わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

七つの人形の恋物語

2010年07月31日 | 観劇記
七つの人形の恋物語
2010年7月31日初日 ル・テアトル銀座 実質前から4列目ぐらいの下手寄り

2008年08月23日赤坂ACTシアターで誕生した音楽座ミュージカル「七つの人形の恋物語」。
初演と同様、初日に観劇しました。

終演後、ちょっと銀座で一杯やってから帰宅したので、眠いのですが、ちょっと書いてみたくなりPCに向かっています。乱文はお許し頂ければと思います。後日、訂正もあるかと思います。

初演を観劇し、再演をこれから観劇される皆様、是非、初めての作品、と思って観て頂ければと思います。かなり違います。特に、前半。
いろいろな意見があるとは思います。初日ということで多少バタバタした感は否めないかと思います。
でも、すごくすっきりしました。

筋書きは、音楽座HPやポール・ギャリコの原作を参考になさって下さい。

初演は、人形のレイナルドと人形を作りあやつるキャプテン・コックの二役を広田勇二さんがお一人で演じられていたので、観客が相当の想像力を要求されました。それが、キャプテン・コックは今拓哉さん、レイナルドは広田さんとなったので、すごく良かったです。その場面についてはまた後ほど。
この二役がはっきり分離したことと、人形たちが人形のまま登場する場面もすごく多くなり、キャプテン・コックと人形対ムーシュという関係がとても分かりやすくなりました。
また、今さんが期待通りの悪役で・・・苦笑。人形たちのムーシュへの優しさとの対比もとてもよくわかり、でも、突き詰めると人形はキャプテン・コック自身だし・・・
今回の演出だと、観客が、ちゃんとキャプテン・コックと人形の間を行ったり来たり出来るのです。初演だと、人形へ気持ちが行くと、キャプテン・コックに帰ることができませんでした。そうなるとキャプテン・コックの心の動きも分かり難くかったのですが、今回は本当によくわかりました。
その一番の場面は、キャプテン・コック一座が劇場での初公演を行う直前にレイナルドが歌う場面です。
レイナルドはキツネの人形です。キツネの襟巻が母の形見という場面がありますから、レイナルドはキャプテン・コックにとってわが身にかなり近い人形だと思われます。
レイナルドは夢だったシラノを演じます。ロクサーヌ役はジジという人形ですが、お稽古どき、ロクサーヌにムーシュを重ねて歌いあげます。これは初演も同じでしたが、今回はキャプテン・コックも舞台に出て、レイナルドの人形を操るのです。じっとムーシュを見つめ続けて。
観客は、想像力を逞しくするのですが、初演ではレイナルド=キャプテン・コックという式を頭では理解しつつも、広田さんの素晴らしい歌声に聞き惚れているうちに、キャプテン・コックの存在をすっかり忘れてしまっていたのでした。

広田さんと今さんの大ファンの私にとって、あまりにも美味し過ぎる舞台になっています。

が、キャプテン・コックがしっかりと描かれた分、ちょっと影が薄くなってしまった人形たち。もう少し、キャラクターを強烈に出して欲しいものです。
パロット(安中淳也さん)とムーシュの出会いの場面で、安中さんのアクロバットが減ってしまったのはかなり残念。なんとなく、あの演技がムーシュに元気を与えたような気がするのです。

ムーシュの関根麻帆さん、大役をしっかりこなしたと思います。キャスト変更からの短い時間で大変だったと思います。一回一回、ムーシュとともに夢を実現していって頂きたいと思います。

と、感動したり、ちょっと辛口だったりと相変わらずの私ですが、ひとつ、ファンだから言いたい辛口があります。

初日、さすがの広田さんも相当緊張なさっていたのだと思います。
私も、始まってすぐは、気持ちが入っていかなかったり、耳が劇場の音の響きに慣れていなかったりします。
いろいろ要因はあるでしょう。
それでも言いたいです、レイナルドの最初のセリフのあたり、早口過ぎます。
キツネは悪賢くて、落ち着きがないという感じを出そうとするにせよ、人(人形)の名前の紹介なので、なじみのない音の羅列ですから聞き取り難い。余計早口のように感じます。
名前を覚えると、ぐっと身近に感じます。是非、観客がしっかり人形の名前を覚えられるように紹介して頂ければと思います。
「あれやろうよ。」と言ってからの「さらば、さらば・・・」歌は本当に素晴らしいです。うっとりです・・・

とかなんとか言っても、シラノとしてロクサーヌへの思いを歌う広田さんは本当にすてきです。この歌声を聴くために、また、劇場へ行こうと思います。

それでは、このあたりで。

重大発表「太平洋序曲」上演決定

2010年07月29日 | 俳優情報
意外なところから、「太平洋序曲」の上演決定が発表されました。

http://www.parco-play.com/web/page/

http://www.kaat.jp/kaat/index_j.html

http://www.parco-play.com/web/play/pacific/

参考にしました。

日本での初演から11年、再演からも9年が経っての上演となります。

初演の時から、ずっと応援した作品です。
この作品との出会いが、私の人生の一面を大きく変えた、といっても過言ではないほどの衝撃を受けました。

今から、再会する日が、本当に待ち遠しいです。

ご無沙汰しています

2010年07月27日 | 雑記
いろいろと俳優の皆様の活躍の情報が入っていますが、この酷暑。
少々パテ気味です。
少し涼しくなったら、更新いたします。

とかなんとか言いながら、観劇のためには暑さも忘れ、出かけております。
24日お昼の「黙阿弥オペラ」を観劇しました。

井上ひさし氏の思いが詰まった作品だと感じました。

オペラ作りを迫られる新七のセリフは、胸に迫るものがありました。
お芝居を作り上げる心意気・・・
私も、「観客」としてその一翼を担っていこうと決意しました。

今、世の中が大きな変化を遂げていると感じています。
明治維新という、今以上の変化を起こした人々の生きざまは、本当に今の私たちに多くのことを語りかけてくれます。

「満員御礼」が続いているようですが・・・

今の自分に迷いのある方
年に一回、数年に一回しか劇場に行かない方

に、是非、無理をしてでも観劇して頂きたい作品です。

8月22日まで紀伊國屋サザンシアターで上演中です。

気になる人を調べていたら

2010年07月04日 | 雑記
最近、「観劇記」をあまり書いていません。年齢を重ねていくと、感激が少なくなるのかもしれません。再演を観ることも多いので、ぐっとくる、というより、比較論、になってしまうのです。それで、なかなか公表できる文章にならなかったりしています。

今回も、観劇記とはいかない、ちょっとした感想です。

6月20日のクリエミュージカルコンサート「M.クンツエ&S.リーヴァイの世界」のことです。
勿論、私のお目当ては、今拓哉さん。
久しぶりのフェルセン・・・すてきでした。

そして、このごろというか昨年夏に再演された「ダンス・オブ・パンパイァ」のときから、とても気になっていたのですが、このコンサートでさらに気になったのが・・・
石川禅さん。

気になって、ウィキペディアで調べました。
ウィキにあるミュージカル演目の半分ぐらいは実際に観劇していました。
そして、『最初の外部出演は1990年、東京・日生劇場、大阪・近鉄劇場で上演された、坂東玉三郎演出、東山紀之主演の『なよたけ』である。』に驚きました。私、この作品観劇しています。でも、よく覚えていません、苦笑。

しかし、いろいろ観ていたのに、すごく気になる俳優さんではありませんでした。
上手いなあ、とは思っていましたが、まあ、そんな感じです。

が、「ダンス・オブ・パンパイァ」の再演の観劇のとき、一人の俳優で舞台はこんなに変わるのか、と衝撃を受けました。実は、この日よく配役を観ないで劇場入りしてしまいました。初演と変わらないと思い込んでいたのです。
この作品は楽しいといえば、楽しいのですが、初演は、とてもドタバタした感じで、お芝居の面が欠落していると感じていました。
ところが、再演の一幕を観て、全く違う舞台に出会ったように感じました。それは、アプロンシウス教授が、私の描くとても研究熱心で、ストイック過ぎる、かなり変人な教授像にぴったりだったからです。
そのアプロンシウス教授が、勢いだけだった舞台を、お芝居の進む舞台にしている、と感じました。
あの歌声は、確か・・・
幕間に、「石川禅」さん、と確認し、とても納得してしまいました。

今回のコンサートで、石川禅さんが普通の服装をして歌う姿を観ました。何しろ、いつも貴族(風)の役が多く、やたらに衣装が豪華なことが多いので(野暮ったいことも多い、涙)、普通の服装を想像したこともありませんでした。
いや~~~、あまりのダンディさに惚れ惚れ・・・

圧巻は、山口トートと歌った「闇が広がる」でした!!!
鳥肌ものです。
いつも、優しそうな石川さんのどこに、あんなパワーが潜んでいるのでしょうか?

いつも優しそう、で思い出しましたが、そうでもない役がありましたね。
「ウーマン・イン・ホワイト」のパーシヴァル・グライド卿。
この作品も初演も再演も観ています。笹本玲奈さんの成長の証のような作品です。
とても素晴らしい舞台でした。
ただ、再演はちょっと物足りない感じもしていました。そんなに初演と再演の間が空いていない割に、キャストがほぼ変わりましたから、仕方がないとは思いました。
ウィキを見て、パーシヴァル・グライド卿の優しさと冷酷さの演じ分けを思い出していました。

石川さんは、舞台に溶け込み過ぎていて、どの舞台でも、印象に残る(印象は良いものも悪いものも残る)、というわけではありませんでした。
しかし、たまたま、再演やコンサートでの役代わりを見る機会が重なって、いかに石川さんのいる舞台が、主役を盛りたて、落ち着きのある、そして厚みのある舞台となっていたかがよく分かったのです。

体調が悪いながらも、本当に行った甲斐があったクリエ・コンサートでした。

しかしながら「なよたけ」が出てくるとは・・・東山さんのあんな感じ・・・までは思い出せるけれど、一体どんな筋だったのでしょう。思い出せません、涙。でも、仕方ないか、まだ子供だったんだもん???????気持ちだけは、笑。