Takepuのブログ

中国旅行記とか、日ごろ思ったことなどを書きたいと思います

金正銀のままだ・・・

2010-10-06 13:36:54 | 時事

日本でも報道された北朝鮮の金正日総書記が、軍事訓練を視察、三男の正恩・軍事委副委員長が同行したというニュース。後継者含みで朝鮮人民軍の大将に任じられてから初めての動静であり、5日、朝鮮中央通信が配信したものだ。
これを中国国営の新華社通信も5日深夜に報じたが、「訓練視察には、先日開かれた朝鮮労働党代表会議で新たに党中央軍事委員会副委員長に選出された金正銀も同行した」と従前の「正銀」を使っている。日本側の「漢字は何を当てるのか」との問い合わせに朝鮮中央通信が「正恩」と答えて、各社訂正した後、初めての中国での動静報道だったので注目していたのだが。ええ? どういうこと? 漢字が違ってた、と騒ぐのは日本で、それも各社カタカナ表記だったなかで唯一それまで「正銀」を使っていた毎日新聞だけなのだろうか?

日中首脳会談実現

2010-10-06 11:06:27 | 時事

5日、ASEM首脳会議出席のためブリュッセルを訪れていた菅直人首相と中国の温家宝首相の接触が実現した。日本外務省は「日中首脳立ち話」と、中国外交部は「温家宝和菅直人進行交談」(話を交わした)と、双方とも「会談」との言葉は使っていない。
がっかりすることはない。双方とも反対派を意識して偶然を装い低調な接触を演出したのだろう。
共同通信によると、細野豪志・民主党前幹事長代理は9月末の極秘訪中の際、中国側の外交政策を仕切る戴秉国・国務委員(副首相級)と会い、ASEMの舞台を利用した日中首脳会談の実現を打診していたという。
菅直人首相は、当初欠席を予定していたASEMに急遽出席することを決めた。ただ、細野前幹事長代理の交渉もよい感触が得られなかったのか、菅首相は外遊前のぶら下がり取材でも温首相との会談は「ありません」と断言していた。

よほど首脳会談実現に自信がなかったのだろう。(読売新聞によると、仕分けで海外出張に制限があったという。外務省と政治主導との軋轢もあったようだ)。菅首相は外務省中国課の専門家や中国語通訳を同行させなかったという。温首相との25分間の会話は、菅首相の発言は英語通訳が中国側の英語通訳に伝え、温首相の発言は中国側が用意した日本語通訳が日本語で菅首相に伝えたという。
読売新聞によると、温首相は駐日中国大使館勤務経験が長い中国外務省アジア局の日本担当者を同行させたが、当初は会場入りの予定はなく必要な登録手続きをしておらず、登録済みの別の中国代表団メンバーの名義で入ったという。

それだけに、日中双方とも接触は実現の可能性が極めて低いと思っており、25分間の偶然出くわしたような演出による首脳同士の接触は、直前になって突然決まったと考えてよいだろう。

自民党などは、中国語通訳を同行させなかったことについて「政権の危機管理が問われる大問題だ」と、国会で政府を追及する方針のようだ。確かに今回の菅首相のASEM出席は、中国との関係改善を模索するのが大きな目的だったはずだ。それなのに通訳や専門家を連れて行かないのはどうか。もしフジタ社員の釈放などが急遽話し合われることがあったら、どうするつもりだったのだろうか? 「危機管理が問われる」決定的な失態とは思えないが、一流国のすることではない。国会での自民党の追及に、菅首相はどう言い訳するか。
ただ、菅首相の発言は中国側が訳して温首相に伝えたのではなく、あくまでも日本の英語通訳を通じて中国側に伝わっており、異訳や誤訳はあるまい。「危機管理」が問われることはないが、確かにまだるっこしいだろう。

中国側が日本の専門家を同行させていたように、中国側は対日姿勢を緩和させる気満々だったのではないか。実際、人民日報は5日紙面の1面3番手でこの接触を報じている。新華社のたった9行の記事だが、見出しの活字は、サルコジ仏大統領との会談よりやや大きく、いわゆる突っ込みニュースとして大きな扱いをしている。日本の各紙朝刊は最終版の締め切り時間を過ぎてからの第一報だったため入っていない。もちろん翌日夕刊では各紙一面トップだが。新華社のサイトでも「温菅交談」は右肩の一番上の目立つところに配置されていた。中国側がこのニュースを重要視していることがわかる。

話した内容についても、
温家宝は、釣魚島は中国固有の領土と改めて述べた。
温家宝は中日戦略的互恵関係を維持し推進することは、中日両国と両国民の根本的利益に合うと示した。
双方は、両国民間交流と政府間コミュニケーションを強化し、適切な時期にハイレベル会談を実現することで合意した。

一つ目は、国内を納得させるために一応原則論を話しておかないといけないためだが、二番目と三番目は事実上日中関係を元に戻す努力を示している。特に「民間交流強化」とは、軟禁状態のフジタ社員の解放もそう遠くないことを示唆しているのではないか。

ただ、温首相の反応はやや早すぎるのでないか、関係回復のサインを早く出しすぎなのでは、と心配な気もする。もし中国最高指導部の中で権力闘争が起きていたとしたら、10月15日の五中全会に向けて、もう雌雄は決したのかもしれない。
ちょっと楽観的過ぎるだろうか。