chuck Berghofer (b)
Produced by Lester Koenig
Engineer : Howard Holzer
Recorded live at Shelly’s Manne-Hole, Hollywood, March 3-5 1961
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