わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

ミュージカル「タイタニック」細かいことが気になる

2018年10月21日 | 観劇記
明日、いよいよミュージカル「タイタニック」は大千穐楽。
大阪に行かれないので、Twitterなどで、いろいろ話題を集める毎日です。
そんな中で、意外に話題になっていないけど、私が気になって、最初よくわからなかったけど、
もしかしたら???の場面を備忘的に書いておきたいと思います。

オープニングの中、
「さらば恋人、またすぐ会えるさ」のような歌詞を歌いながら
藤岡バレット、上口ブライド、吉田フリートが封筒を百名ベルボーイに渡すシーン。
それぞれが恋人にラブレターを送る場面なんでしょうね。
船員は往復するから、2週間ぐらい会えないわけです。
最後の手紙になったバレット。そのあと、無線でも送るけど、
手書きの手紙は最後だなぁ・・・


これもオープニング。
三等客のみんなが、戸井ピットマンに爪と髪を見せている風なんですよね。
何しているのかといろいろ考えましたが、当時、写真はまだまだ貴重でしたから、
パスポートのようなものに、爪の形とか髪の毛の色やくせの有無などが
書かれていて、それと照合していたのかもと。

ググってみたら、ビンゴのようでした。

そのあとで、一等客だけは乗船時に記念写真を撮っていますからね。
写真がいかに貴重だったのかを物語っています。

実は、初演のとき、2回観ても、戸井さんが二役やっているのか、
20世紀初頭は給仕長がこういう仕事もしていたのかなあ、と
混乱したままでした(苦笑)。

だから、香盤表が欲しいですよね。
あと一週間長く東京公演があれば、あるいは作成可能だったかもしれませんね。
短すぎるのですよ!!!
次の上演までの宿題としておきましょう。
上演が決まって、キャスティングが発表になって・・・
私が通いそうなメンバーであれば、少しだけ期待していて下さい。
でも、もうそんなエネルギーはないかな(ちょっと寂しいけれど、そんな現実)

あと、一回。
素晴らしい舞台を届けて下さい。
また、会える日を楽しみにしています。

ミュージカル「タイタニック」訂正

2018年10月15日 | 観劇記
先日書いた記事で間違いがありました。
オーブニングで一等客が乗船するときに記念撮影するのですが、そのときのカメラマンはどなたかと思っていました。
木内健人さんでした。
吉田広大さんのところに「?」でカメラマンと書いてしまいました。
訂正致します。
それにしても、木内さん、何でもこなすのですよね。

もう一つ、Twitterで呟いた
「一等ダイニングサロンでの夕食が終わり暗転すると、ボーイが二人一等客が置いてくれたチップめがけて飛んできます。」
と書いてしまいましたが、どうやりチップではなく、チョコレート菓子を取り合っていたようでした。
2階席で見てわかりました。


東京千秋楽で気が付いたこともたくさんあるのです。

無線室に向かう藤岡バレットって、船員の栗原ジョセフ・ボックスホールに出会っていたのでしたか?
藤岡バレットの出が早かったのでしようか???

この直前のブリッジの場面、千秋楽で、石川イスメイは栗原ジョセフ・ボックスホールと佐山ロバート・ヒッチングをいつもよりさらっと見ただけでした。
いつもは、二人の視線を見返すようにじっと見ていたのですが・・・


本当に、目がいくつあっても足りないし、何度見ても新鮮な舞台でした。
結末はつらいのですが、劇場に行くときは、どんな発見があるかなぁ、と楽しみで楽しみで!
芸術の秋、満喫致しました。

ミュージカル「タイタニック」その3

2018年10月11日 | 観劇記
ミュージカル「タイタニック」
日本青年館 2018年10月1日から10月13日
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2018年10月17日から10月22日

百名ヒロキさん
ベルボーイ、機関士
最後の船長からの言葉通り、本当に生き生きと舞台の上を、劇場中を飛び歩いている百名ベルボーイ。全体が大人っぽい雰囲気の中、このベルボーイの存在で、この舞台がすごく現実を感じることができているのだと思います。


吉田広大さん
最初に検察官としてイスメイと登場。フレデリック・フリート、カメラマン?乗り遅れた客フランク・カールソン。機関士。その後ジョン・ワイドナーとフリートと半々ぐらいで登場しています。
初演でこの役を演じたのは入野自由さん。結構気に入っている俳優さんだったので、変更にがっかりでした。
吉田さんは初ミュージカルだそうです。う~~~ん、という気持ちは正直あります。ただ、回数を重ねるごとに、ちょっとした台詞にきちんと気持ちが載ってきているなぁと感じています。
「寝巻の姿でグランドサロン」の場面で、エッチスから「一日遅れそうです」と聞くと「一日?」というセリフがあるのです。でも、この「いちにち」という四文字にいろいろな思いが込められているのです。この台詞が日に日に深みがまして聞こえます。
最後の救命ボートが離れて行き、残った男性陣が話しているときのこと。相葉チャールズと藤岡バレットは相手を未亡人にしなくてよかったと話すのです。その時、赤ん坊と妻のいる吉田ジョンは、今まで解いていた救命胴衣の紐をギュっと絞め直すのです。ああ、どうか助かって、と願わずにいられないシーンです。
この作品がミュージカルとの出会いでよかったですよね。今後活躍を期待しています。

栗原英雄さん
三等客の姿で最初に登場、船員のジョセフ・ボックスホールで乗船準備に携わり、エドガー・ビーン二等客として乗船。ほぼ、エドガー・ビーンとして登場。三等客は「メイドになりたい」で演じています。
この三等客では酔いどれおじさん。「金持ちになりたい」そんなこと皆が思っていますよ。ちゃんとした夢はないの?と突っ込みたくなります。考えてみれば、「タイタニック」初演も同じ役だから、この場面を見ていて、トムさんは「パジャマゲーム」のあの役を栗原さんに当てたんですね、笑。
ここもカップルなので、ビーン夫妻の話に広げます。
初演でアリスを演じたシルビア・グラブさん。彼女も個性派なので、この厚かましい、上昇気質の役はシルビアさんが演じると信じていました。ところが、変更。どうなるのかと思っていましたら、今回の霧矢大夢さん、シルビアさんを凌ぐほどの個性的なアリスを演じていらっしゃいます。
一等客の乗船を見ている場面も演出が大きく変わったところです。新聞片手に、夫婦で見つめているのはすごくいいですね。なんとなく、エドガーも興味がないわけではない、みたいな感じがします。
夫婦のありようみたいなものもあって、複雑な思いを重ねて二人を見つめています。でも、最後はエドガーの男らしさにほっとしたりしています。
「秋」をバックに踊り、ハートリーにチップを渡すところ、栗原エドガーかっこいい!
その後も、台詞とかもないけれど、アリスが一人で物思いにふけったり、二人で踊ったりと夫婦の姿には注目して下さい。
栗原さんの演じる船員ジョセフ・ボックスホールは、佐山さん演じるロバート・ヒッチングとともに、初演では最初の場面しか登場しなかったのですが、今回は、もう一場面登場します。「不思議なブリッジ」でイスメイがやってくる方です。イスメイのいろいろな注文を船員一同、「迷惑だ」と言わんばかりに見つめる場面です。イスメイが船員の仕事ぶりをみて、自重する場面ですから、船員は多い方がいいわけです。が、あっここでも登場なんだとなったときに、ファンとしてはただただ嬉しかったのです、笑。
栗原エドガーが最後の方の「征け、タイタニック」で登場した時の笑顔、泣き叫ぶ感じでその姿に手を伸ばす霧矢アリス。そして、アリスがいるかのように振る舞うエドガーを目にして、涙を流すなという方が無理です。あの、栗原エドガーの笑顔・・・忘れられません。

霧矢大夢さん
アリス・ビーン、三等客
三等客は「メイドになりたい」で登場なのですが、目立たないように奥の方に座っています。
アリスに関しては、栗原さんのところで語りました。

菊地美香さん
キャロライン・ネビル、グッゲンハイム夫人、給仕係
キャロラインについては相葉チャールズのところで語りました。

小南満佑子さん
ケイト・マクゴーワン、シャーロッテ・ドレイク・カルドーザ、給仕係
小南さんも3等客のケイトで登場していると思ったら、謎の一等客シャーロッテとして登場したりしています。
ケイトのような女性になかなか共感できない私がいます。こういう女性が、本当の自由の国アメリカを作っていったんだろうなあと思いながらも・・・
小南ケイトは初日硬かったんだなぁと、その後何度か観て感じています。だんだん、押すところと引くところができていて、ケイトがんばれ、という気持ちになってきています。

屋比久知奈さん
ケイト・マーフィー、エレノア・ワイドナー、給仕係

豊原江理佳さん
ケイト・ムリンズ、マデリーン・アスター、給仕係

お二人も、ケイトになったり、一等客になったり大忙し。
冒頭と、最後で、イスメイを見つめるその姿を見るだけで涙が溢れてきます。
どうか、力強く生き抜いてほしいと願わずにいられません。


安寿ミラさん
アイダ・ストラウス、三等客
最初に三等客の姿で登場。その後、「メイドになりたい」でもう一度三等客の姿で登場しますが、それ以外はアイダです。詳細は佐山さんのところで。

鈴木壮麻さん
エドワード・スミス
初演から役変わりとなった鈴木さん。
鈴木さんの舞台はたくさん拝見しています。初日に拝見したことも何度もありますが、いつも初日から完璧。他の役者さんが手探りの時でも、鈴木さんはしっかりしていて、鈴木さんが軸となって舞台が成熟していく感じでした。
ところが、初日、あれ?鈴木さん迷っている?
と感じたものの、スミス船長自身、本当に、どんな命令を出すときも迷っていたのではないかとも思えたので、初日の感じもすごく新鮮で、よかったと思っています。
その後は、さすが船長です。迷っていることは出しつつも、不安を表に出してはいけない、ということが観客には伝わる、迷っている船長を演じていらっしゃいます。文字にすると難しいですけど、こういう感じです。
鈴木船長のすてきなところを上げたらもう切りがありません。で、どうしてもというなら、最初の方なんですけど、イスメイの意見に押されて、速度を上げたすぐ後に、小野田ライトーラーに航路が外れていると言って怒鳴りつけるところです。封建社会の名残が・・・そして、制度は民主的でも、実際はこのころと変わっていないと感じ、それではいけないのではないかと考えさせられる場面です。そして、次の「バレットの歌」にも繋がっていくのですよね。
こう書いていて思い出しました。
ベル役をやっている木内さんが、航海士からボイラー室への命令を伝えられるときに「承知しました」と言うのですが、全部で5回言っていると思うのです。同じ「承知しました」が微妙に違うのです。本当はどう考えているのかなぁと思いながら、聞いています。

佐山陽規さん
イシドール・ストラウス、ロバート・ヒッチング、三等客
最初、三等客の姿で登場。次に船員のロバート・ヒッチング。そして、一等客イシドール・ストラウスで乗船します。三等客の姿は「メイドになりたい」で再登場。一番奥でカードをやっています。そして、栗原さんと同じく「不思議なブリッジ」でイスメイがやってくる方の場面でロバート・ヒッチングとして登場。このヒッチングさんは名前だけ、一等ダイニングサロンに船長を訪ねてくるマードックによって登場します。
さて、安寿アイダと佐山イシドールのストラウス夫妻。結構演出が変わったと思うのです。私の印象ですけれど、初演では「今でも」で観客はあんなに泣いていなかったですよね。それが、今回は、私も含め、ほぼ泣かないでここを通り過ぎるとこがないですね。客席に座っていて、明らかに観客の皆さんが涙しているってわかるってなかなかないですからね。
なぜ、そんなに印象が違うのか考えてみたのですが、やはり演出でしょうね。初演の時、全体を通してあんなにセンターでお芝居していたかなぁと。佐山さんに注目して観ている私は、かなりひいき目ですから、サブセンターでもセンターぐらいの印象があってもいいはずなんでけれど、そういう印象はないのです。
今回、もうぐっときて、涙腺崩壊する、安寿アイダが「あなたがいらっしゃるところに行きます」のセリフが、舞台のセンターになったのは大きかったと思います。初演は、下手の甲板だったためか、観客がややもすると聞き逃す感じだったのです。
あと、安寿アイダは前回はただただ控えめな奥様だった印象でしたが、今回はもう少し強い女性として演じていらっしゃる感じがします。佇まい、物腰は柔らかく、本当に優雅で、大金持ちのなかの大金持ちなんだろうなぁと思えます。威圧感は全くないのに、周りの人が思わず頭を下げてしまう感じです。もちろん、同じことが佐山イシドールにも言えます。
短いソロが一幕にもありますが、なんと言っても「今でも」。佐山さんのファンなのでたくさん歌を聞いてきました。大好きな歌はたくさんありますが、こんなに心に深く入り込んでくる歌声はなかなか出会えないと感じています。お二人で歌われるので、そのハーモニーもすてきなのです。
私の語彙がないのかもしれませんが、文字で伝えることなんてできませんよね。
思い出すだけで、心が震え、涙が止まりなくなります。ということで、どうでしょうか?

あまりに、重い話で終わるのはちょっとなので。
トムさんの演出と言えば、キャストの道具運びですよ。
ほぼ給仕係で登場する須藤香菜さんも女性なのに、タラップを何度も動かしています。
まあ、多くは、若手男性陣が担当しているわけです。で、佐山さんは何か運んでいるのかなあと観察(うん、ここまでくると観劇とは言えないかも)していると、「メイドになりたい」の場面が終わったとき、座っていた椅子を持って捌けていきました。

ファンの皆様、ご自分のご贔屓が何を運んでいるか探すのも楽しいですよ。


出航日の一日おきに乗船してきた私も、あと一回の乗船で最後となります。
何とか、無事生還を果たしてきました。そのおかげで、いろいろ語ることができました。

この舞台は群像劇です。そして、重なり合う声の美しさ、力強さを楽しむことができます。それを楽しむことができるのも、キャストお一人お一人の歌の技術の高さだと思っています。あんなに大勢で動きながら歌っているのに、歌詞がはっきり聞き取れるなんて、なかなかないことです。
本当にすばらしい舞台に出会えて、私はとても幸せです。
少なくなりましたが東京公演もまだあります。続いて大阪公演があります。歴史の目撃者になるもよし、耳福な時間を過ごすもよし、是非是非、劇場へお運びください。
ああ、あの場面のこと、もっと話したいなぁと思うのですが、そろそろ筆をおくことにします。

ミュージカル「タイタニック」

2018年10月08日 | 観劇記


ミュージカル「タイタニック」
日本青年館 2018年10月1日から10月13日
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2018年10月17日から10月22日

開幕して一週間が経とうとしています。ブログではなく、短くツイートですませてしまっています。
気が付けば、一年前に日本青年館に「パジャマゲーム」を観に行っている時以来の更新・・・
このままいくと、日本青年館で観劇するか、トム・サザーランドさんの舞台のことしか書かないブログになりそうです。
一年の間に、感激一杯の舞台もたくさんあったのですが、またいつか書きたいと思います。

さて、話を「タイタニック」に戻しましょう。
2015年のトム・サザーランド版初演も何回か観劇していました。いつ再演されるのだろうと心待ちにしていた作品でした。
劇場も多くのキャストも変わり、印象もがらっと変わるかと思いましたが、私としては、大きな違いはありません。お芝居の部分が深みを増したように思いました。

これを書いている時点で、初日とあと2回、合計3回観ました。
いずれもセンターですが2回はかなり前方で、1回は一階のかなり後方で観ました。
後方に座って、あれ、こんな風に照明が当たっていたんだ、とか、通路をこういう風に使っていたんだ、とわかりました。

群像劇を何度か観ると、なぜか、だれが何の役でどこに登場するかを解明したくなるのです。
全員は無理なのですが、わかる範囲で頑張ります。初演の時は、何かを手掛かりに観ていたなぁ・・・と調べてみたら、初演のプログラムには役名が全部載っているのです。名前があるのに、こんな役で出た?となっていたのを思い出します。今回のプログラムには主に演じる役名しか書いていません。サザーランドさんは稽古の進行時に、相当変えて(何もかもらしい)いくので、役も変わるかもと書かなかったのでしょうか?

加藤和樹さん
トーマス・アンドリュース
設計士です。一役のみです。見るたびにお芝居が深くなっていきます。本当に、カッコ良すぎるのですよね。開演前から設計をしている場面として座ってお芝居が始まっています。目の保養、笑。
辛口のことを言えば、もう一歩、相手の感情に踏み込んだお芝居を期待しています。

石川禅さん
ブルース・イスメイ
タイタニックを所有するホワイト・スター・ライン社の社長。一役のみ。
再演からの参加。
初日、最初の歌である「いつの世も」を歌いながら、目に涙を一杯ためているイスメイを拝見して、彼も苦しかったんだなぁ、と感じました。これは、初演にはまったくなかったイスメイへの思いでした。でも、途中のイスメイは本当にいけ好かない。「まぬけ」と船長に向かって言うなんて!!!
と、私も怒られているように思えるから、石川さんの演技は鋭いです。
是非、冒頭もラストも「いつの世も」の石川イスメイに注目して下さい。

藤岡正明さん
最初、三等客で登場し、機関士のフレドリック・バレット、一等客のベンジャミン・グッゲンハイム、バレット、グッゲンハイム、三等客、グッゲンハイム、バレットと一幕を終えるのでは?
二幕は、グッゲンハイム、バレットでしょうか?
一幕の間、どこかに藤岡さんがいるみたいな状況だと思います。
この作品の中で、「バレットの歌」と「プロポーズ」(その後も含む)の二曲ソロがあるので、とても印象に残ります。また、二つの歌の曲想が正反対。藤岡ワールド全開です。
「バレットの歌」の歌詞は結末を知って聞いているので、心に突き刺さります。
「プロポーズ」については上口さんのところで語ります。

戸井勝海さん
最初、ヘンリー・エッチスで登場し、出航するまでの間は船員のハーバート・ピットマンです。その後は、ずっとエッチスですね。
階級制度のありようをまざまざと見せつける役どころ。生まれながらにして、こういう職業に向いている人っているなぁと思います。
役替わりせずに、一番長く舞台上にいるのがエッチスだと思います。彼の立ち居振る舞いで、相手の階級がわかるので、舞台のメリハリをつけている影の演出家のような気がしています。さすが、戸井さん、と思う場面ばかりです。

(ここで、細かい感想を書くことに挫折、苦笑。後日追記していきたいと思います。)

相葉裕樹さん
チャールズ・クラーク、一等客、給仕係
のはず。給仕係はどの場面かなぁ?

津田英佑さん
ウィリアム・マードック

渡辺大輔さん
ジム・ファレル、給仕係・・・
前回ジムは古川さんでした。プログラムには別の役名もあるれど、今回は担当していないような???

上口耕平さん
ハロルド・ブライド、ジョン・B・セイヤー、三等客

小野田龍之介さん
チャールズ・ライトーラー、ジョン・ジャイコブ・アスター大佐、三等客

木内健人さん
ウォレス・ハートリー、ジョセフ・ベル、一等客室のウェイター、通信士?

百名ヒロキ
ベルボーイ、機関士

吉田広大さん
フレデリック・フリート、フランク・カールソン、ジョン・ワイドナー、機関士、検察官か弁護士か?

栗原英雄さん
エドガー・ビーン、ジョセフ・ボックスホール、三等客

霧矢大夢さん
アリス・ビーン、三等客

菊地美香さん
キャロライン・ネビル、グッゲンハイム夫人、給仕係

小南満佑子さん
ケイト・マクゴーワン、シャーロッテ・ドレイク・カルドーザ、給仕係

屋比久知奈さん
ケイト・マーフィー、エレノア・ワイドナー、給仕係

豊原江理佳さん
ケイト・ムリンズ、マデリーン・アスター、給仕係

安寿ミラさん
アイダ・ストラウス、三等客

佐山陽規さん
イシドール・ストラウス、ロバート・ヒッチング、三等客

鈴木壮麻さん
エドワード・スミス

須藤香菜さん
ミセス・ビーチャム、給仕係


後半戦に入って、2回目を観る方も多いと思います。何かの助けになれば、幸いです。

藤岡バレットと上口ブライドの掛け合いのシーンが一番のお気に入りです。大きく演出が変わりました。今回のほうが二人の親密度が増しています。船員同士の絆が感じられるとてもほのぼのとする場面。お二人の歌声も素晴らしい。
今回、上口ブライドの登場シーンが増えたのも嬉しいし、このほうが、この事故の人災であったことがよくわかる。

一番のお気に入りはこっちでは?と思われる方も多いかもしれませんが、もう、この場面は涙なしに見つめていられないので、辛い場面になってしまうのですよね。それは、2幕のストラウス夫妻のやり取りですよ。前回は、救命ボートに乗らないとアイダが言うのが下手のデッキ上だったので、すごくバタバタした中だったのです。今回、なんと、センターで喧嘩腰。この方が、ことの大きさが観客にとても伝わります。そのあとの「今でも」が本当にぐっとくる演出です。アイダが鏡の前で震えるのも、涙涙・・・ほかにもいろいろ語りたいのですけれど、そのうちに。

さて、あと何回乗船できるでしょうか?


「パジャマゲーム」もう少し語りたい

2017年10月27日 | 観劇記
東京公演が終わってしまい、今は大阪で公演中。その大阪公演もあと数回を残すばかりですね。
Twitterでの呟きを眺めながら、皆さんマニアックだなぁとクスクス。
ただ、私自身はリピートすることもありますが、一度しか観劇しない人が多いので、何度も観ると楽しいという舞台は評価しません。(「何度も観たくなる」は勿論大歓迎です。)
でも、何度も観たからついつい言いたくなるし、マニアックなファンに仲間入りしたくなってしまうのです。
2度目を観たとき、香盤表作ったら楽しいだろうなぁ、と思ったのですが、拠り所にするものがパンフレットにないのです。開幕しばらくして、ホームページ上にナンバーが発表になりました。パンフにこれがあれば作れたかもしれません。でも、もう、「太平洋序曲」の時のようなパワーはないですね。十数年前の話ですから・・・年を重ねました・・・
でも、ついつい、香盤表を作るなら・・・と変なところを観察(観劇ではない)私がいました(苦笑)。

さて、前置きはこれぐらいにして、書き残したいことを気ままに書こう、の勢いで書いていきます!!!

最初の場面で、男優さんがミシン台を飛び越す場面があります。公開稽古の映像にあったのですが、こんないい場面公開しちゃうのね、と思いましたし、怖いなあとも思いました。見るたびにしびれました。東京千秋楽まで本当にケガなく、良かった、と思う場面でした。
大阪もどうかケガのないようにと祈っています。

ケガなくと言えば、盆がないのに回り舞台のようなセットなので、躍動感あふれる舞台ではあるのですが、ヒヤっとすることも。
ある時、ハスラー社長が階段を上っているときに、あっ、こけた?と思ったら、シド工場長も危うく段ボール箱を落としそうになっていました。どうやら、上に着いたら止まることになっているはずが階段の途中なのに止まったようでした。
いろいろなタイミングでセットは回っていますが、階段を上る時は、セットが先に回り始めていてそこに乗っていくようですね。遥か昔に聞いた、慣性の法則、でスムーズにキャストの皆さんが動いているんですよね。
かなり前方に座ったときに、ピクニックナイフ投げの場面とかキャストの皆さんの反応の声が聞こえるのです。それで、セット回すときに掛け声とかあるのかなあ?と耳と目にこのうえない集中力を与えたのですが、収穫なし。つまり、音楽やセリフで動き出しを決めているんでしょうね。ダンスリーダー(青山航士さん)がいらっしゃるように、これもリーダーがいらっしゃったのかな?(逞しいのでついつい目が行ってしまう神谷直樹さん?)収穫あったとしたら、止める力もかけている場面も結構あったことかな。ついつい動かし始めには注目しますが、止める頃はお話が進んでいますので、ついそちらに気持ちが行ってしまっていました。押すより引く方が大変なんだろうなあ、と。で、ストッパー押して。止めるのはあまり注目していないのに、なぜかストッパーを押すしぐさは注目していたのですよね。目が二つしかないから、すべてを見るのは難しいのですよ、苦笑。
装置を動かすほうも大変だけど、動いていたことすら観客に感じさせない装置上の役者の皆さん、そして演出が素晴らしいなぁと思いました。
装置を動かすといえば、何よりヘルナンドス・ハイダウェイの場面、若手男優さん総出でビアノ2台乗った盆を回すのですが、とてもステキ。アップライト・ピアノとはいえ、300キロ近い重さがあるのが2台。600キロをあの速さで回す!!!!!あそこでピアノを登場させるのもステキなんだけれど、回っている・・・感動!!!
この場面は、もうお話も終盤ということで、いろいろなことが起きているのです。ところがちょっと暗め。ついつい何度も観たくなってしまう場面です。
でも、大筋は主要人物を見つめていればちゃんと進むので、初見の方も大丈夫です。

この「装置動かし」に気を取られるようになると、いわゆるヌマの淵にたたずんでいる感じでしょうか(苦笑)
トム・サザーランドさんの演出は、役者を袖に捌けさせない、が原則なのかと思っています。
装置動かしは突然舞台に出てきて動かすわけではないんですよね。自然に、そのあたりにいて、いろいろやっているの。なにしゃべっているのかなぁ、でも、あんまり楽しいこと話していると、きっかけ、遅れちゃうだろうしなぁ。
観劇ではなく、観察に近づいていますね・・・
ああいう演出だから、カンパニーの一体感がものすごく出るんでしょうね。
(「グランドホテル」も基本は舞台の奥の椅子にいることになっていたのですよね。ホテルだからいつも人がいるという設定。)

演出と言えば、「恋なんてしてない」をグラディスが引き継いで歌いながら場面転換するところも、自然な流れを大切にしていていいなぁと思うのです。同じ曲なのに、アレンジが違うと空気が涼しくなるのですよね。いつも、すごくおしゃれな転換だと思っていました。

最初のミシン台飛び越しも、ピアノ回しもしびれると言うか、ゾクゾクする場面ではあったのですが、私、自分が意外なところに目が釘付けになっていることに、ある日気が付きました。
それは、シドが背広の上着を着る仕草。中でも、上着着て、最後にYシャツの袖を引っ張るところとか、すごくいいなあって。
上着着るのは演出なのだと思いますが、シャツの袖を引っ張るのは、ご本人の癖?
ええ、新納さんについてあまり語っていませんでしたけど、こうしてちゃんと見つめていましたよ。
チャーリーへの思い入れが大きいのは確か。でも、役者さんとしては新納さんの方がたくさんの舞台を拝見しています。それだけにいろいろ思うことがありすぎて、言葉に出来ない感じでした。
新納さんは、見た目、とてもステキで、立ち姿も非の打ちどころがないのです。でも、動くと脆いというか、弱いというか、もっと自分を信じようよ、と声かけして差し上げたくなる感じでした。でも、今回のシドは、「自信」を感じました。歌も素晴らしいし、演技もどこにいても、いつでも「シド」でした。そしてセリフにしても歌にしても声の厚みが増したなぁと。
シドは、一人で舞台にいることも多いし、ソロも多い。だから、迷いがあると舞台全体が崩れてしまうと思うのです。「ブルー・タウン」はとても不安定な音の運びなのですが、安心して、というかあの時のシドの心情に寄り添うことができる歌唱でした。「ねえきみ」もしっとりと、よいですねえ。

正直、大好きな、特に歌声が大好きな佐山陽規さんがあまり歌わないにもかかわらず、なんでまた観たくなるのか?自問自答していました。答えは、キャストの皆様が佐山さんの歌声に匹敵する素晴らしい歌の数々を聞かせて下さるから、でしょう。そして、本当にストレスがありません。こんなこと言っては何ですが、「ええ、どうしてこの役者さんがこの役???まあ、あの役者さんがステキだからこの役者さんには目をつぶろう」と妥協しながら、プラスマイナスしながら、プラスに傾くとリピートしているわけです。この「パジャマゲーム」にはそういうストレスがありません。もちろん、細かいことを言えば、話の展開が強引なところもあります。でも、限られた時間の中でのこと。その強引にところは、観客の想像力を掻き立てるためにあると思えば、本当に楽しいです。それに、東京の半ばごろから、サイドストーリーの想像力を掻き立てるような小芝居(演技の充実)が随所に見られるようになりました。厳しく言えば、初日からやって頂きたいのですが、観客の反応が変化をもたらしているのかもしれませんから、日々変化するのは仕方のないことなのでしょうね。

まあ、いろいろ言ってみても、本当に楽しい舞台でした。
新納さんの言うように、「頭、パッカーン」で楽しめる舞台です。
でも、楽しいだけではなくて、歌、ダンス、演技、そして、演出、振付、装置、衣装、音楽どれをとっても素晴らしくて、観れば観るほど、また、観たくなる、刺激と安心感が同居している舞台でした。
大阪での大千秋楽までもうすぐですが、多くの方に観劇して頂きたいですね。

書き残したいことを気ままに書こう、の勢いで書いたとはいえ、支離滅裂。大変失礼いたしました。それでは、また。




「パジャマゲーム」

2017年10月07日 | 観劇記
日本青年館 
2017年9月25日初日と10月1日ソワレ
そしてもう一回観ているのですがいろいろあって秘密(笑)

一階席の前後左右とも真ん中あたりが2回とやや後方だけど上手通路近く


コメディミュージカル・・・久しく接しないジャンル・・・
最近、日本で流行るミュージカルは割と悲劇が多いです。まあ、世界的にも、「楽しむ」というより「考えさせる」作品を提供することが潮流となっているのでしょう。久しぶりにハッピーで、わくわくする舞台を観ました。
2回目を観て、そういう楽しい舞台でも、初日は堅かったなぁと思いました。観ている私も堅かった???苦笑。

いろいろ細かいことにも触れています。観劇前に読む場合は、ご了承のうえお読み下さい。
観劇するかどうか迷っている皆さま、是非、読んでその勢いで劇場へどうぞ。

あらすじは、紆余曲折はあるものの、ヒーローとヒロインが結ばれ、その周りの人も元の鞘に納まり、どうかよくわからないカップルはいるものの、一番の問題の7セント半の賃上げは叶うという本当にハッピーなお話し。

ハスラー社長を演じる佐山陽規さんのおかげで(?)、トム・サザーランドさんの日本での演出3作品すべてを観劇することになりました。大好きな佐山さん中心で考えると、私の中では「グランドホテル」「タイタニック」「パジャマゲーム」の順ですが、作品全体の完成度からすると「パジャマゲーム」がダントツで抜きんでています。3作品とも、群像劇ですが、「パジャマゲーム」が、一番全員が本当に生き生きと、大活躍するので、そこも私好みであり、なおかつ、ミュージカルといえば「歌・ダンス・演技」を求められますが、キャストの皆さまがそれを満たして、観客を楽しませて下さっているのです。曲は、もともとあるものですけれど、アレンジがすごくおしゃれ。そして、振り付けも、本当に、憎いほど一つ一つがおしゃれ。溜息が出るばかり。そして、演出は、劇場にいる全員が、その一瞬一瞬を共有していると感じる、人々が紡ぎだす空間作りなのです。キャストの皆さまは、大道具を動かすので、大変だと思いますが、その動かしている前後にもお芝居があったりします。そういうことの積み重ねが、また、キャストの皆さまの息が合って、よりお芝居が、自然な流れの中で運ばれていくのだと感じています。

長くなるかもしれません。最後までたどり着かないと困るので、このあたりでお伝えしたいことがあります。
私も、行きたい作品すべてを観劇できるわけではありません。で、あとになって、観ておけばよかった、と後悔することがあるので、この俳優さんが気になるなら・・・ということを書いてみたいと思います。

プリンシパルの方は別にして・・・
一番に、青山航士さんのファンやちょっと気になるなぁという皆さまへ伝えたいです。かなりの困難があっても乗り越えて是非劇場へ行きましょう!ええ、ええ、もう、惚れ直すと思います。(「グランドホテル」でもすてきでしたが、あれが満足度80点とすると、今回は150点ぐらい。)
2番目に、神谷直樹さんのファン皆さま。少々の困難など、一蹴して劇場へお運び下さい。
次に、鈴木結加里さんのファンの皆さま。チケット代以上の満足感があると思います。

プリンシパルの皆さんのご活躍は、半端ありません。ちょっと気になっている、ぐらいのファンの皆さま、是非是非。他の舞台で、こんなに歌って、踊る、なんてこの後もないかもなぁと思うほどです。
あと、某ドラマで、新納慎也さんや栗原英雄さんのファンになった皆さま、ミュージカルはちょっと、と言わずに、劇場に来て観て下さい。生ってこんなにすごいんだ。生って楽しい!と感じて頂けると思います。お二人とも、「歌」素晴らしいのですよ。

やや、梅芸の回し者になった感じですが、私はたくさんミュージカルや舞台を観るのですが、ここに書かなかったキャストの皆さまも、他の舞台ではその魅力の十分の一も発揮されず、残念と思うことがしばしばです。「パジャマゲーム」はキャストの皆さまにとっても、実力の限界を見つけ出すお稽古場だったのではないでしょうか。本当に、キャストの皆さま全員が魅力をいかんなく発揮している、充実した舞台となっていると感じています。

ちょっと、かっこいいこと言ってしまいました、苦笑。
具体的な舞台の話をしたいと思います。

ハッピーなお話しの中に、ダンス、ダンス、ダンス!本当に楽しい。オープニングから、うそ!と言うような男性キャスト陣のアクロバティックなダンス。ピクニックの楽しい、運動会みたいなダンス。ラブラブなシドとベイブの歌の間のダンス。もう、ここまでで、ダンスは終わりかなぁ?と言うほどの運動量なのですが、第2幕もダンス!
「スチーム・ヒート」は圧巻。北翔海莉さん、青山航士さん、神谷直樹さんが踊るのだけれど、いわゆるフォッシースタイルで、かっこいいのなんのって。照明も衣装も本当に魅力的。このダンスを観るだけでも、観劇した甲斐があったと思う場面です。
このすてきな「スチーム・ヒート」の場面ですが、組合活動の一部なのです。なんてよくできた脚本だろうと感心します。全体としては、ダンスのイメージですが、お話し自体も面白いです。初日は唐突と思ったのですが、2回目は、キャストの皆さまの「間」やその「間」での目線の感じがよくなったのか、セリフはないのだけれど、気持ちが伝わる場面が多くなって、お芝居としての面もとてもいいなぁと思いました。
それが顕著だったのは、新納慎也さん演じる工場長のシドが、北翔海莉さん演じるベイブをデートに誘う場面の二人のやり取り。シドはぐいぐい行きたいのをぐっと抑えて、クールに誘い、ベイブは一瞬嬉しいとなるのだけれど、シドに悟られないうちに押し隠して断ってしまうのです。ここでの、間やちょっとした表情が観客の共感を得られると、ちょっと唐突なピクニックでの出来事も納得なのです。
まあ、細かいことが気になる私の悪い観劇癖です。そんなこと考えなくても、本当に楽しい舞台です。

この感じで書いていくと終わらないので、コメディの感想らしく、変化球でいきます(笑)。

ハインジー(栗原英雄さん)がラストの方で、シドとベイブの熱々を揶揄して、「あの二人は長く続かないな」というのですが、私も同感、笑。
大体、ベイブは人を見る目がないですよね。あんなにそばにすてきなチャーリー(広瀬友祐さん)がいたのに、それに気が付かないなんてね。チャーリーがすてきな場面はいくつもあるのですが、一幕のラストで、シドと一緒に「Hey There」を歌うのですが、シドが感情を思い切りぶつけて歌うのですが、チャーリーはソフトに歌うのです。その対比がとてもすてきです。広瀬さんの歌を初めて意識して聞いていると思いますが、すごく緻密に歌声をコントロールできる方なんだろうなぁと思っています。演技もいいですよね。ハンカチを見つめる・・・相当チャーリーに感情移入しているので、ベイブ、どこに目を付けているのぉ!!!
と思わせるほど、可愛らしいベイブを演じるのは、宝塚で男役をなさっていた北翔さん。宝塚時代のご活躍を拝見していないのです。宝塚出身の女優の方々はもうたくさん拝見しています。宝塚出身といっても、本当に実力はまちまち。トムさんが北翔さんと出会ったから作った「パジャマゲーム」と聞いていましたので、めちゃくちゃ私の中のハードルは高かったです。そのハードルの遥か上をひらりと飛び超えて下さいました。これほど、歌に表情があるとは・・・ダンスも演技も素晴らしいのですが、ミュージカルで活躍するなら、豊かな表現が出来る歌声をもっていることが大切だと思っているので、本当に素晴らしい女優さんだと思いました。

ハインジーも他人のことは冷静だけど、グラディス(大塚千弘さん)と長続きするとは思えないですよ。グラディスみたいな女性とお友だちにはなりたくないけど、ああいう話題性のある女性が存在していたら、噂話に事欠かなくていいかも。
ハインジーとグラディスのカップルはいろいろ衝撃的なカップルです。栗原さんと大塚さんのイメージが180度覆った感じです。栗原さんはコメディも出来るのだろうなぁと思っていました。大塚さんの方が衝撃的でした。いつもニコニコ可愛らしいイメージだったのに。結構、途中までは、一番の悪人という感じです。本当においしい役で、悪のイメージもありながら、たくさんの笑いも取に行ける役です。こんなにモテる役もないでしょうしね。ハインジーに、プレッツ(上口耕平さん)、そしてシド。モテ過ぎ・・・
(ハスラー社長ファンとしては、グラディス、許せない、となるけれど、大笑。)
結局、グラディスはハインジーが一番らしいのですが、グラディス、苦労すると思いますよ、結婚したら、笑。「やきもちはやかない」って歌いますけど、簡単にその性格が直るとは思えませんし、時間にあんなに几帳面ながら、洋服を着たまま寝たり、起きてベッドで髭そったり、う~~~ん。水で濡れたベッドはどうするのかな?っていつも思います。グラディス、お掃除大変だろうな・・・
やっぱり、ハインジーとグラディスも長くは続かないんじゃないかなぁ・・・笑。

チャーリーのように一途で優しい男性の反対側に存在しているのが、女性の敵、プレッツ委員長。労働者の味方だけど、女としては近くにいて欲しくない男。本当に奥さんがかわいそう(誤解のないように書きますが、プレッツの奥さんは登場しません。)でも、演じている上口さんがすてきだから、なんとなく、「まぁいっか」となっています。相変わらず安定した歌声です。ダンスも素晴らしいです。こんなリーダー的な役柄もしっかりこなせるとは・・・「タイタニック」の内気な青年役からは想像もつきませんでした。

以上、演じているとは思えない、個性豊かな、俳優の皆さまのおかげで観劇後の仲間との話が尽きませんでしたよ。
演じているは思えない、と観客が感じるか否か、は舞台作りにとても大切だと思っています。勿論、技術だけで見せることもできると思いますが、観客が共感するというところまで楽しむのは、やはり演出が大切なのだと思っています。
先ほどの相当下らない感想も、想像力が膨らむから出てくるのです。その想像は、俳優の皆さまが、その役柄として生きていることを感じられるときに出てきます。
群像劇は、多くの場面に、キャストの皆さまが登場します。現実の生活でもそうですよね。本当に、一人とか二人きりなんてことはありません。
「愛なら負けない」の場面がもしベイブとシドの二人だけなら、二人もあんなに楽しく歌わないと思うのです。ベイブが「ねえきみ」を歌うとき、小道具をキャストの皆さまが渡していくのですが、人と人の繋がりを感じられてとても好きです。(「太平洋序曲」の「ボーラ・ハット」を思い出していました。)
そうそう、ここで北翔さんの歌がすごくいいのですよね。コンパクトを取り出して、涙声で2フレーズぐらい歌い、その後はしっかり歌うのですが、その最初の涙声の寂しさが余韻として残っていくのです。そのあとは、決して崩したりしないのに。聞き手を納得させる歌を歌える女優さんなんだなぁといつもこの場面で思うのでした。

(話が行ったり来たりしていますが・・・終わるのかな?)

ハスラー社長はこのカンパニーで唯一嫌われる役、と聞いていたので、「グランドホテル」で青山航士さんが演じた運転手みたいな怖そうな役かと思っていましたら、まあ、職業倫理上の問題は大いにありますが、普通の人で、ほっ。
脱線しますけど、青山さんは「グランドホテル」での演技がすてきで、悪役なんですけど、惚れ惚れ。で、この舞台でも演技が光る場面があります。すてき!あの場面、ラジオを付けて流れる音楽で雰囲気を変えるというのもおしゃれな演出ですよね。コメディがあって、雰囲気がよくなって、一大事になり、さらに事件が続く・・・笑。是非、注目して下さいね。
ええ、佐山さんの話でした、苦笑。ご本人がいろいろな場面で、「ダンスは得意ではない」とおっしゃっていますから、「パジャマゲーム」がダンスミュージカルだと知った時、ファンとしては、一抹の不安・・・一抹ということにしたいと思います。
今回、演技が中心ですね。なんというか、舞台全体が、ピンクのハートに埋め尽くされているような感じなのに、社長が登場すると、ああ、ここ工場だったのね、と現実感溢れます。でも、ヤギさんみたいにお手紙食べてしまうのです。コメディです、ハイ!
最後の場面は、ほんわりとなるので、よかったぁ。
現実と舞台での出来事(役名であり続けるのか、一俳優なのか、不思議な時間)が交錯するフィナーレ。ここでもチャーリーの優しさ、気配りに目が釘付け!本当に、チャーリーいいです。社長への気配りが素晴らしいので、きっと出世するでしょう。
(ツイッターのつぶやきで、アフタートークの内容を紹介して下さっている方がいらして、知ったのですが、最後の「7セント半」に合わせてフィナーレをやることは、ゲネプロの後決まったそうです。社員の皆さんは本編で踊っているわけですが、社長は勿論その場にはいないわけですよ。それに、7セント半賃上げしたくないわけですから、チャーリーが社長の様子を伺いたくなるのもわかるわ!)

ちょっと変な観劇記ですが、なにしろコメディの舞台の感想ですから、堅いことは考えず、笑いながら読んでくださいね。
書いていても楽しくて書き続けたら、ちょっと公にできないだろう、となりました。そのあたりを直しているうちに、話が行ったり来たりしています。もっと、書きたいことはたくさんあるのですが(新納さんの話がほとんどない!)、また、何かの折に。
最後まで、お付き合い頂きありがとうございました。

キャストの全員の大活躍を応援して、明るい気分で劇場を後にできる、爽快、ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」は2017年10月15日まで、日本青年館(東京)で上演中です。その後大阪へ(2017年10月19日~29日梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)。
是非、お運び下さいね。



「KAKAI歌会2017」まとめ

2017年05月13日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
公演期間2017年5月3日~5月6日(全6公演)

演出・構成・出演 原田優一
出演 泉見洋平  入絵加奈子  佐山陽規  はいだしょうこ  綿引さやか

(敬称略させて頂きました)

私の観劇日
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り


とりとめもなく書き綴ってきましたが、自分の記憶の限界を補うために書いてみました。
また、ご自分のご贔屓が出演となったら、私のように、嬉しいような不安なような方のために、少しでも予備知識を得て頂ければと思っています。
原田さんの企画は期待を裏切らない、いや、いい意味で思い切り裏切る、楽しい楽しい舞台になると思います。
次回「歌会」が楽しみです。

スマホで写真を撮ることに慣れていないからか、3回目でやっと、他人にお見せできる写真がとれました。






上演中に宣伝しなければいけなかったのですが、ごめんなさい。
次回の「KAKAI歌会2019」(多分2年後だと予想しています)宣伝にはなるでしょう。(なるわけないでしょ、自爆)

それでは、数日にわたり、連投失礼いたしました。

「KAKAI歌会2017」~佐山陽規さん編~

2017年05月13日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~佐山陽規さん編~

原田さんに、感謝をしています、と書いたものの、一幕の間は複雑な心境でした、苦笑。

「たたく」でいつも冷静だった原田さんが我を忘れてしまったのを拝見していて、結構、俳優の方って繊細なんだなあと思いました。でもね、ファンの視点である私はこう思うのです。「たたく」に至るのは、その俳優さんがこの役をやることに期待しているからです。そして、上演中、じっと注目しているからなのです。
私もこのように数々観劇を書いていますが、あまりにも酷い舞台だった場合、書かない。舞台としては面白かったけれど、この俳優は舞台にいて欲しくないと思った場合、その人には触れない。そもそも、上演中も視界に入らないようにする。という感じです。
歌詞間違えたとか、振り間違えたとか、集中して、何度も見ないとわからないですよね。全力で観ているのですよぉ~~~~~!!!
話がややそれますけど、今回の舞台で私より前に座っていたお客様がオペラグラスを使っていらしたのですよね。倍率にもよるのでしょうけれど、私が愛用しているものだと、あの位置から見たら、目だけ、鼻だけ、口だけとかしか見えないと思うのです。どなたのファンかはグラス上げるタイミングでわかるのですけど、すごいなぁ~~~。全神経注いで、観ている、いや観察なさっているのですねぇ。
ええ、話がずれているようですが、まあ、何はともあれ、期待すれば期待するほど、好きになれば好きになるほど、辛口にもなるわけです。

原田さんと佐山さんが最初に共演したのはいつか分かりませんが、原田さんが大人になってからは「太平洋序曲」だと思うのです。2011年の公演です。佐山さんは3回目のご出演。原田さんは初出演。この「歌会」に負けないぐらいの忙しい舞台。「太平洋序曲」には最後の方で、明治維新から現在までを歌とダンスで一気に表現する「Next」という大ナンバーがあるのです。多分、これの振り写しも、上演時も大変だったと思うので、原田さんは自分のことで精一杯だったのだと思います。あまり周りが見えていなかった。そして、あれが出来るのだから、「One」ぐらい軽く流せますよね・・・と原田さん思ったのかしら??????
で、何が言いたいのかというと、「レビュー」に佐山さんの出演依頼をなさるなんて、涙が出るほど嬉しかったです。そして、それと同じぐらい心配で・・・・・
はいださんの「全力失笑」発言があったとき、うんうん、4日のマチネは「全力失笑だったなぁ」と思い出していました。まあ、初日がうまくいくと、次の回、気が抜けるのは仕方ないことです。
楽日は本当に上手くいってよかった、うん、よかった(感涙)。

原田さんには、佐山さんへの選曲が素晴らしくて、本当に感謝しています(こっちは、本当に心からの感謝です)。原田さんも、佐山さんの低音のよく響く歌声がお好きなんだと思いました。
「愛した日々に悔いはない」私が知っている歌詞とは違うためもあったと思いますが、もっと軽い曲として聞いていました。佐山さんはじめ男性3人で歌い上げると、舞台に対する思いを歌った歌なんだなぁとあらためて実感しました。
「I am the starlight」これは本当に初めて聞きました。泉見さんの役を奮い立たせる歌のようですが、佐山さんの歌声で「自信を持て」と言われたら、魔法にかかったように自信がみなぎるでしょうね。そして、泉見さんの歌声も、自信に満ち溢れ、衣装もキラキラした感じでしたけど、舞台の空気がキラキラしていました。男性同士の歌の競演というのもなかなか他では聞くことが出来ないので、感動しました。
一幕目だけでも、ファンにはたまらない舞台でした。アニソンのお茶目さ、ダンス(出来はどうであれ)、歌声、小芝居。遊園地で一日過ごしてもこうは楽しくないと思うぐらい、楽しかったです。

実は、二幕目はさらにすごかった!

原田さん、ファンの心をえぐりますよね。
あのシンプルな舞台で、仕掛けてくるとは、原田さんの企画って、すごいと思いました。
原田さんと泉見さんがお化粧しながら「マスカラ」を歌っていました。その時も、すでに観客は大喜び。2枚のパネルだけで、入りとはけをやるシンプルさと佐山さん登場の衝撃、大笑。
お化粧といい、衣装といい、そして、歌い始めるまでの間といい、何か、すごい空気でした。笑いとともに、期待。一体何が始まるのか。そんな空気でした。
佐山さんも、絶妙な間をとって歌い出すのです。
「ありのままの・・・」と歌い出すと、その空気が一変。外見からは想像もつかない、低音でありながら、響き渡る声。
「ありのままの私」は、とても好きな歌です。作品の中で歌われるときはもちろんですが、単独で歌ってもとても深みのある歌です。佐山さんの声にもぴったり。内容も、佐山さんぐらいの芸歴の方が歌うとそれまでのいろいろなことが思い出されてホロリ。目から入ってくるものでは笑っていて、耳から入ってくるものでは感動で心ふるえていて、笑っているのか泣いているのか!
原田さんと泉見さんも加わって、劇場が揺れるほどの大喝采。
楽しかったです!!!

ベスト10では、田原俊彦さんの「ハッとしてGood」。2回ほど、止まってしまうというパフォーマンス付き。秀樹こと泉見さんが心配して下さり、助けて下さいます。
多くの観客の方が、初めてちゃんとしたメロディを聞いたのではないでしょうか?
初日のごあいさつの中で、佐山さんが原田さんに「どうして俊ちゃんをやらせたの?」と聞いていました。原田さん「佐山さんは佐山さんのままかと思って。その通りでした。」とのやりとり。当り前よ、俊ちゃんのマネとなれば、音をはずさなくてはならないですから、佐山さんには無理ですよぉ。
そんなこんな、大騒ぎのベスト10が終わり、鎮静化して下さったのも佐山さん。「悲しみのクラウン」。多分、これはご本人の持ち込み企画だったのではないかと思います。ここから、最初に着用なさっていた黒のスーツ。
レミゼでは、最後に登場なさり「Stars」。久しぶりにお聞きしました。本当に、素晴らしい。佐山さんとは声の強さ、厚みが違うので、仕方ないとは思うのですが、最近舞台をみると「Stars」をただ美しく歌うジャベが多いと思うのです。でも、違うのですよ。バルジャンとの「対決」を前に出さないといけない歌ですよね。それが、重く観客の心に残ってこそ、後半の物語が感動的に運ばれていくのではないでしょうか。リプライズが多い作品の中で、「Stars」は本当に一回だけしか出てこないのです。余計についつい酔いしれてしまうのだと思うのですが、それではジャベールが役として弱くなってしまうのです。
ミュージカル・ナンバーというのは、こうやって表現するべきなんだ、というお手本のような佐山さんの「Stars」、是非、多くの方に聞いて頂きたいと思っています。
実は、もう一つ、佐山さんが歌うときにすごく魅かれるのが「手」。手の動きがとても好きです。地獄に落とされる恐怖も、満天の星も、歌声の妙プラス手の動きでジャベールの世界を描き出して下さいます。

「ありのままの私」の時も、手の動きがとてもきれいでした。そこが一番女性らしかったかも、笑。いや、あれは、男の役だし、男らしくてもいいのかなぁ(迷走中)。

ご挨拶のことは、ところどころに書いたのですが、佐山さんはあまり話されませんでした。意外でした。お一人のコンサートのMCでは、結構いろいろお話になります。「なんで、みんなそんなに面白い話が出来るの?」と千秋楽にはおっしゃっていました。MCでは、楽しいお話がいっぱいだと私は思っています。はいださんや入絵さんが爆発的に面白いし、ご本人たちは、面白い話をしようと思っていないから余計面白いのですよね。

佐山さんの舞台はここ数年たくさん拝見していますが、「歌会2017」は、本当に楽しかったです。幸せなGWでした。

次に拝見するのは「パジャマ・ゲーム」の予定です。このミュージカルにも大きなダンスナンバーがあるそうですが・・・亜門さんや原田さんと違って、サザーランドさんは・・・

これからも、ますますのご活躍、楽しみにしております。

「KAKAI歌会2017」~原田優一さん編~

2017年05月12日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~原田優一さん編~

最近、記憶自体はあるのですが、順序立てが出来ていないのです。そして、知っていることは分かっているのに、言葉にならないことが多いですね。「ほら、あれ。そう、あの人。」同年代と話しているとお互いこんな感じ。で、すごいのは、そのままどんどん話が進むことですよ。しばらくして、「○○さんよ。」
さて、そういう感じで自問自答していては、どの舞台を観て、原田さんって上手いなあと思ったのか、いつまでたっても思い出せないので、私の記憶を引き出すために、「原田優一プロフィール」ぽち。
少し苦手だった「ベガーズ・オペラ」で、なんて瞳のキラキラした少年がいるのだろう!それが原田さんとの出会いかなぁ。と思ったら「パナマ・ハッティ」に出ている!何回か観たのに、全然内容が思い出せない、苦笑。あの舞台のどこに???まだ、子役だったのかなぁ?

その後もいろいろ拝見しています。マリウス役は、私の中では一、二を競う俳優さんです。その中で、さすがだなぁと確信したのが「太平洋序曲」です。これが、2011年。あれから6年も経ったとは・・・(遠い目)

芸歴は長いとはいえ、この6人の中では真ん中あたりの原田さん。それなのに、さすが演出家、対応が素晴らしい。今までも、とても気になる俳優さんでしたが、一気にファンになりました。
早着替えが一番大変だったのも原田さんのはず。
ベースの黒のスーツ→アニソンの白→金色→バレエのプリンス→金色→金色の上に黒のレインコート→金色
休憩
ガウン(女装)→花魁風ドレス(女装)→ミスサイゴンのクリス→松田聖子風ピンクのワンピース(女装)→ベースの黒のスーツ
お疲れ様でした。
その上、司会もするのです。決まったトークで終えるメンツであれば、なんてことないと思いますが、予測不能、通訳が必要な日本語を話す人がいたりしますから、いやぁ、大変ですよ。

歌、ダンス、シリアス、コメディ!原田さんの活躍は、本当に「レビュー」でした。

原田さんの歌唱のすごいところは、ここでブレスするだろうな、というところでも、日本語の意味として切れていないなら、切れるところまでブレスせずに歌いきるところですね。
「そばにいて」も「Bring Him Home」も、本当に言葉が美しいと感じました。
女装も可愛い。でもラカージュの「マスカラ」はしたたかさがありました。泉見さんが可愛らしいキャラの方なので、その対比がとてもよかったです。そのあとの衣装の時の髪型がとっても似合っていて、黙っていれば本当に女性なのではと思うほどきれいでした。
が、聖子ちゃんの時は、大きい!と思ったので、比較対象物は大切だなぁと思った次第でした。
私は、原田聖子ちゃんが本当に楽しみでした。おすまし顔で登場。唇をすごくなめながら、ちゃんと歌うのです。そして、小さなかごを持っていて、飴を客席に投げるのだけれど、すごいぶっきらぼうに、投げ込んでいました。千秋楽は、後方まで投げつけていましたよ。すごくちゃんと歌ってきたのに、「赤いスイート・・・・・」。ピーはどうしたぁ?と思っていると、おもむろに「ピィーーー」。ベスト10なので、他の歌手(共演者)が舞台上の観戦席に座っているのですが、全員椅子から転がり落ちてしまいました。まさに、本物の無駄遣いみたいな場面です。原田さんの笑いをとり方が好きです。
3回観ても新鮮。力技だと鮮度の落ちがすごいときがありますけど、原田さんのように、きちんと計算した笑いはきっといつ見ても楽しいと思います。
是非、あの舞台のあの役をやって欲しいですね。私が見たのはKさんなんだけど、Mさんとの酔っぱらいの場面を今でも思い出して笑ってしまいます。あまりにも、あの時の舞台が楽しくて、その後Iさんの時には観ていないのですよね。原田さんが出演したら、楽しいだうなぁ・・・さて、何の舞台の何の役でしょうか?(答えは皆様のご想像にお任せします。はいださんのときのクイズよりは簡単かな。)

まったくの余談ですが、原田聖子ちゃんで登場の時、聖子ちゃんカット風のカツラに、ピンクのワンピースなのです。つまり足が出ているわけです。思わず、脚線美!と思ってしまいました。

レミゼが終わると、「本公演に先駆けてレミゼ・マッシュいかがだったでしょうか?」ちょっととげがある感じ、苦笑。いろいろな思い入れがありますからね。

原田さんは、ごくごく普通の挨拶をなさるのですが、皆さんから「呼んでいただいてありがとうございました。」「思いもかけない扉を開けて頂きました。」「本当に、優しくて。」とか感謝の言葉がたくさんでした。
私も、心から感謝しています。

今後のますますのご活躍間違いなし。また、楽しい舞台を拝見したいです。

「KAKAI歌会2017」~入絵加奈子さん編~

2017年05月11日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~入絵加奈子さん編~

これを書くためにググッて参りました。
最近はあまり舞台に立たれていなかったのでしょうか?
多分「ユーリンタウン」「ベガーズ・オペラ」あたりを拝見しているようです。
今回、初めてじっくり拝見しましたが、これほどの方を見逃しているなんて、と悔やんでおります。これを機会に、もっともっとミュージカルの舞台で活躍して頂きたいと切に願っています。

「コーラスライン」の「At the Ballet」は、しっとりとしたお姉さまの雰囲気でした。そのあと、割とすぐに、「シカゴ」の「Nowadays」を原田さんと歌うのですが、このあたりからコメディエンヌぶりを発揮。ロキシーとヴェルマが最後に歌う場面だと思うのですが、原田さんはここでは女装はしていませんでした。「すてきでしょ」「そうでしょ」とねっとりと掛け合います。が、途中からはしっかりと歌っていきます。そして、ダンスも披露。レビューですね。入絵さんはダンスがお得意なのですね。
「命をあげる」はすごかったです。心が震えました。歌唱力といい、伝え方といい、もう、舞台が走馬灯のようによみがえってきました。正直、「ミスサイゴン」は好きな演目ではないのですが、入絵キムを観ていたら印象は変わっていたのかもしれません。
これで感動していたのですが、そのあとにさらなる感動が?
ベスト10での「どうにもとまらない」最高でした。日が経つごとにパワーアップしていて、もう、大爆笑でした。
そのあとの全員での歌も、いろいろと入絵さんに釘付けでした。
いやぁ、エンタテナーですよね。
そして、レミゼでは、しっとりと「I Dreamed a Dream」。この歌も、物語がぎゅっと詰まっているのですが、その物語がくっきりと見えてくる歌声でした。

姉御肌のしっかり者の入絵さんは、トークも楽しかったですね。はいださんのフォローもいろいろと、笑。
最後のご挨拶では、共演者はじめスタッフへの感謝、観客あってこそ、とのお言葉でした。
原田さんに「25年ぶりのキムでしたね。」会場から拍手!
共演者のみなさんからも、「すばらしかったですよね。」という声があがっていました。
入絵さん「ベスト10も楽しかった。まさか、リンダさんをやらせてもらえるなんて。」
これが初日のコメントだったと思います。
翌日は「キムよりリンダの方が印象に残ったみたいで、皆さんから、『リンダ、よかった』と言われました。本当に、楽しかったです。」
入絵さんは、「ミスサイゴン」の初演のキムに、大学生の時にオーディションで選ばれたそうです。「芸能生活25周年です。」ともおっしゃっていました。
そうそう、綿引さんに、「大先輩の前で、エポニーヌを歌わせて頂き、緊張しました。」と言われて、「大先輩じゃないわよ、古い人みたいじゃない、笑」と、新旧いろいろ話が広がるレミゼはその作品自体素晴らしいと思ったのでした。
あとは、三越の地下食料品売り場が大好きで、なかなか上に上がってこられない、とのことでした。4日はマチネだったので、「デパートをゆっくり見て、また、夕方劇場にどうぞ。」と原田さんも話していました。

今後は、コメディ系でご活躍なさるのかもしれません。楽しみにしています。


「KAKAI歌会2017」~綿引さやかさん編~

2017年05月11日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~綿引さやかさん編~

綿引さんの舞台は初めて拝見しました。とても、可愛らしくて、きっと礼儀正しい女性なのだろうなぁと感じました。
最初のソロを務めるのは緊張したのではないかと思います。「塔の上のラブンェル」から「自由への扉」。わが家では、なぜか、とてもよくかかっている曲。明るくまっすぐな歌声がとてもすてきでした。
「エニシング・ゴーズ」すごく良かったです。白のワンピースもとてもすてきでした。直前の男性陣の重厚な「愛した日々に悔いはない」とは違い、とても華やかな歌声が、客席から響いた時、わくわくしました。ラストの「エニシング・ゴーズ」フレーズでは、高音も強いまま歌い上げられる声量にほれぼれしました。実は、ここで、黒いコートを着て、「淫ら」という表紙の本を歩きながら読んでいる原田さんが登場。「淫ら」という歌詞を受けてなのですが、クスクス笑ってしまいました。さらに、同じ服装の佐山さんと泉見さんも加わって、歌詞に沿った小芝居を繰り広げます。うんうん、レビューだなぁと、すごく楽しかったです。もう少し、こういう場面があったらなぁと思いました。
ベスト10の「白い色は恋人の色」は、二人組が本当なのですが、右側の人形とで共演。綿引さんは金髪の長い髪のカツラに赤のジャンパスカート風、人形は青。綿引さんはさらにおもちゃのウクレレを首から下げているのですが、あるメロディでは弾いている風の演技をするのです。芸が細かい!そして、大爆笑なのが、人形ですから歌わないわけですよ、感想の間に、英語で人形に「ちゃんとやってよ」みたいなことを言うのです!本当に、こういう構成にするってすごいですよね。そのあとの、全員で歌うときにも、ずっとお人形ちゃんと一緒の綿引さん。とても不思議な光景が繰り広げられました。
レミゼでは「On My Own」を熱唱。2015年は2回舞台を観ているのですが、多分、綿引さんの回ではなかったような・・・こんなにすてきな歌声なら今度は、と思ったら、2017年は出演されないんですね。

最後のトークでは、「一回目の歌会を拝見して、椅子から転げ落ちるぐらい笑いました。まさか、それに私が出るなんて。本当に呼んでいただいてありがとうございました。」とおっしゃっていました。「お稽古で、これが噂の歌会か、というぐらい笑いました。」とお話ししいたのも、綿引さんだったように思います。
なかなかここまで自分の殻破ることへ挑戦できる舞台はないので、楽しかったのだと思います。
とても素直ですてきなお嬢さんのようですが、今回殻を破ったのですら、もっと押しを強くして、誰かを踏み台にしてでも役を取って行くぐらい、図々しくご活躍していただきたいと思います。
どこの誰とは言いませんけど、今まで活躍していたところでは上手かったのだろうけれど、場違いだよなぁと思う女優(といえないレベル)になんか負けないで。あの図々しさを綿引さんに分けてあげたい。
是非、また、どこかの舞台で拝見したいと思っています。より一層の輝きを楽しみにしています。


「KAKAI歌会2017」~泉見洋平さん編~

2017年05月11日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~泉見洋平さん編~
これを書くために、ちょっとググって参りました。
泉見さんを最初に拝見したのはいつで、最近はいつかなぁ、と。
スヌーピーのミュージカルでチャーリー・ブラウンを演じた印象のまま・・・でも、あれから、15年ぐらい経っている。ということは!?!?!泉見さんと私のどちらかだけが年を重ねるわけではないので、うんうん長いお付き合いですねぇ。
こんなに近くで泉見さんを拝見したのは初めてでした。かわいいという印象でしたが、やはり年を重ね、歌にも厚みが出てきたという感じでした。
「RENT」から「One Song Glory」とてもすてきでした。実は、舞台自体は見たことがない作品ですが、内容は分かっています。命の叫び、届きました。こういう曲風がぴったりします。同じような雰囲気で「ブーメランストリート」を歌っていましたが、こちらは、もちろんかなりおふざけも入っているわけです。それなのに、腕の紐紐ちゃんが顔にかかっていない時には、上手すぎるそっくりさんという歌声でした。この衣装で、あの振り付けで、歌うというのはご本人の希望?どうやら、我を忘れて熱唱していらっしゃるようですが、歌い終わった時の汗。その汗にも拍手でした。
話が前後しますが、男性陣全員で歌った「愛した日々に悔いはない」や、佐山さんと歌った「I am the starlight」は、先ほど紹介した2曲とは違って、正統派ミュージカル歌手としての歌唱を聞かせて下さいました。特徴を活かしたロック調のナンバーが多い役柄を演じられることが多くなっていますが、是非、歌唱力を活かした役もたくさん演じて頂きたいと思います。
ベスト10では、全員で歌った「恋のダイヤル6700」でもサングラスをかけてアキラになりきりサビを熱唱していました。他のところも秀樹になりきっての熱演でした。
レミゼでは、持ち歌の「Empty Chairs at Empty Tables」を歌われました。私は、この歌というかメロディが大好きです。心が浄化されるような感じがします。何しろ、司教様がパルジャンを諭す時のナンバーでもありますからね。悲しく、重い歌詞ではありますが、泉見さんの明るめの歌声がこれからの希望が感じられる一場面だったと思います。

最後のあいさつでは、
「前回に続いての出演です。今までにない引き出しを開けて頂き、感謝しています。また、これに出るために芸能活動をしているといっても過言ではありません。」
と、原田さんが喜びそうな挨拶ですが、原田さんは「開けてしまって、よかったのでしょうか、笑」でした。
相当お疲れもあったようで、「普段舞台では痛くならないところが痛くなって!」ともおっしゃっていました。
いやぁ、あれだけの熱演を、昼夜公演重ねれば6公演でもお疲れですよね。千秋楽は、秀樹の時の腕回しの回数が減っていました。ちょっと喉にもきていたのか、高音がおしい・・・ということもありました。

そうそう、すっかり忘れていましたが、「ラ・カージュ・オ・フォール」の場面は女装で登場していましたよ。一番、違和感がなくてすっかり忘れていました。いや、ほんと、かわいくて、きれいで。しぐさが女らしいんですよね。羨ましかったりして、苦笑。

また、近々、舞台を拝見すると思います。いきなり、シリアスものだと、ギャップに耐えられるか不安です(笑)。

「KAKAI歌会2017」~はいだしょうこさん編~

2017年05月11日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~はいだしょうこさん編~

この方への感想をまず最初に書きたかったです。
本当に、可愛らしい方です。
トークのことを書く前に、まず本筋から。
はいださんの最初のソロは、「ミー・アンド・マイガール」から「顎で受け止めて」。この演目は一回しか観ていないのですが、確か、サリーが、恋人のビルの幸せを願って身を引くときの歌だったように思います。「Smile」って歌うのだけれど、悲しい気持ちが裏側にあるのですよね。真っ赤なドレスで、とてもすてきでした。
そして、すごいと思ったのは、男性陣のド派手な女装に押されることなく、もんぺ姿で、彼ら?彼女ら?を見つめる姿が本当に痛々しくて、でも、ちょっとおかしくて・・・。そこで、歌う「ひめゆり」の「生きている」でした。この作品も一回だけ観ています。この場面とてもよく覚えています。一幕のもう救いようのない地獄の中を、何とか生き抜いた少女の喜びがあふれる歌でした。はいださんの清んだ明るく、のびやかなソプラノの歌声が生命力を感じさせてくれました。どんな状況にも負けない演技と素晴らしいソプラノ、是非、あのタイトルロールを勝ち取って頂きたいですね。最近、どうよ、というキャスティングが多いので(何の作品かは皆様のご想像にお任せします)。
そして、ベスト10での「シンデレラハネムーン」には、笑いました。宏美さん風の髪型のカツラに、サテンの水色のロングドレス。すてきなお嬢様なのに、なぜか、振り付けが変、顔芸も!見た目はすごくふざけているのに、歌は完璧。原田さんが開いてくれた新たな扉はこれかな、笑。

歌がすばらしかったのですが、それ以上にトークはもっとすてき、苦笑。
アニソンの最後のお絵かき自体も大爆笑なのですが、そのあとのトークがよかったですね。
原田「なぜ、絵を描くようになったのですか?」
はいだ「歌のおねえさんをNHKでやっていたとき、お絵かき歌で絵を描いたのですが、その絵を見た子供が何人か泣いてしまったですね。テレビの前のお友だちも泣いてしまったようで、NHKに苦情の電話がかかってきたそうです。それ以来、NHKでは絵は描かせてもらえなかったのですが、他のところから依頼が来て描くようになりました。」
まあ、こんな感じです。
模造紙に、出演者を描くのですが、0.38ミリのメーカーご指定のペンで、虫眼鏡でみないと見えないぐらいの肖像画を描いていらっしゃいました。本物を見ましたし、写真も撮ったのですが、「ちっちゃ」。
さて、この、とても個性的な絵を写メって、待ち受けにすると運がよくなるそうです。
入絵「運と言ってもいろいろあるでしょ。金運、恋愛運、仕事運とか。何に効くの?」
はいだ「それはねぇ・・・(この間がかわいい)・・・亡くなるときにわかるの。」
全員(多分観客も全員)「???」
はいだ「ぽっくり逝けるの」
「? ? ?」大爆笑。
初日は本当に、爆笑の前の、間、がすごかったですね。本当に、椅子から転げ落ちそうでした。
4日マチネは「死ぬ時に、お花畑を歩ける」
千秋楽は「人間に生まれ変われる」
が「ぽっくり」に足されていました。
最年長の佐山さんは「じゃ、7日にぽっくり逝くわ。」って反応でした。
原田さんが、「いえいえ、まだ早いですよ。でも、皆さん死ぬときは楽に逝きたいですね。」という締めでした。

もう一か所、トークがありました。最後の方で、感想を一言ずつ、と原田さんが、泉見さん、綿引さん、はいださん、入絵さん、佐山さんと当てていくのです。
初日、泉見さんも綿引さんもお客様の拍手と笑いに支えられて、みたいなことを言われたのですが、はいださんはさらに泣きそうになりながら「みなさまが笑って下さって、本当によかったです。ほっとしました。」みたいな感じで、原田さんに「そんなに心配だったの?」と聞かれ、「はい」と答えていらっしゃいました。本当に、いっぱいいっぱいで頑張ったのですねぇ。
これは初日です。
4日マチネは割と普通でした。
しょうこ節炸裂の千秋楽。
「楽しく、完全しっしょうしました?」
入絵「しっしょう?疾走でなくて?」
はいだ「しっしょう・・・しっしょう・・・です。」
原田さん含め、客席でも「完全失笑・・・あったかも」という声がちらほら。
めげずに続けて・・・
はいだ「レミゼでは、私は偽なのですが・・・すばらしい皆様といっしょに舞台にたたかれて・・・」本当はね、「立たせて頂き幸せでした。」だったと思うんです。
「たたかれ」となった時の原田さんのリアクションに大笑い。それまで、どんな内容であろうと、大人の「受け」で、さらりと上手くまとめていた原田さんが豹変。「ええ、ええ、たたかれましたよ。あれもこれも、たたかれて強く育ってきたのですよ。」隣りでも泉見さんが「たたかれる、ええ、もうそれはそれは・・・」二人で、「たたかれて大きくなったよね」と息ぴったり。「たた」は禁句だな、爆。
であれやこれやあって、原田さんへの感謝の言葉もありました。
原田「よかったです。はいだ画伯の挨拶が、無事着地したこともよかったです。」
で笑いをとって無事終了。
きっと、お稽古場でも、はいださんの一言でどれほど場が和んだことでしょう。
「完全失笑」という新たな四字熟語に出会えたことと、俳優さんの前で「たた」は禁句だとわかりました。

はいださんの思い出は、歌とトークが半々!
いやあ、本当によく笑いました。
これからのご活躍に、幸あれ!

「KAKAI歌会2017」~進行の記録編~

2017年05月11日 | 観劇記
ミュージカルレビュー「KAKAI歌会2017」
三越劇場(東京、三越本店6階)
2017年5月3日(初日) 
2017年5月4日(マチネ)  初日とこの日はほぼ同じ席。7列目ほぼセンター
2017年5月6日(千秋楽)  6列目かなり下手寄り

~進行の記録編~
本当に、楽しいGWでした。
6公演中、3公演に参加致しました。「観劇」じゃない?と思う方もいらっしゃると思いますが、舞台と客席がとても近く、こじんまりした劇場なので、一体感が溢れていました。また、追々話に出ると思いますが、観客の笑いが、さらにその場面を面白くしたり、感動を深めたりと展開するので、参加した、という感じなのです。「歌会」の最大の魅力でしょうか?2年おきにやっているようなので、次も参加したいなぁと思っている次第です。

原田さんに、お聞き出来るものならお聞きしたいのは、どうしてこのメンバー?です。
最初に、この公演の情報を見たのはTwitterで、「ミュージカルレビューKAKAI歌会2017」とあったと記憶しています。私の中で、「ミュージカルレビュー」と言えば、宝塚歌劇の後半の舞台です。筋があるようなないような、歌とダンスで綴り、最後は大階段が登場する、あれです。まあ、出演者が6人ですから、ああはならないと思いながらも、ダンスがないレビューはない・・・こんなチャンス・・・こんな不安・・・は多分もう巡ってこないと思い、予定を入れました。

一か月のお稽古期間だったようですが、ほぼ全員が出ずっぱりですから、ご自分の得意としている歌を入れて余裕を持たせたのかと思いました。それを先に出して、それとは雰囲気のかなり違う歌をもう一曲は歌うという構成だったのかなと思いました。

「歌会のメインテーマ」の歌を全員で歌い、名前のみの自己紹介があり、綿引さやかさんがソロのトップで可愛らしい「塔の上のラブンェル」から「自由への扉」を歌いました。次が、しっとりと「魔法にかけられて」から「そばにいて」を原田優一さんが歌いました。このまま、ソロが続くのかと思ったら、全員白いベレー帽風の帽子に、長めの白のガウン、白タイツ。教会の合唱隊?と思ったら、アニソンのメドレー。それがまたいろいろなアニソンが入り乱れ、本当の歌にはないけれど、合いの手入れたくなるよね、を実現した感じのアニソンメドレーでした。それが終わって、はいだしょうこさんのはいだ画伯お絵かきタイム!もう爆笑の連続でしたが、この件ははいださんのところで語ります。とにかく、笑い過ぎて、笑いを止められない状態なのに、「RENT」から「One Song Glory」をかっこよく泉見洋平さんが歌い上げます。「ショーよりすてきな商売はない」がかかったので佐山さんが歌うのかと思いましたら、演奏のみ。ちょっとがっかり。で、ここで、問題というか、「レビュー」だなぁという構成が繰り広げられます。
ベースは「コーラスライン」の「One」。
事前の「稽古場ちょい見せ」のYouTubeにこの場面の練習風景が上がっていたので、心構えはしていました。これがなくて、いきなりこの音楽を聞いたら、自分がどうなっていたのか想像するだけでも怖いです(苦笑)。
この場面にしても、別の場面にしても、原田さんって、本当にいい人なんだろうなぁと思いました。そして、それに応える先輩もすごいですよね。無茶苦茶いい人なんだろうなぁと・・・
話を戻します。
全員で金色の衣装で「One」を歌い、踊る間に、「コーラスライン」や別のミュージカルの場面挟み込んできます。女性3人で「コーラスライン」から「At the Ballet」。貧しいけれど夢に向かってとしんみり歌っているのに、原田さんがプリンス姿で現れ、かっこよくジャンプを繰り返すのですが、膝を痛めて退場・・・笑いを挟んでくるのです。で、笑いに行くのかと思うと「愛した日々に悔いはない」を佐山陽規さんが最初に歌いだし、泉見さん、原田さんが加わって歌います。あまりの重厚さに、「コーラスライン」であることを忘れている私がいました。そして、「エニシング・ゴーズ」を綿引さんが歌い上げます。「コーラスライン」をここですっかり忘れています。次も、「ミー・アンド・マイガール」から「顎で受け止めて」をすてきな真っ赤なワンピースで、可愛らしくはいださんが歌います。可愛いと思っていたら、「スターライトエクスプレス」と書いた箱電車にはまったローラースケートを履いた入絵加奈子さんが黒子に手を引かれて登場。エクスプレスよろしく走り出すかと思いきや、はいださんを手招きしているのです。はいださんが駆け寄り、入絵電車をそでまで引っ張っていく途中に、白っぽいスーツに着替えた佐山さんが登場して「I am the starlight」をかっこよく歌い出しました。泉見さんも同じような服装で歌に加わりました。それが終わると、入絵さんと原田さんがあの金色の衣装で「シカゴ」の「Nowadays」を歌い踊りました。ちょっとコミカルにしてあって楽しかったです。で、終わったと思ったら、再度「One」。
挟み込んだのかぁ!いえ、構成としたら、本当に素敵なんですよ。でも、私としては、どきどきするわけで、初日はこのまま終わらないのではないかと、もっとダンスがあるのでは、と嬉しいような、不安なような、複雑な思いで、ステップを拝見していました。すると、入絵さんが、ダンスをやめ、息が上がっている風に「15分、休憩下さい。」となり、休憩となりました。
ここまで、45分なのですが、本当にあっという間。笑って、笑って、感動して、苦笑していやぁ、また話しますが「全力失笑」の日もあったなぁ(爆)。

幕が上がると、泉見さんと原田さんが、ガウン姿でフルメイク中。すぐに「ラ・カージュ・オ・フォール」だとわかります。ふたりで「マスカラ」を歌い上げます。左右から、パネルが出てきて閉まった後は、開けるわけですが、「うそ!」というほどのフルメイクにド派手なピンクが基調の花魁とはいかないけれど和風も入ったドレスの佐山さん。カツラのターバン風なところもドレスと共布。何歌うの?で、歌い出したのが「ありのままの私」。ここはラ・カージュで攻めてきたのか!!!原田さん、どう頼んだのでしょうね。まあ、この歌は本当の舞台でも女装した男性が歌う歌だし、歌だけなら男女どちらが歌ってもいい、そして、佐山さんの声質にぴったり。途中から、原田さんと泉見さんも佐山さんとデザインは同じで紺が基調の衣装で再登場。最高潮に盛り上がりました。
さて、このお祭り騒ぎをどうもっていくのか、と思いますよね。下手から出てきたのは白いブラウスにもんぺ、おさげ髪のはいださん。うつむき加減で歩いています。ド派手な、その上、どう考えても変な二人(佐山さんと泉見さん)を見て、より悲しそうになります。ド派手な二人は胸を張って袖へ。はいださんが少し進むと、もう一人派手な人(原田さん)が。ますます悲しそう。それなのに、原田さんはフンという感じで袖へ。そのしぐさが面白くて、つい笑ってしまうのですが、残ったはいださんが歌ったのは、「ひめゆり」から「生きている」でした。今度は、涙。そして、命がテーマなのか、「ミスサイゴン」から初代キムの入絵さんが「命をあげる」を熱唱。なのに、そのまえに、泉見さんと原田さんでトゥイとクリスの対決があってその芝居がちょっと臭くて失笑していたのに、すごい「命をあげる」を聞き、涙涙でした。
はいださんの演技?に、心から拍手を送りたいです。あの姿を見て、笑わないなんて!見ているようで見ないようにしていたのかしら?俳優の皆さまの感情のコントロールってすごいんだなぁと感心してしまいました。
3つのどの場面も人生の修羅場であるのですが、こういう構成を思いつくのがすごいですよね。
さて、次は、名物となっているのが「歌会ベスト10」。昭和歌謡を堪能する場面でした。
曲目は
「ブーメランストリート」(西城秀樹)泉見さん
「ハッとしてGood」(田原俊彦)佐山さん
「白い色は恋人の色」(ベッツィ&クリス)綿引さんと人形
「シンデレラハネムーン」(岩崎宏美)はいださん
「赤いスイートピー」(松田聖子)原田さん
「どうにもとまらない」(山本リンダ)入絵さん
以下全員で
「恋のダイヤル6700」(フィンガー5)
「チョットマッテクダサイ」(ゴールデンハーフ)
「星降る街角」(敏いとうとハッピー&ブルー)
もう、笑い過ぎて、涙が出てしまいました。
最後の方のトークを聞いていると、選曲は原田さんだったようです。ナイス選曲ですね。伊東えりさんが録音で司会をして下さるのですが、ちゃちゃの入れ方がまた楽しいのです。どうやって録音したんですかね。こういうアイデアが満載。
佐山さんが「リトル・ナイト・ミュージック」から「悲しみのクラウン」をしっとりと歌いました。後半の部分で、原田さんが道化のような動きを模したパフォーマンスをしました。これは、しっとりと。
これで少し場が落ち着いたところで、「レ・ミゼラブル」マッシュの始まりです。
「レ・ミゼラブル」の「One Day More」のように、いろいろな歌が歌い継がれ最後に一つになるという手法らしいです。
この舞台では、かなり長く歌い、結構ここから盛り上がる、という部分をぶつけあう、というアレンジでした。
「Building the Barricade」か「The People's Song」の演奏に乗って、女性陣がスローモーションで駆けていきます
「Building the Barricade」男性陣が歌い、愛にあふれた小さめのバリケードが登場。
はいださんがリトル・コゼットの「Castle on a Cloud」、原田さんがパルジャンの「Bring Him Home」、綿引さんがエポニーヌの「On My Own」、入絵さんがファンテーヌの「I Dreamed a Dream」、泉見さんがマリウスの「Empty Chairs at Empty Tables」、佐山さんがジャベールの「Stars」。
そして、全員で、歌い上げました。
アレンジも良いですね。そして、マリウスとコゼットは生き残るので、本当はマイナーコードのとこをメジャーコードに展開したそうです。
佐山さん、泉見さん、綿引さんは持ち歌。入絵さんはエボ、原田さんはマリウスとアンジョルラスだったはずなので、持ち歌を変えたわけです。アレンジがあって当てはめていったのでしょうね。歌の力を、そして、レミゼの楽曲の素晴らしさをあらためて感じました。

キャストの皆様からの挨拶があり、オリジナル曲でおしまい。

アンコールに美空ひばりさんの「歌は我が命」を全員で歌い、今度こそ終わりです。

あっという間の2時間。
笑ったと思ったら、涙誘う歌になったり、まさにジェットコースター。

企画があってから、出演者を依頼するのか、出演者を決めて企画をするのか?どちらにしても、すごい企画力。
そして、原田さんとほかの5人の出演者は、おのおのどこかの舞台で共演したことがあるのだと思います。が、入絵さんのブログによると5人はほぼ初めまして状態だったようです。この濃ゆ~~~い企画を初めまして状態から、ここまで完成した舞台を作り上げるって大変だと思うのです。原田さんて相性とかを見る目があるのでしょうか?

俳優としての原田さんもとてもすてきですが、演出などでも頑張って頂きたいですね。

以上、演出・構成担当の原田優一さんへの感想に重ね、舞台の大まかな進行の記録でした。

クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ

2017年02月18日 | 観劇記
今拓哉さんがご出演だったのに、予定の段階で情報をアップし忘れたので、
早めに感想を。

2017年2月16日ソワレ
シアター・クリエ
センターの10列目ぐらい

出演者(敬称略させて頂きます)
大塚千弘、涼風真世、瀬奈じゅん、保坂知寿
岡田浩暉、今 拓哉、田代万里生、吉野圭吾、山口祐一郎
木内健人、福永悠二、松谷 嵐、横沢健司
天野朋子、島田 彩、堤 梨菜、橋本由希子


この時期仕事が立て込んで、行かれなくなることが多いので、
実は、行かない予定でした。
そうしたら、逆の立場の方がいらしたようで、行くことができました。
本当に、お誘い下さったお友達に、行かれなくなったお友達に感謝です。

全35曲。
あっという間でした!!!
セットリストも持っているのですが、これから行かれる方も多いと思うので、
内緒です。
あっと驚く、わっと泣き出してしまいそうな、セットリストでした。

何回(何十回のもあるけど)も観劇した作品の歌はすぐにどの作品か
わかるのですが、初めて聞いた歌もありました。
意外だったのは、多分一回しか観劇していないのに、すぐに作品が
わかった歌がいくつもあったこと。
セットリストを見ながら、その作品を思い出すと、すてきな作品だったことに
気が付きました。
是非、再演して頂きたいなぁと思いました。

「サンセット大通り」
「レベッカ」

は特に。

トランプ大統領のいろいろなことを見聞きするたびに、
「サンセット大通り」を思い出していたのですよね。
時代錯誤、思い込みの激しさ、などが、主人公のノーマに似ていませんか?

こういうコンサートの楽しみは、持ち歌ではない歌を歌って下さることです。
こんな面もあるのだなぁと。
至福の時でした。

2017年3月5日までシアタークリエにて上演中です。