わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

人間は比較している

2012年02月23日 | 雑記
2012年に入っての劇場行きは1月22日スタートでした。佐山陽規さんご出演のコンサートでした。
この頃から体調も良くなり、1月29日は「ラカージュオフォール」の東京千秋楽に行きました。
2月1日は「下谷万年物語」。2月20日は「雪やこんこん」とストレート・プレーが続きました。
その間、2月18・19日にVプレミアリーグのバレーボールを観戦。
まあ、これだけいろいろ出歩けるわけですから、相当、元気なわけです。
多分、私の調子がいま一つ、は、多くの皆様の元気な状態、と同じなのではないかと、最近感じています。

まだまだ、寒い日が続いていますが、かなり「寒さ」にも慣れてきました。
冬の始めのころ、天気予報で翌日が最高気温10℃と聞くと、出歩くのを出来る限りやめよう、と
思っていましが、最近こう聞くと[暖かそう!」と出かける用事を考えています。
氷点下や最高気温5℃とかを体験すると、10℃が暖かく感じられるわけです。

人間は、何かと何かを比べて過ごしていることがよくわかる体験です。

観劇の感想は、比べないで、その作品、その舞台の感想を持とうと思うのですが、
やはり、何かと比べています。

直前に観た別の舞台・・・

初演の舞台・・・

似たような内容だった映画や舞台・・・

原作の小説・・・

比較するものはいくらでもあるのです。
なので、比べてしまうことは人間の性(さが)と諦めて観劇記を書き綴りたいと思います。

何と比べるか。

比べる材料を沢山持とう。

を重要視して、書き綴りたいと思います。

雪やこんこん

2012年02月20日 | 観劇記
「雪やこんこん」

2012年2月20日ソワレ  紀伊國屋サザンシアター   かなり前方のセンター

ミュージカルの観劇が多い私ですが、ストレート・プレーが続きました。
前回は「下谷万年物語」。あまりのセリフのシャワーに湯当たり(シャワーで湯当たりもおかしいけれど)したのですが・・・
この「雪やこんこん」、本当に楽しかったですね。もう一回観劇したいと久しぶりに思った作品でした。都合が付かず断念しました(涙)。
「下谷・・・」と同じようにセリフは膨大です。が、一つ一つが美しいのです。宝石のようなセリフに酔いしれつつも、作品の結末が気になる気になる(笑)。

どんでん返しなんだ!と思ったら、さらに予想が外れて、ええ、そういう結末!!!!!となりました。

お話自体が推理小説のようで、セリフは宝石のように輝いています。
そして、キャストの皆様がとにかくスゴイ。

座長である中村梅子役の高畑淳子さん。気風のよさは本当にかっこいい。私が好きなのは、老婆に化けて楽屋見舞に来るところ。そこのセリフがキャストもまた観客の私たちをも泣かせるのです。

中村梅子一座が公演をし、宿も借りる旅館の女将役、キムラ緑子さん。高畑さんとの息もぴったり。そして、夢を捨て、生きるために頑張っている女の悲哀も出ていました。

座員は5名。その中の二枚目役を演じる秋月信夫役が今拓哉さん。この秋月の相手役の女形を演じる明石金吾役が村田雄浩さん。

今さんファン全開の感想ではありますが、本当にすごかった。何度か今さんのストレート・プレー作品を観ていますが、やっぱりミュージカルがいいなぁ、という感想でした。歌があればこその今さんという印象は否めなかったのですが、今回はそんな思いを覆して下さいました。今さんを知らないでこの舞台を観た観客は、今さんの活躍の場が多くはミュージカルだとは思わないでしょう。
村田さんとの絡みが多いわけですが、息もぴったり。といいましても、多くは罵声の浴びせ合いなのですが、それがおかしいのなんのって!
村田さんが女形というのだけでも笑えるのに(失礼)、観客が想像する村田さんの女形の妙を、今さんがバンバン突いてくる。その台詞のスピード感、間の良さ。
そして、少々脇に控えている場面でも、小芝居のオンパレード。おかしいやら、すごいやら。

今さんだけがすごかったわけではありません。
でも、皆様への感想を書いているといつまでたっても記事が終わらないので、今回はお名前だけで、ご勘弁下さい。

久米沢勝次役の金内喜久夫さん。舞台をピシっと引き締めて下さいました。
三条ひろみ役の山田まりやさん。
光夫役の宇宙さん。
女中お千代役の高柳絢子さん。
立花庫之介役の新井康弘さん。
本当に素晴らしい面々でした。

是非是非もう一度観たい作品です。
芝居をやる、芝居を観る、その原点を教えてくれる井上ひさし氏の傑作だと思いました。