Takepuのブログ

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中国ドラマCMまかりならん

2011-12-02 02:17:10 | 時事
中国のテレビやラジオ、映画などのメディアを管理する、国家広播電影電視総局(国家ラジオ映画テレビ総局)は11月25日、ラジオ・テレビのコマーシャル放送管理方法についての補充規定を通知した。28日に公表された。11月初旬に開かれた党17期6中全会で決まった文化方面への規制強化に基づくもので、どのような番組でも、45分以内にはCMを挟んではいけない、とする措置を来年1月1日から施行するという。


通知では、テレビやラジオなどのメディアは思想や文化を伝える党と人民の喉・舌であり、公共文化のサービスのため、自らの職責を果たさなければならない。そのためには、テレビドラマの中間に流れるCMをやめ、公共文化サービスの水準を上げ、人民の基本的な文化への権益を保障し、人民を満足させなければならない---というのがその理由だという。

確かに中国のテレビCMは、商品名の連呼やあざとい内容が多くてうるさいぐらいだ。時に芸術的だったり風刺的だったりドラマチックな日本のCMとはちょっと感覚的に違う。そうはいっても、中国の全テレビがNHK化するというのは、どうか。NHKだって自局の番宣をするぐらいだから。
これはテレビ局の収入をコントロールして、テレビ局を意のままに操ろうとするメディア戦略なのではないか。

日本では価値観が多様化して、大勢に大人気のテレビドラマ、というものはすでに減少していて、かつての「おしん」のような怪物番組はもうない。これに対して中国ではまだまだテレビドラマが大人気で、人気ドラマはあちこちの局で何度もしつこいぐらいに再放送されている。チャンネルが多いこともあり、同じドラマの違う回が別の局で放送されていることも少なくない。また、昨今はすぐにDVDになって番組全部が一パックになって売り出されており、それがまた海賊版やコピー商品で低画質ながら極めて安価で売られている。あるいはネットですぐに無料で観ることも出来る。日本ではDVDハードディスクレコーダーなどで録画して、後でみるなどの生活習慣が一般化しているが、著作権がいいかげんでDVDが安価な、あるいはネットで何でも観ることができる中国では、放送時間にテレビの前でじっと座ってみる、という方式はすぐに廃れるだろう。

このような中でライブで放送されるテレビドラマでCMがカットされるからといって、どれだけの「文化的」影響があるのだろうか。
まさしくテレビ局の収益性を悪くして、当局のいうことを聞かない局からつぶしていく考えなのかもしれない。

そもそも、毛沢東の延安文芸講話にあるように、中国のメディアや文化は、中国共産党の宣伝機関として党の方針を人民に伝え社会主義実現に貢献するということが第一の役割であり、報道の自由とか、表現の自由などは二の次に置かれている。その辺が我々の感覚と違うところだ。そのため、このようなびっくりするような通知を平気で出せるわけだ。

そうはいってもCMをカットするなんて、稚拙な話だ。それが健全な文化の育成にどんな関係があるのか。来年1月1日以降の中国のテレビ放送に注目だ。


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