「ウィンザーの陽気な女房たち」
2013年2月2日マチネ
新国立劇場小劇場
「美しい日本語」を伝えるスペースUの公演ということで楽しみでした。
また、新国立劇場小劇場は何と言っても大好きな空間です。とは申しましても、この劇場はレイアウトを大きく変えることができるので、ときにはまったく違う印象の空間にもなります。しかしながら、今回は割とベーシックな配置でした。私は、この形が好きです。
あらすじ
酒と女が大好きな、おデブの騎士フォールスタッフ(大島宇三郎さん)は金に困り、金持ちの女房に近づこうと考えた。ターゲットはフォード夫人(星奈優里さん)とページ夫人(中原三千代さん)。宛名を変えて同じ内容のラブレターを送るよう子分に命じるが、断るのでクビにすると、子分は彼女たちの夫にフォルスタッフの計画を告げ口してしまう。ページ(羽田真さん)は気にしないが、フォード(今拓哉さん)は逆に妻に嫉妬と疑いをもちはじめる。一方、フォルスタッフのラブレターを受け取り、互いに同じものと知った2人の夫人は、フォルスタッフをこらしめてやろうと一芝居打つことを計画する。ところが、嫉妬と疑いの念からフォードは「ブルック」と名乗ってフォルスタッフに近づく。このフォードの行動が、せっかくの夫人二人の計画をめちゃめちゃにしていくことになるのだが・・・
結局、フォードの誤解であることがわかり、全員でフォルスタッフを懲らしめ、一件落着なる。
この作品を観劇する前でしたか、シェイクスピアの作品を翻訳するということはどういうことか、シェイクスピア作品の魅力とかをラジオで翻訳家の松岡和子さんと俳優の勝村政信さんが語っていらっしゃいました。その中で、私がストレートプレーがあまり好きではない理由がわかったのです。日本には俳句という文化があることに象徴されるように、言葉を削って削って削りきって相手に伝えるという文化があります。それに対し、ヨーロッパは飾って飾ってこれでもかっと言葉を飾って相手に思いを伝える文化だそうです。つまり、ストレートプレーだと、言葉の洪水の中で私は溺れてしまうようなのです。日本人なんだなぁと思います。また、演じ手も日本人なので、飾る言葉が自然ではない、つまり、日常では使ったことがない言葉を言うので、芝居臭くなりすぎるのだと思います。
さて、それをわかって、「美しい日本語」を伝えるスペースUの公演を観ました。
非常に、日常、自然にしゃべっている言葉が台詞となっていました。それは翻訳の力でもあるのだと思いますが、キャストが普段から如何にいろいろな言葉を話しているかなのだと感じました。
膨大な台詞を、はっきりと、そして、それがその時に生まれたかのように自然に発せられていく楽しさは、まるで心地よい音楽を聴いているのと同じです。
本当に、素晴らしいキャストの皆様でした。
いつまで、残っているかわかりませんが、大島さんと今さんの対談です。
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51849843.htmlとても興味深く拝読致しました。
では、また。
2013年2月2日マチネ
新国立劇場小劇場
「美しい日本語」を伝えるスペースUの公演ということで楽しみでした。
また、新国立劇場小劇場は何と言っても大好きな空間です。とは申しましても、この劇場はレイアウトを大きく変えることができるので、ときにはまったく違う印象の空間にもなります。しかしながら、今回は割とベーシックな配置でした。私は、この形が好きです。
あらすじ
酒と女が大好きな、おデブの騎士フォールスタッフ(大島宇三郎さん)は金に困り、金持ちの女房に近づこうと考えた。ターゲットはフォード夫人(星奈優里さん)とページ夫人(中原三千代さん)。宛名を変えて同じ内容のラブレターを送るよう子分に命じるが、断るのでクビにすると、子分は彼女たちの夫にフォルスタッフの計画を告げ口してしまう。ページ(羽田真さん)は気にしないが、フォード(今拓哉さん)は逆に妻に嫉妬と疑いをもちはじめる。一方、フォルスタッフのラブレターを受け取り、互いに同じものと知った2人の夫人は、フォルスタッフをこらしめてやろうと一芝居打つことを計画する。ところが、嫉妬と疑いの念からフォードは「ブルック」と名乗ってフォルスタッフに近づく。このフォードの行動が、せっかくの夫人二人の計画をめちゃめちゃにしていくことになるのだが・・・
結局、フォードの誤解であることがわかり、全員でフォルスタッフを懲らしめ、一件落着なる。
この作品を観劇する前でしたか、シェイクスピアの作品を翻訳するということはどういうことか、シェイクスピア作品の魅力とかをラジオで翻訳家の松岡和子さんと俳優の勝村政信さんが語っていらっしゃいました。その中で、私がストレートプレーがあまり好きではない理由がわかったのです。日本には俳句という文化があることに象徴されるように、言葉を削って削って削りきって相手に伝えるという文化があります。それに対し、ヨーロッパは飾って飾ってこれでもかっと言葉を飾って相手に思いを伝える文化だそうです。つまり、ストレートプレーだと、言葉の洪水の中で私は溺れてしまうようなのです。日本人なんだなぁと思います。また、演じ手も日本人なので、飾る言葉が自然ではない、つまり、日常では使ったことがない言葉を言うので、芝居臭くなりすぎるのだと思います。
さて、それをわかって、「美しい日本語」を伝えるスペースUの公演を観ました。
非常に、日常、自然にしゃべっている言葉が台詞となっていました。それは翻訳の力でもあるのだと思いますが、キャストが普段から如何にいろいろな言葉を話しているかなのだと感じました。
膨大な台詞を、はっきりと、そして、それがその時に生まれたかのように自然に発せられていく楽しさは、まるで心地よい音楽を聴いているのと同じです。
本当に、素晴らしいキャストの皆様でした。
いつまで、残っているかわかりませんが、大島さんと今さんの対談です。
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/archives/51849843.htmlとても興味深く拝読致しました。
では、また。