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わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

アスペクツ・オブ・ラブ

2005年10月10日 | 観劇記
2005年10月10日マチネ  自由劇場 2階4列目下手

フランスの作家デイビッド・ガーネットの小説をアンドリュー・ロイド・ウェバーがミュージカルにした作品です。
ミュージカル・ナンバー「Love Changes Everything」はとても心に残ります。このナンバーがどういう風に作品に絡んでいるのかを知りたい、というのが劇場へ向かう一つの理由でした。

あらすじ。
約17年間にわたる、2人の男と3人の女の恋模様を描いています。
アレックス(石丸幹二さん)は17歳のとき、女優ローズ(保坂知寿さん)とひょんなことから叔父の別荘で甘い生活を送る。様子を見に来た叔父ジョージ(村俊英さん)にローズは心惹かれる。ローズは舞台に戻るとアレックスと別れる。
二年の兵役を終えアレックスは叔父のところへやってくる。ローズが叔父と住んでいることを知る。叔父ジョージはアレックスとローズがやり直すことを望み、ベニスにいる元の愛人ジュリエッタ(大鳥れいさん)のもとに向かう。ところが、ローズはジョージの後を追う。
失意のアレックスは兵役へ戻る。
叔父のジョージとローズは正式に結婚し、娘ジェニー(八幡三枝さん)が誕生する。
12年の時が流れ、アレックスはローズに再会。ジョージとジェニーが住む、あの懐かしい別荘に招かれ、一緒に過ごすようになる。日々美しくなるジェニー。ジェニーはアレックスに恋する。戸惑うアレックス。ジェニーとアレックスの関係を心配したジョージは発作を起こし死亡。
葬儀の場でアレックスとジュリエッタは話しにだけ聞いていた相手に初めて出会い、互いに心惹かれる。アレックスに一緒にいて欲しいと願うジェニー、そしてもっと深くそれを願うローズを振り切って、アレックスはジュリエッタとの新しい生活へ踏み出していく。

こう書くと、すごいお話です。勿論、こんなお話と知って観劇したわけです。というか、こんなお話だから余計にあのステキな音楽がどういうふうに絡んでいるのか、知りたくて仕方なかったのです。
観劇して、とてもいろいろな感想が生まれる作品だろうなぁ、ということを感じました。それゆえに、ちょっと現実離れした内容でも、多くの人々に愛されるのだと思います。私、という一人の人間でも、観る時が違えば、まったく違う感じ方をすると思います。「アスペクツ・オブ・ラブ」という題名は、愛がいろいろの局面を持っているという意味だけではなく、受取る側もいろいろな局面に出会うということを意味しているのかなぁなどと思います。

悪者と言い切れないとは思いますが、ローズの気まぐれやわがままが人間関係を複雑にしていることは間違いないと思います。そういう役を演じるのは、一歩間違うと本当に嫌な人間になりますが、保坂さんの作り出されたローズは、自分に正直に生きている女という、比較的肯定的な印象でした。
ローズに振り回されるアレックスの石丸さんは、青年のときと、大人になってからの雰囲気の違いがステキでした。とても好感がもてました。
おいしい役はジュリエッタですね。最後の展開は違和感がありますが、ジョージとローズのわがままを許す大人の女性として描かれています。大鳥さんの雰囲気にぴったりです。

ウェバーさんのミュージカルですから、全編歌です。台詞でもいいのではというところまで歌です。その台詞でもいいのでは、という部分での演じ手の力量があまりに差があり、今ひとつ舞台に引き込まれないところがあったのは残念でした。
でも、それの方が良かったかもしれません。あまりに引き込まれると、ちょっと抜き差しならないお話に巻き込まれますから(笑)。

幸せを感じる一瞬、もしかしたら誰かを不幸にしているのかもしれません。
でも、人を愛する気持ちは簡単にはとめられないものです。
人生はなかなか難しいですね。

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