何日か前、田んぼの川のほとりでアサツキがネギ坊主をつけていることを紹介したが、今度は淡い紫色の花をつけていた。
アサツキはもともとは野生で山菜として扱われてきた。最近はハウスなどで促成栽培し、春に先駆けて出回る栽培品が出回っている。当地ではヒロッコと呼ばれている。近縁種に玉ヒロッコと呼ばれるノビルがある。私が子どもの頃(群馬の話)は、このノビルを抜いて、川の流水で洗い味噌をつけて食べた。酒の肴にも良いのだが、なかなかノビルの姿を見ないのはなぜだろうか?
ところでアサツキの花で思い出すのは、白馬岳に登った時のこと。私たちは、大池小屋で泊まって乗鞍岳経由で白馬岳に立ち大雪渓を下ったのだが、山頂から大雪渓に入るあたりに「ネブカッピラ」という場所があって、そこにはシロウマアサツキが咲くのだと『花の百名山』に田中澄江さんが書いていたので、注意して下って行くとわずかに数輪の紫色の花を見ることが出来た。多くの登山者は大雪渓を登り切って、これから山頂へ向かうのでシロウマアサツキどころではないようだった。やはり高山植物のシロウマアサツキの方が色は鮮やかだったと思う。