Winding Road

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高校サッカー決勝 盛岡商×作陽

2007-01-09 | フットボール全般
一進一退の攻防は、息詰まる熱戦となり最後まで目が離せない内容。敗れた作陽も自分達の持ち味であるポゼッションサッカーがしっかり出来ていて、狭いエリアの使い方だとかパス回しの巧さが光っていました。

立ち上がりの15分は盛岡商の猛プレスに面食らっていた感じの作陽でしたが、それに慣れてくると徐々にペースを掴み始める。技術面では作陽が上手でしたから、パスを繋いで崩すスタイルが発揮されてきました。作陽のサッカーでもう一つ目を見張ったのは、サイドでキープしている時に必ず逆サイドも意識していて、サイドチェンジを効果的に繰り出していました。特に前半は左寄りでボール回ししている間に11番の小室が右を上がり、そこにボールが出た後に、小室の裏を13番の桑元が追い越していく展開がダイナミックでした。

後半開始から9番の村井を投入して勝負に出る作陽。するとすぐに成果は出ました。村井が鮮やかな反転シュートを放ち、バーに当たって跳ね返ったボールを桑元が押し込んで作陽先制。反撃に出る盛岡商は林がPKを失敗してイヤな流れに。

同点に追い付きたい盛岡商は13番の大山を投入。これで左サイドからの攻撃が活性化される。林が右に回って実質4トップのような攻撃的布陣はすぐに実り、左サイドを大山が突破し折り返したボールに合わせたのは林。一度は空振りしたものの(正直言ってこの時点で盛岡商の運は尽きたと思いましたが、1秒後に全く違う運命が待っていました。)再び目の前にこぼれたボールを押し込んで同点。

この後は完全に盛岡商がペースを握り押せ押せの展開に。体力的にキツくなる終盤の時間帯に盛岡商のスタミナは効果抜群。作陽は走り負けしていました。しかしそれはある意味仕方の無い事かもしれません。雪国で鍛えられた足腰の強さという大きな武器が、盛岡商にはあるのだから。また作陽は既に村井という大きなカードを切っていたので、流れを変えるための更なる選手交代の策が残されていなかったように感じました。

こうなると次の1点を取りそうなのは盛岡商という雰囲気になってきました。逆転ゴールはそれまで何度も前線からしつこくボールを追いかけたり、ウラを狙い続けて相手DFの手を焼かせた9番の成田から。強引に左サイドを切り裂いて中央へマイナスのラストパス。これを10番東舘がスルーし、後ろから飛び込んだ8番の千葉がゴール。これで2-1。そのまま逃げ切った盛岡商が初優勝。

盛岡商は技術で言えば作陽に劣るし、ミスも少なくなかった。でも球際の厳しさや1対1で負けない事、自分のミスは自分で取り返すこと。そういったフットボールのゲームで最も大切な事を忠実に実行していました。闘志が漲っていましたよ。それが勝因だと思います。ひたむきに一生懸命やった結果がついてきました。

今年の高校選手権は去年の野洲に続いてJクラブの無い地域の公立高校が優勝。徐々に全国レベルで差がなくなってきました。こうやって若年層の底上げが行われ、底辺が拡大していく事が日本サッカー界にとっても大切な事。今後もサッカーの輪が拡がる事を期待します。最後になりますが、盛岡商業の皆さん、優勝おめでとうございます。


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