わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

ミュージカル「グランドホテル」(SCに捧ぐ)

2016年04月26日 | 観劇記
東京公演 赤坂ACTシアター

本当に楽しませて頂きました。
REDチーム、GREENチームとも観劇しました。観劇回数の偏りはありますが、苦笑。

受験生の皆さん、暗記するなら一日の内に、2~3時間ぐらい空けて2回繰り返すとかなり内容が定着しますよ!
何を言っているのかと思われるでしょう。REDとGREENのマチソワをしたら、相当歌詞やセリフを覚えられました。そのおかげかわかりませんが、舞台の生の素晴らしさを堪能いたしました。たくさんのハプニングをもろともせず、幕が下りるまで突き進むキャストの皆さまに感動いたしました。(時々は、ええ!!!も、笑)

公式HP等がすっかりネタバレをしているので、まったく構うことなくいろいろ書きます。名古屋と大阪を楽しみにしていらっしゃる方はかなり内容に踏み込んでいることをご了解の上お読み下さい。


両チームを観て、シングルキャストの大変さを思い知りました。大きく演出が違うのは、Wキャストだけが登場する場面が多いのですが、そもそもの空気感が違っています。そして、シングルキャストの運動量は半端ありません。ジミーズお二人とか、顔が一回り小さくなった?と思いました。

シングルキャストの皆さんがしばらく登場しない場面は、ガイゲルン男爵とグルシンスカヤが恋に落ちる場面だけですよね。他の場面は、本当に歌い踊っています。
ホテルの従業員だったり、バレエの観客だったり、フレムシェンの夢の中のダンサーだったり、娼婦だったり、一宿泊客だったり、株主だったり・・・素晴らしいです。

木内健一さんはジミーズの片割れなのですが、REDチームでは「Who Couldn’t Dance With You?」を歌うのです。GREENチームはフレムシェンが歌いますが。木内さんなかなかいいムードですよね。まあ、本当のホテルのラウンジに近い雰囲気でよかったと思いました。

金すんらさん。グルシンスカヤに嫌気がさしているプロデューサーのサンドー。プロデューサーの狡猾さがいいですよね。あと、金さんだけでなく、「Merger Is On」はすごい迫力でした。何となくずれて「カァ、カァ」って言うのが好きでした。

この「Merger Is On」の時に、「The Crooked Path」を重ねて歌うズィノヴィッツの大山真志さんは、「Everybody’s Doing It」の迫力もすごかったですね。この曲の直前がフレムシェンの可愛い夢のダンスからの一気に男気なので、観客をあれだけ惹きつけるテンションの高さにいつも大山さんすごい、と思っていました。まあ、このズィノヴィッツが「ルールなんて破るもの」なんてそそのかすから、すごく真面目なブライジングが壊れて行ってしまうのですよね。本当にいけない人物です。

グルシンスカヤのマネージャーのヴィットを演じたのはこの作品でミュージカルデビュー杉尾真さん。最後の方で、ホテルのロビーで、男爵のことに触れるな、と命令する姿が観るたびに凛々しくなっていきました。いつの日か、男爵の方が出来るといいですね。楽しみにしています。

新井俊一さんのベルボーイが支配人格のローナに、ロビーを走って怒られ、そのあとにオットーへの対応を急がれて、速足でかばんを取りに行くところ、かばんを放り投げるところとかが好きでした。上司の命令をきちんと聞くちゃっかり者です。それなのに、宿泊客のドクター・オッテンシュラッグには「またですか!」と文句を言ったりします。チップを貰えるまで立ち去らなかったり、本当にいろいろちゃっかりしているなぁ。なんだか、ヨーロッパのホテルにいるみたいだなぁと思わせてくれる所作を楽しんでいました。

真瀬はるかさん。本当にお美しい方で、惹きつけられます。従業員たちの不満をぶちまけている場面の「泊まりたいの・・・」はいつも聞き惚れていました。その上、「We’ll Take A Glass Together」では切れっ切れのダンスを見せて下さいます。

「Bolero」では、バルコニーにキャストがほぼ勢ぞろいして歌うのです。その時、すごくのびやかな個性的な歌声を聞かせて下さっているのがトルードの吉田怜菜さんだと思うのです。あの場面、観客は忙しいのです。ダンスも観たいし、この歌声は誰だろうとバルコニーに視線をあげたいしで・・・ソロの方にちょっとスポットを当てて下さればいいのになぁと思っていました。
トルードとフレムシェンのやりとりで分かりにくいとあちこちで話題が出ていましたので、私の考えを。フレムシェンが「妊娠したみたい」というとトルードが「みんなそうでしょ。」と言います。フレムシェンが最初に彼氏に電話で妊娠したからお金を送ってほしいと言います。フレムシェンは本当に妊娠しているのかもしれませんが、したたかな女は妊娠を口実に男からお金をもらうことがよくあったのでしょう。だから、女はみんな妊娠したっていうのよ、というトルードの言葉は、お金をもらう口実よね、として本気にとりあっていないことがわかります。
この伏線は、最後のオットーとフレムシェンのやりとりにとても大切になってきます。古い友人であるトルードはフレムシェンの悩みをまったく無視するどころか、「古い手だ」とバカにした感じで接していたのに、オットーは自分のことのように喜んでいるのです。フレムシェンのことをドクターはすごく悪い女と言うけれど、オットーの優しさに触れ、きっと素直な女性になっていくと思いたいです。というわけで、このトルードの一言は結構あとあと感じるものがありますね。

グランドホテルは「ホテル」が作品の舞台です。観客がホテルにいると思うか、ホテルを覗いていると感じるかで、作品自体の感想が大きく違うと思うのです。
ホテルに行って、温かいおもてなしも嬉しいです。でも、きびきびと動く中に優雅さがあったりすると、このホテルに来てよかったと思います。
その感じをしっかり舞台で作って下さったのがローナの友石竜也さん。手の先の表情、目線の動かし方で、従業員をきびきびと動かす、敏腕支配人です。ヨーロッパ一豪華なホテルというのは、建物ではなく、そこに働く人によって評価されるものだと思います。こんなすてきなは支配人がいるホテルに私も泊まってみたいです・・・劇場にいるときはホテルにいるような気持でしたよ。
ちょっと冷酷すぎる台詞ばかりが多く、すてきだなぁと思わせるのは演技しかないのですが、決して表情を変えずに、さらりと優しさを垣間見せるローナ。本当にすてきでした。

ローナが話題に出れば、エリックが登場するわけですが。エリックというより、藤岡さん大変よねぇ・・・・・・です。
東京千秋楽「本当に苛酷でした・・・」と舞台挨拶でおっしゃるのですから、本当に大変だったのだと思います。エリックは両チームでかなり違う役作りを必要とされる役でしたしね。この役もダブルでもよかったのではないかと思っています。

ローナとエリックのやりとりは、シングルキャスト同士なので、両チームで同じだと思っていました。が、どうもすこし設定を変えて演じられているようですね。

シングルキャストで、ダブルキャストにがっつりと絡むのが運転手(実は借金の取立屋)の青山航士さん。どう考えても取立屋の方が立場が強いはずなのに、まったくそんなそぶりも見せない男爵はすてきでした。取立屋が男爵を厳しく追い詰めるほど、男爵の美しさが引き立つような気がしました。また、この話はどこかであらためて・・・
運転手は衣装がグレーでした。ズボンの形もちょっと変わっています。でも、ダンスシーンとかはすごいスピードで容赦なく巡ってきます。他のキャストは上着だけ変えるという早替えをしていると思うのですが、運転手は上から下まで早替えするのですから、さぞ、お忙しいのだろうなと、青山さんの登場の度に思っていました。

シングルキャストの皆さま、本当に素晴らしい舞台をありがとうございました。また、遠くない将来に、東京に「グランドホテル・ベルリン」が建つことを心から楽しみに待ちたいと思います。

ダブルキャストについてはまたいつの日か書きたいと思います。
ではでは。

「グランドホテル」

2016年04月12日 | 観劇記
「グランドホテル」(REDチーム)
2016年4月11日ソワレ 赤坂ACTシアター  1階前方センター

久しぶりの観劇。そして、観劇記です。
2チームあって、結末が違うそうなので、あまりネタバレしないように感想を書きます。

キャストの皆さん自身が、非常に複雑にセットを動かしながら歌い、踊る、スリリングな構成が多いためか、正直、段取り?という感じは否めません。群像劇の宿命でもあります。
段々良くなるという妥協を私はしたくないので、ちょっと残念でした。が、多分私が次に観るときは、客席の観客がグランドホテルの宿泊客と思えるようにキャストの皆さまが引き込んで下さると思います。

初っ端からちょっと厳しいことを言ってしまいましたので、素晴らしかったことをいくつか。とにかく、装置がステキ。溜息ものです。

そして、ガイゲルン男爵の伊礼彼方さん。あんなキザな男を、きちんとキザに演じられるなんてすごいです。本心がどこにあるのかわかりません。苦し紛れの嘘?心からの言葉?嘘をついてみたら、本心がわかった?彼(男爵)の言葉だけでなく、しぐさ、目線のすべてが気になります。そして、彼は、あの時代の、1928年の、その先を暗示しているのかとも思います。
そして、この男爵を追い詰めるギャングの青山航士さん。男爵以上にステキでした。完璧ネタバレになりますから、ここで、いろいろ書けないのは残念なのですが、男爵とのやりとりがすごいです。男爵があんなことやこんなことをしたのも、ギャングのせいですが、それがああなったのもギャングのせいなんでしょうね。これ以上は言えないので、是非、この二人のやりとりを劇場で体感して下さい。鳥肌ものです。

ラファエラ役の土居裕子さん。とても素晴らしい方で、役柄への真摯な姿勢にいつも尊敬の念を抱いています。が、今回は迷いがあるのでしょうか?バレーリーナのグルシンスカヤ(草刈民代さん)を心から愛しているのですが、ちょっと遠慮がち・・・同性というところが抑えた感情になっているのかもしれませんが、もっと思いをぶつけてもいいのではないかと思いました。決して、報われない愛なのだとわかっていても、それでも・・・・・あの場面はもっと「あなたには私がいる」となってもいいのかなぁと思いました。
おっと、ネタバレになるところでした、汗。

多分、主役のはずのオットーの成河さん。歌もいいし、ダンスもすてきでした。が、私の中での主役が男爵になってしまったので、すっかり群像の中に入り込んでしまいました。ユダヤ人であるオットーはなぜ余命を宣告されているのか?それは彼自身の病でもあるけれど、社会全体が病んでいくからなのでしょう。1928年、お金がすべてだった。お金がすべてではなくなったとき、人はどこへ向かうのか?どこへ向かうべきなのか?その象徴がオットーなのではないかと思うのです。以前、ストレート・プレーで拝見したときの成河さんならオットーのホテルにやって来た時と出立する時との差をもっと観客に明確に伝えられると思っていたのですが、ミュージカルに馴染めていないのでしょうか?ストレート・プレーの時の、立ち上がるだけで視線を引きつけ、歩くだけですべてを語ってしまうような、あのオーラがこれから発散されるのを楽しみにしています。

エリックの藤岡正明さんは安定の存在感。エリックたち労働階級と上流階級の宿泊客との深い溝がありながらも、そこには人間同士の心の交流もあるのです。それが、とてもほっとするし、嬉しいのです。男爵とエリックのやりとりも必見です。まさか、あれがエリックの物になるとは!!!
おっと、また、ネタバレに近づいてしまいました、汗汗。

孤独に生きるのがオッテンシュラッグ医師。佐山陽規さんが演じています。狂言回しのような役です。時に、ひどく冷たい言葉を発します。が、もしそれを言われた本人がしっかりと受け止めていたのなら、人生は変わっていたかもしれないのに・・・つまり、冷たいというより、真実を見通している人物です。佐山さんの厚みのある声が、人生を語ると、冷たい言葉なのに、熱い思いを感じます。(どこかで似たようなセリフを聞いた)
その冷たいであろう人物が歌うからこそいいのかもしれませんが「I Waltz Alone」は素晴らしいです。佐山さんの歌はたくさん聞いていますが、あの曲の次位に好きな曲になりそうです。

群像劇なので、キャスト同士のやり取りが面白いし、難しいなぁと思うのです。まだ遠慮がちなところがあるのでしょう。
楽曲が素晴らしいですね。ええ、ここで転調?みたいな落とし穴がいっぱいの楽曲は大好きです。人生そのものです。

と書きながら、早く、もう一度観たくなりました。
予定では、グリーンを次回は観ます。

では、また。

さけもとあきらさん「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」

2016年04月10日 | 俳優情報
さけもとあきらさんは2016年5月22日~2016年6月20日、帝国劇場に於いて「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」にご出演の予定です。
また、その後2016年7月2日から2017年2月11日断続的に全国ツアーがあります。


(以下、敬称は略させて頂きます。)

音楽:アラン・メンケン
歌詞:グレン・スレイター
脚本:チェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー
演出:山田和也


主なキャスト
蘭寿とむ/森公美子/鳳蘭/石井一孝/大澄堅也/石川禅/吉原光夫/今井清隆/春風ひとみ/浦嶋りんこ/ラフルアー宮澤エマ/泉見洋平/KENTARO/上口耕平

詳細は東宝のHPをご覧下さい。

今拓哉さん、さけもとあきらさん「貴婦人の訪問~THE VISIT~」

2016年04月10日 | 俳優情報
今拓哉さん、さけもとあきらさんは、下記の日程で、ミュージカル「貴婦人の訪問~THE VISIT~」にご出演の予定です。

プレビュー公演
シアター1010(北千住) 2016年11月3日~2016年11月5日

東京公演  シアタークリエ   2016年11月12日~2016年12月4日
福岡公演  キャナルシティ劇場 2016年12月9日~2016年12月11日
名古屋公演 中日劇場      2016年12月17日~2016年12月18日
大阪公演 シアタードラマシティ2016年12月21日~2016年12月25日


(以下、敬称を略させて頂きます。)

演出:山田和也
脚本:クリスティアン・シュトルペック
歌詞:ヴォルフガング・ホファー
音楽:モーリッツ・シュナイダー、マイケル・リード
原作:フリードリヒ・デュレンマットの戯曲「老貴婦人の訪問」鳥影社刊

主なキャスト
山口祐一郎 涼風真世 瀬奈じゅん 今井清隆 石川禅 今拓哉 中山昇 他


詳細は東宝のHPをご覧下さい。

今拓哉さん「三銃士」

2016年04月10日 | 俳優情報
今拓哉さんは、2016年8月6日~8日、日生劇場に於いてファミリーフェスティヴァル2016 ミュージカル 『三銃士』にご出演の予定です。

(以下、敬称を略させて頂きます。)

脚本・・・中島 淳彦
作曲・・・NAOTO
演出・・・田尾下 哲 
音楽監督・指揮・・・塩田 明弘
舞台監督・・・北條 孝


主なキャスト
ダルタニアン・・・小野田 龍之介
アトス・・・今 拓哉  
ポルトス・・・なだぎ 武  
アラミス・・・上原 理生
リシュリュー枢機卿・・・福井 貴一  
アンヌ王妃・・・沼尾 みゆき  
ルイ13世・・・芋洗坂係長
コンスタンス・・・吉川 友  
バッキンガム公爵・・・宮下 雄也
ミレディ・・・樹里 咲穂

岡田誠さん、齋藤桐人さん「王家の紋章」

2016年04月10日 | 俳優情報
岡田誠さんと齋藤桐人さんは、2016年8月5日~2016年8月27日、帝国劇場に於いてミュージカル「王家の紋章」にご出演の予定です。

(以下、敬称を略させて頂きます。)

原作: 細川智栄子あんど芙~みん
「王家の紋章」(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出: 荻田浩一
作曲・編曲: シルヴェスター・リーヴァイ
音楽監督: 鎮守めぐみ
振付: 原田薫・新上裕也
美術: 二村周作
舞台監督: 藤崎遊

主なキャスト
浦井健治 宮澤佐江 新妻聖子 伊礼彼方 宮野真守 平方元基 濱田めぐみ 山口祐一郎