A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

久々の再会セッションも、懐メロセッションにならないところが凄い・・・・

2012-05-30 | MY FAVORITE ALBUM
Coast Concert / Bobby Hackett and His Jazz Band


ディキシーランドジャズからジャズを聴くようになった自分は、時々妙にディキシーを聴きたくなる。また懐かしいディキシーの調べが聞えてくるとすぐに飛びついてしまう。マルサリスとクラプトンのアルバムを聴いたのもそんな感じだった。
聴き始めた頃は、ジョージルイスのクラリネットに聴き入ったものだが、このジョージルイスは、一度はジャズの世界を離れて沖仲仕をやっている所を、ニューオリンズジャズのリバイバルと共にジャズの世界に復帰したそうだ。
ジャズの世界を離れていた時、ルイスが思い描くドリームバンドは、それほど大層なものではなく、昔の仲間ともう一度楽しく演奏ができればそれで十分だったのかもしれない。
ジャズの世界でも流行廃りがあり、一時の花形スターもそのブームが去ると唯の演奏家、場合によっては自分のやりたい事はさておき、世の流行のスタイルの演奏を強いられることも多い。

ディキシーランドジャズも、スイング時代に入り、さらにモダンジャズの時代になると表舞台からはだんだん消えていった。ディキシー風の演奏というのは時々聴く事ができても、正統派ディキシーは演奏する方も、聴く方も機会が少なくなっていた。
そのような中で、ディキシーランドジュビリーというコンサートが1948年から毎年西海岸で開かれていた。仕掛け人はプロデューサーのジーンノーマンとディスクジョーキーのフランクブル。毎年有名プレーヤーが参加するようになり、2人はニューヨークにいたコルネットのボビーハケットの参加を熱望していた。そして第8回の1955年にそれが実現した。メンバーはハケットに一任したそうだ。ハケットがまず選んだのは昔何度も一緒に演奏していたトロンボーンのジャックティーガーデン。ディキシーの世界では重鎮だ。そしてドリームバンドが編成され、無事にジュビリーのステージを努めた。

期待通りの好演であり、そのままそのドリームバンドが解散では惜しいということで、早速キャピタルのプロデューサーデーブキャバノが交渉をしてアルバム化されることになったのがこのアルバム。キャバノ自身がプレーヤーとして、このコンサートにも参加していたそうなので、余程このグループが素晴らしかったのだろう。コンサートを終えて3日目のまだ興奮冷めやらぬ内の録音であった。

ボビーハケットはこの頃は、ジャッキーグリーソンオーケストラと一緒にもっぱらムードトランペットの世界で活躍していたが、ここでの演奏はティーガーデンのトロンボーンと相俟って往年の歯切れのいいディキシーの演奏。久々に溌剌とした演奏を聴かせてくれる。
仕掛け人の2人も、プロデュースをしたギャノバもしてやったりという気持ちであったと思う。
もしかしたら、このドリームバンドの演奏を一番喜んだのは、ハケット自身だったかもしれない。

1. I Want a Big Butter and Egg Man Louis Armstrong / Venable 3:16
2. New Orleans Hoagy Carmichael 2:56
3. That's a Plenty 4:31
4. Basin Street Blues 4:41
5. Muskrat Ramble Kid Ory 3:02
6. I Guess I'll Have to Change My Plan Dietz 3:23
7. Royal Garden Blues 4:55
8. Struttin' with Some Barbecue Louis Armstrong 3:03
9. Fidgety Feet LaRocca 3:06

Bobby Hackett & His Jazz Band

Bobby Hackett (cor)
Jack Teagarden (tb,vol)
Abe Lincoln (tb)
Matty Matlock (cl)
Nappy Lamare (banjo, g)
Phil Stephens (b,tuba)
Don Owens (p)
Nick Fatool (ds)

Recorded on October 18-19, 1955
コメント
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