わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

エリザベート

2005年09月26日 | 観劇記
05年9月26日ソワレ
帝国劇場 1階6列目下手より

今更この作品のあらすじを書く必要はないですね。本当に多くの観客を魅了しているようです。
トートは山口祐一郎さん。フランツは鈴木綜馬さん。ルドルフは井上芳雄さんでした。
と一応報告してみましたが、特に俳優の皆様について感想を書くつもりはありません。
ただ、一言言うとすれば、たった一ヶ月公演であるにもかかわらず、あるいは一ヶ月公演だから突っ走ったのかもしれませんが、相当お疲れ?と感じる舞台でした。
キャストの皆さんのご予定からすると、致し方ないのかもしれませんが、ちょっとがっかりしました。

4月に宝塚版「エリザベート」を観ました。とても夢のある舞台でした。トートがエリザベートの心であることもとてもよくわかりました。本当に、宝塚にぴったりの作品だなぁと思いました。「死」がテーマであるにもかかわらず、暗くならない、不思議な華やかさのある舞台でした。

東宝版には、宝塚にはないリアルさがあります。それが魅力なのでしょうね。
そして、今回すごく感じたのは、「ホームドラマ」的な雰囲気でした。
「屋根の上のバイオリン弾き」もユダヤ民族にかかわるとても暗い政治的な話です。ところが娘4人を嫁に出すホームドラマのようなお話に置き換えて、観客が楽しむようになってから、家族そろって楽しめる舞台になっていった、とどこかで聞きました。
「エリザベート」にもそういう一面があるなぁと思いました。嫁と姑の争い、夫と妻のすれ違い、子供の教育問題、親子関係の難しさなど、「渡る世間は鬼ばかり」も真っ青という感じではありませんか!

多くの人々の心をつかんでいるのですから、とてもよい方向に作品は向かっているのだと思います。きっと、「屋根の上のバイオリン弾き」のように長く上演されていく作品となっていくと思います。

でも、私としてはちょっと寂しいですね。あの何とも不思議な音楽が、演歌のような雰囲気になってしまうのは。まあ、日本人が創って、日本人が楽しむのですから、そういう変化も正しい方向なのかもしれませんね。