1月12日 伊吹山よりつづきです。
1月13日 午前3時起床。温度計を見ると室温は-5℃。寝る前に準備を整えていたにも関わらず、登山靴を履いて、スパッツ・アイゼンを装着していると、出発できたのは4時前。外に出ると、赤い月が沈んでいくのが見えた。
瓶が森へと車道を歩くが、雪は思いのほか凍り付いておらず、アイゼンをつけた靴は柔らかい雪の中に沈みこむ。
歩いていると寒さはさほどでもないが、指先が冷たくなってくる。スノーシューに履き替えるかどうか迷いながら、途中、車道をショートカットして、瓶が森登山口に到着。
スノーシューに履き替え、登山道を登り始める。時間は6時半になっていた。昨年は夜明け前に男山頂上まで登ったが、今回は途中のビューポイントで朝日を待つようだ。しかし、明るくなってきても周囲はガスに覆われ、視界は20mもない。7時半を過ぎ、これ以上視界も開きそうにないので、一度登山口まで戻る。
登山口にある、雪に埋もれたベンチの脇でお湯を沸かし、温かいラーメンとお汁粉と甘酒。動いているうちは感じなかったが、やはり早朝の雪山は厳しかったようで、温かいもので人心地ついた気がした。
そうしていると、少しガスが晴れ、太陽が顔を出した。休憩所にザックをおいて、カメラだけ持って再び瓶が森を登り始める。
しかしながら瓶が森と石鎚の間を濃いガスが吹き抜けるので、やはり視界は悪い。通常の登山道を外れ、笹の原を直登してビューポイントに到着するが、視界の先に見えるはずの石鎚は見えない。
真っ白い世界というのも、非日常的で面白い。振り返って男山を見上げてみると、いかにも雪山といった感じ。
風によって作られた雪の造形
少しガスが晴れてきた。雪原の向こうに石鎚がぼんやり見えてくる。
ガスは再び濃くなり、石鎚は姿を隠してしまった。しばらく粘ってみたが、今度は晴れそうもないので、あきらめて降りはじめる。ここでも、不思議なオブジェと化した、雪をまとう木々。
次に来た時の参考に、ビューポイントからの冬の景色を記録しておく。
登山口に戻ったのは11時。ちょうどいい時間となった。ザックを背負い直し、車道を山荘へと戻る。車道から見上げた子持権現は、青空をバックにした昨年とは違った味で、これはこれで面白いかも。
すでに山荘のマネージャーは下山してしまったようで、山荘は閉まっている。スノーシューからアイゼンに付け替えるつもりで寄った避難小屋で、またもや福島さん達に会う。福島さん達も撤収するようで、宿泊装備をまとめていた。「来るときにはきちんと入ったのに、なぜ帰りには入りきらない? 食料とか減っているはずなのに・・・」 同意できるお話である。
白猪谷登山口まで戻ったのは14時33分。残っていた車は我々の二台と、福島さん達のものらしき一台のみ。装備を片付け、KENさんと次の機会を約して、二台同時に出発。寺川集落までの道はやはり雪が深く、少々怖い思いもしながら無事県道まで戻る。これなら18時までに帰りつけると思っていたら、長沢ダムの手前で通行止め。祝日とはいえ、月曜日なので工事の為時間通行止めになっており、30分程待たされることに。そのため、帰宅したのは18時30分になっていた。車を降りると、とたんに肩と腰と脹脛に痛みが出てきた。そして今回初めて、両足の付け根付近に痛み。こちらはスノーシューの影響だろう。
リベンジを狙った今年の瓶が森も、朝日と石鎚の眺望は果たせなかったが、福島さんにお会いできたし、迫力ある霧氷や、楽しい雪のオブジェクトも撮れ、苦労に十分見合う遠征であった。見られなかった分は次の楽しみに!
2日間の遠征 20,761歩 321km