地下鉄化が進むというのか、東横線の渋谷駅ホームが昨日までで役目を終えたそうだ。学生時代も新婚の頃も、映画や海、食事、場外馬券、買い物の街だった。ホームの西端に千成最中の2本足の看板があって、カンセイサイチュウって何だろうと不思議だったが、やがて、センナリモナカだとわかったりした。 NHK杯将棋は、いま手が付けられないほど強いと評されている渡辺明竜王と、羽生善治三冠の最高のカードだったが、竜王の押し切り勝ち。 羽生さんは、この棋戦で5連覇(25連勝)していたので、彼の敗戦をテレビで観るのは6年ぶり。 競馬はスプリングステークスで、2・5・16の3点を馬連でボックス買いし、アナは100円玉で千円分だけ。結果は、2・5と入って、10.9倍の配当。先週同様、どうして30枚買わないのかと笑われそうだが、老人の愉しみは、こんなものだ。 先週末のニューヨークダウが50ドル下げ、円高もあって、明日の東京マーケットも下げで始まるかと思うが、そろそろ一服というタイミングで悪くない。しかし、下げもまた好しなんて言えるのは何年ぶりだろう。 転居10日目になるが、家人の旧宅通い(残りの荷物運び)が続いている。当然ながら疲れているだろうから、転居の完全終了の日が来たら、好きな寿司でも2人前たべて40時間ぐらい眠ってもらいたいし、このことは娘も同じだ。 3.11が過ぎて、どのテレビ局も、被災地の今を報道しているが、不思議だと思うのが、あの寄付金の行方だ。孫正義さんの100億円(富者の万燈)も、ウチの娘の千円(貧者の一燈)もどうなったのか。なぜ、その辺のことの公表がないのか。私は、こういう事態になるのがイヤだったので、公には委ねず、被災地に住む友人知人(といっても3人だけだが)に食料品を送ったが、それが正解だったと思っている。
方向オンチという言葉が、誰の造語なのか知らないが、つまりは、方向(方角)バカであり、私もその一人だ。歌の場合でも、音痴人間は唄うのを尻込みするのもいるが、歌好きも決して少なくないし、その調子ハズレの唄いぶりが却って座の人気を集めることも多い。一方、方向バカも説明下手なくせに人に教えたがったりするものだ。 40~50歳代のころ、同人誌会で知り合ったAさんが、月に一、二度、我が家へ将棋を指しに来ていた。Aさんは横須賀から来るのだが、私が教えたのは、「鎌倉駅からバスで打越というバス停まで来て、そこから左手に道があるから、あとは道なりに歩いてください。途中に二度十字路がありますが、そのまま直進です。とにかく道なりです」ということで、それで充分、子供でもわかるはずだと思っていたが、Aさんは二度目の十字路を左折してしまった。将棋と酒が終わって、バス停まで送って行くときに、再び私は、道なりのことを強調したのだが、その半月後、Aさんはまた同じミスを犯した。あのときの帰り道は酔っていたかなと思ったが、そうではなくて、Aさんもやはり方向バカだった。 このようなことは世間にはザラにあるのではないかと想像するが、違うだろうか。 一方、方角に強い、地理に強い人間もいて、たとえば家人と次女が、どこかの場所の説明を電話でしているのをきいていると、「そうだ、そうだ」となって、二人とも、耳から入ったものを脳の中で地図に描く才能があるのだなぁと感心したりする。でも、方角(地理)の才って、どうやってできるのか。それも遺伝なのだろうか。