浅田次郎の『五郎治殿御始末』を読んだ。この本には、明治初頭の時代を書いた短編小説6作入っている。
『椿寺まで』、『函館証文』、『西を向く侍』、『遠い砲声』、『柘榴坂の仇討』、『五郎治殿御始末』の6作品である。
『柘榴坂の仇討』は今年映画化され、私も妻をともなって映画館に足を運び、良い映画だったので原作の盛り込まれた『五郎治殿御始末』を買って読んでみた次第。『柘榴坂の仇討』は原作より映画の方が少し膨らませてある感じがした。いずれにしろ、徳川幕府が倒され、薩長を中心として天皇制政府が出来たもとで、当時を生きた侍たちの生きざまを描いている。いずれも、下級の武士たちで激しく動く時代に呻吟しながらも生きていく姿が描き出されている。浅田次郎らしい作品だと思う。