あの人は今～

昨年は気付かなかったが、年末になると週刊誌は、よく「あの人は今～」といった特集を組む。それは、近頃すっかりテレビなどで見なくなった有名人の今は～という企画であり、時にはおもしろい記事に出会うこともある。それとちょっと似ているが、昔のあの友、あの人を考えてみるのも楽しい…という文章を読んだことがあって、なるほどと思ったりした。これは試してみていただくとわかるが、連想のおもしろさがある。高校時代に何度か２人で映画を観に行った隣家のA子はどうしているか。　A子はレストラン経営者の一人娘だから、当然に婿取りであるだろうが、彼女はわがままだから婿になる人も大変だろう。　と余計な心配であるが、この無駄な連想がおもしろく、確かにヒマツブシにはなるのだが、しかし…、Ａ子は自分より１歳下だから、後期高齢者である。　色白の桃みたいな顔にも年輪（シワ）が波打っているかもしれぬ。いや、待てよ、まさかとは思うが、病気か何かで遠地に旅立ってはいまいか。　　　私がこういう想像をするのは、３５歳を過ぎるあたりから、先輩との交際が増えたからである。私が還暦を迎えれば、あの人は75であり、80であったから、２年続けて年賀状が途切れれば、当然に旅立ちを想像することになる。　しかし、それでもあの人は今～と考えるのは、うまくは言えぬが、ちょっとした価値がある気がする。