Takepuのブログ

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SeediqBale(賽徳克巴莱)ベネチアならず

2011-09-11 08:34:49 | 映画鑑賞
10日、ベネチア国際映画祭の各賞が発表され、金獅子賞(優秀作品賞)には、ロシアのソクーロフ監督の「ファウスト」が選ばれたという。銀獅子賞(優秀監督賞)には蔡尚君監督の「人山人海」(中国・香港)が選ばれた。これは上映直前まで情報が伏せられていたサプライズ作品だったという。中国の検閲を通っていないことから、今後国内での上映は不明だ。
このほか、香港の許鞍華(アン・ホイ)監督の「シンプル・ライフ」に出演した葉徳嫻(デニー・イップ)が優秀女優賞を獲った。この映画はプロデューサーとして成長した男(劉徳華=アンディ・ラウ)を子供のころから世話していた乳母の物語だということで評判にも上っていた。アン・ホイ作品ゆえなかなか興味深い。
このほか、日本から園子温監督「ヒミズ」の染谷将太と二階堂ふみが新人男優・女優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。
ということで、ベネチア国際映画祭に出品していた「賽徳克巴莱(SeediqBale=セデック・バレ)」は無冠に終わった。

一方、台湾からの報道によると、9日台湾の68の映画館で初映となった「賽徳克」は、1日の売り上げとしては2300万台湾ドル(約7000万円)と記録を作ったらしい。すでに英国、フランス、北米と日本での上映が決まったという。台湾紙「中国時報」では、南投県仁愛郷清流でひそかに上映したときには、日本からの出演者も台湾に来て鑑賞したが、そのときには日本語字幕はなかった。このような抗日をテーマにした映画が日本で上映されるなら歴史文化の包容性がさらに深まるだろう、と期待している。

台湾ではこの映画が台湾映画のあらゆる記録を塗り替えるのでは、と期待されていて、契約を結んだ飲料メーカーが「巴莱」の名前をつけた飲み物をつくるなど、便乗商法も生まれてきそうだ。

写真は聨合報サイトにあった動画で、かつて事件が起きた霧社、現在の南投県仁愛郷での地元原住民との上映イベントに参加した魏徳聖監督(左から2人目)。台湾をあげてのこの映画のブームが起きそうだ。