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介護

2020-02-23 11:40:47 | 日記
夜中に背中を叩かれた。天の手だ。慌てているような叩き方だ。「シビンが無い」という声がかぶさって来た。ボンヤリした頭で事の次第を理解する。寝る前に夫のシビンをトイレに持って行って、中身を棄てた。そのときに本体を忘れて来たのだ。「ちょっと待って」と声をかけ、急いで起き上がる。トイレを往復する間、我慢しろと願う。間に合わなければ、夫はシビンを入れてあるプラスチックの箱を使用するだろう。それをやられると、後始末が面倒になる。壁時計の針は短針が2と3の間、長身が6の位置にある。シビンに限らす、介護というのは厄介なものだ。ま、食事とトイレは自分でできるようだが、入浴は助けが要る。自分では湯船の蓋が開けられない。それに、老病人は風呂での事故死が多いらしい。食事もよくこぼすのでエプロンを使わせている。それでも、ズボンの前部を汚してしまう。ノロノロと時間をかけて酒を呑む。どうせ少し赤い顔になって眠くなるのだから、安い酒でいいだろうと思うのだが、ジョニ黒を欲しがる。止むを得ず、私がリュックサックを背負って酒屋へ行くことになる。

あれこれと病気が多い夫がなぜ84年も生きて、毎日酒を呑んでいられるのかが不思議でならない。本当は10年前の夏に、夫は胸部大動脈瘤破裂で死んでいたのであり、そのことはオペニ立ち合った数人のドクターが証言しているのだ。ところが、それが奇跡的に生還した。「死んだはずだよ お富さん」が生き返ったのである。そして、エッサオー源治店と介護が始まったのだ。そして、時々、夜中に起きたりするのだ。

以上は今日2月17日の家人のブログである。家人が文章を書くのは面倒だと言うので、夫である私が代筆した。


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