わまのミュージカルな毎日

主にミュージカルの観劇記を綴っています。リスクマネージャーとしての提言も少しずつ書いています。

園岡新太郎さん

2007年12月30日 | 俳優情報
園岡新太郎さんは、08年4月12日~4月21日中日劇場(名古屋)に於いて「DRACULA-ドラキュラ伝説-」にご出演の予定です。

なお、日程ははっきりしませんが、宮城県民会館、広島厚生年金会館、福岡市民会館、新潟テルサ、梅田芸術劇場、新国立劇場などでの上演が予定されているようです。わかり次第またお知らせしていきたいと思っています。

(以下、敬称は略させていただきます)
脚本=高橋知伽江 演出=藤井大介 音楽=青木朝子

主なキャスト
松平健、鈴木綜馬、剱持たまき、大澄賢也、紫吹淳

詳細については、園岡新太郎さんのHPをご覧下さい。

小鈴まさ記さん

2007年12月27日 | 俳優情報
舞台の予定ではありませんが・・・

小鈴まさ記さんは、「辰巳屋」というソーシャルネットワーキングのポータルサイトにおいて、舞台に関する情報のナビゲーターをなさっています。

インタビューをなさったり、コラムを書いたり、ご活躍です。

アドレスは
http://www.tatsuco.jp/
です。
ご覧になってみて下さい。

メトロに乗って

2007年12月21日 | 観劇記
2007年12月21日ソワレ(初日)  1階後方やや上手

音楽座公演「メトロに乗って」の初日を観劇してしました。
初日の緊張感が、劇場全体に張り詰めていました。

原作が浅田次郎氏の「地下鉄(メトロ)に乗って」です。映画にもなり、浅田氏の作品の中でもとても人気のある一作と言えます。
私は、電車で読書人間、ですので、メトロに乗りながら作品を読んでいました。
永田町と赤坂見附を繋ぐ通路は、もう何十年も通っていません。あそこでの乗り換えは、地下鉄通にとって、禁じ手、みたいなものですからね。
登場する駅や地下道の場面を思い出しながら、舞台を観劇するのも楽しみの一つです。

あらすじはカットします。
ほぼ、原作に沿っていますので、知りたい方は原作を読んでみて下さい。
ただ、最後がちょっと違うのですよね。
こういう展開もいいですね。
「忘れること」・・・本当に大切なことです。でも、まだ私も若いのか、忘れたくないことも・・・

と、私のことはさておき、感想です。

初日ですので、どうしても段取りだけ、になってしまうことは仕方のないことだと思います。だから、本気のプレビューをやって欲しいのです。ですから、何作か音楽座の舞台も、そして、多くのキャストの方も観ていますので、別の作品でのことも勘案しながら、感想を書きます。

音楽座の舞台は、原作があると原作に忠実に舞台化します。それは、とても簡単そうですが、非常に難しいことだと思います。文字で「10年経った」「日本人とアメリカ人」「上野から新宿に」とかは簡単です。でも、舞台で表現することは、視覚に9割ぐらい頼り、台詞で不足を補うことになりますから、普通よりははっきりと表現しないと伝わらないし、はっきりさせすぎると原作と違うと言われかねません。そして、感情表現も文字なら相当読者が想像してくれますが、舞台となると演技で見せなければなりません。ただ、ミュージカルの場合歌で表現できますから、かなりいいとは思いますが・・・裏を返せば、やはり歌が大切ということになると思います。

この舞台の前に観た舞台が「ライト・イン・ザ・ピアッツァ」でした。とにかく素晴らしい音楽で、音楽の力の大きさを感じる舞台でした。ですから、多分、次に観る舞台が何であっても、「ちょっとつまらない音楽」という感想になるとは思うのですが、この作品も脚本の素晴らしさに比べると、音楽がとても単調だと感じました。ただ、単調ということは歌い手の力で膨らませる可能性もあるのかと感じています。

そして、音楽座の舞台でいつも気になるのが、生演奏でありながら、音がとても機械的であることです。シンセサイザーの多用も、音楽の広がりがあるので楽しいのですが、やはり、歌と掛け合う場面では、もう少しアコースティックな音が中心になって欲しいと思うのです。ダンスの場面は今のままのダイナミックさでいいと思います。

少々辛口の感想になってきてしまったのには、勿論理由があります。
作品としては気に入りましたが、かなり残念だと思うことがあるのです。
それは、アムールを演じている吉田朋弘さんのことです。
とても華のあるステキな俳優さんだと思っています。音楽座も看板俳優として育てていかれるのだと感じています。
私も応援したいと思います。そう思うからこそ、厳しいことも言いたくなってしまうのです。まだ、若いですし、がんばって欲しいのです。
「泣かないで」の吉岡努役を拝見したときは、本当に素晴らしいと思いました。ですから、「アイラブ坊っちゃん」では成長を楽しみにしました。が、歌詞が聞き取れないのです。
でも、そのときは「不調」の日に当たったのかと思いました。
しかし本当に残念ですが、今回も歌詞が聞き取れないことが多かったのです。
よく「いい意味でストレート・プレーのようなミュージカル」と言いますが、歌が出てくるときの唐突さがない構成であり、なおかつ、歌い手が台詞と同じような息遣いで歌うことが出来ている場合に、私はこういう表現をして、ミュージカルの舞台を評価します。
ですから、歌詞が聞き取れないということは、台詞が分からないことになり、当然、作品の方向性がわからなくなってしまうわけです。観客にとってこれほどストレスがかかることはありません。音程をはずすとか以前の問題だと思います。
アムールは歌も多く、それが重要な場面なのです。自分の苦手な音域に入っても、歌詞だけはきちんと伝えられるようにがんばって欲しいと思います。

吉田さんの場合、苦手な音域になると、言葉の音がふわっと抜けてしまうのです。そこへ、シンセサイザーの音がぶつかると、なんとか抜ける前の短い音を私の耳で拾おうとしても、かき消されてしまうのです。
是非、オケ(というほどの編成ではないのですが)に引いてもらいたいと思います。

道に迷いそうになりながら、原作を知っているので、思い出しながら、また進むべき道にもどってはいました。

そして、野平先生役の勝部演之さんに惚れこんでしまいました。本当に、いいですね。舞台がとても落ち着きます。

みち子役の秋本みな子さんもお時の井出安寿さんも、原作のイメージにとても近く、ステキなのですが、オケの音に私の耳が惑わされているのか、とても金属的な歌声だと感じました。やや、ここから「歌です」という感じがしてしまうのです。そこは残念でした。

照明も、時代の感じを出すために、とても暗いのです。勿論、それは時代にはあっていると思います。が、心情を描く舞台の場合、演技や表情を見たいので、もう少しスポットライトを効果的に使って欲しいと思いました。

私は、小沼真次を演じていらっしゃる広田勇二さんを楽しみに観劇していたのです。が、何箇所か、ここで表情がかわっているだろう、というときに、広田さんが明るい場所にいないことがありました。長く観劇していると、大体どの位置からなら、肉眼で表情がわかるかはわかっています。今回座ったあたりなら、肉眼でも結構大丈夫なはずでした。が、暗いと難しいのです。
まあ、厳しく言えば、それでも分かるぐらい広田さんにはがんばって欲しいのですが・・・
でも、本当に歌声はいいです。台詞と変わらない息遣いで歌って下さるので、いっしょに気持ちが高揚します。
が、ちょっと辛口で語るとすれば、みち子への思いが最初のうちはよくわからないんですよね。原作の真次は本当につかみどころのない人間です。それは、自分が嫌う人間にこそ、自分が重なり合っていることを認められず、すべてから逃げ回っている人間だからだと思います。
でも、舞台でこのままだとあまりにも印象が薄くなってしまうのではないでしょうか?

初日に拝見した広田さんは、本当に原作から抜け出してきたみたいで、素晴らしかったのですが、舞台という凝縮された時間の中では、もう一歩キャラクターをはっきりさせた方がいいのではないかと思います。つかみどころのない人間のキャラクターをはっきりさせるのは至難の業だと思いますが、広田さんならきっと掴んでいらっしゃると思うのです。
広田さんは心(しん)からの舞台人なので、観客の反応によってすごく役を膨らませることが出来る方なのです。ですから、これからの変化が楽しみでもあります。
でも、初日から飛ばして欲しいときもありします。かなりわがままなファンの希望です。

今回は、舞台は素晴らしいと思ったのですが、個々には辛口なことを書いてしまいました。
それは、音楽座の舞台を4作品拝見して、楽しみが増えた分、欲張りにもなってきたからだと思います。
これからも、素晴らしい作品を作り、楽しい舞台で私たちファンを魅了し続けて欲しいと思います。

こちらを立てれば

2007年12月17日 | 雑記
こちらを立てれば、あちらが立たず

ここ数日の悩みです。

乾燥してきて、ちょっと喉がイガイガしていました。私の風邪はこの喉の痛みから来るので、このときに治さないと大変なのです。

その上、今月は仕事も遊びも忙しいので、風邪などひいている場合ではないのです。

喉うがい
鼻うがい
マスク
のどあめ

で対処しています。昨日、大学時代の所属部の「50周年パーティ」で懐かしい人達に会ったので、しゃべりまくり、相当喉が疲れていましたが、今日は何とか治って、無事観劇に行けました。

が、喉は快調になりつつあるのですが、マスクのせいで、肌がカサカサに。
いつも以上に保湿していても、マスクのふちに水分を奪われているようです。
数年前もこういうトラブルがあったのですが、再発です!

喉が潤えば、肌がピンチ!
こちらもあちらも立てたい私なのですが・・・

今月もすごいけど

2007年12月15日 | 雑記
今月も私にとっては、まれにみる観劇回数を重ねていますが、今さんの情報が入って、来年の3、4月も相当忙しくなりそうです。
「トゥランドット」も楽しみですし、「レベッカ」も気になるし・・・
まあ、長い公演は観劇を後にずらします。

というわけで、12日は「チャングムの誓い」を観劇しました。
ミュージカル漬けの私にとっては、かなり新鮮な作品でした。
テレビでは、飛ばし飛ばしですが、見ていましたので、そういうふうに展開させるんだ!という驚きがたくさんでした。
園岡新太郎さんは、悪役の親玉役。とても、素晴らしいお声で、本当に悪い奴を演じきって下さいました。

最近、ちょこちょこ感想が多いのですが、そのうち、じっくり書いた分をアップできればと思っています。
記事が前後してもお許し下さい。

今拓哉さん

2007年12月14日 | 俳優情報
今拓哉さんは、2008年3月25日19時から東京文化会館小ホールに於いて、「モリー先生との火曜日」にご出演の予定です。

(以下、敬称は略させていただきます)

キャスト
モリー先生 光枝明彦
ミッチ 今拓哉
ジャニーン 井料瑠美

演奏
ピアノ・音楽 小原孝
バイオリン 真鍋裕


余計なことかもしれませんが、ちょっとコメントを。

07年1月にラジオ・ドラマを聞きました。ボロボロ泣いてしまいましたが、生きるって素晴らしいとさわやかな思いも!!!たくさんの方に観ていただきたい作品です。ラジオ・ドラマでも今さんがミッチを担当なさっていました。お声もステキですが、動く今さんはもっとステキだろうな・・・

そして、ピアノを引いてくださる小原さんは、私の大好きなピアニストです。

こんな共演が叶うなんて来年はすごくいい一年になりそうです。

続きでもないけど

2007年12月12日 | 雑記
一つ前の記事の続きと言う訳じゃないけれど・・・
例のブログでのエピソードのひとつに反応して書いてみます。

高校野球で甲子園に常時行くようなチームにいた人から聞いた話です。
その後、別のスポーツで身を立てるはずが、なかなか大変で、精神面を鍛えるためにいろいろ分析をしていた人から聞いたのです。
ご存知の方も多いと思いますが・・・

守備の時のことです。
ピンチになって、監督からの伝令や自主的にマウンドに集まったとき、何を言ってるかご存知ですか?

殆ど、9割方、「今、どうする」みたいなことは言わないそうです。
「試合、終わったら、あそこに遊びに行こう」とか
「また、あのこ、見に来てるよ」とか
「あそこに、食べに行こう」とか
真剣な顔をして話すのが大変な、くだらない内容だそうです。

高校生の時には、先輩がそうしていたから、そうする、ということが多いそうですけど、この内容がくだらなければ、くだらないほど、ピンチを脱出できるそうです。

リラックス、切り替えにもなります。
そして、仲間同士の信頼感が高まるのだと思います。
さっき私が言っていた「許す」という要素がここにあるのではないでしょうか。
ピンチの時には、ピッチャーの調子が悪いとか、誰かがエラーしたとか、割とはっきりした原因があるはずです。
でも、いつもと変わらない仲間の対応があると、一人ではないという安心感が出ます。ここで、「大丈夫だよ」みたいな発言だと、無意識のうちに心が軽くなるとはいきません。「大丈夫」という裏には、原因を認識している、ということが隠れているわけですから。さりげなさからくる「許す」心が、良い結果を生んでいくのだと思います。

ただし、時には本当にボケの発言というのもありますからね。
あのエピソードは、深い考えがあったと信じたいのですが、実は単なる大ボケなのかもしれません(笑)。

許す、ということ

2007年12月12日 | 雑記
今日は時間があったので、いろいろなブログを読んでいました。
ある俳優の方のブログ(どなたのブログなのかは、皆様の判断にお任せします。)で、たくさんコメントがついていたので、ふ~~~んと読みました。私もコメントしようかと思ったのですが、余計に混乱するかも知れないので、自分のブログがあるので、ここに書きます。

私も常に出来ているわけではありませんが、人間づきあいの中で「許す」ということに気を付けています。
「許す」ということは、甘やかすわけではなく、相手の立場を理解し、受け入れることです。仲間や上下関係のある人の場合、その人の能力も受け入れることです。こうすれば、相手も同じように私を「許し」、理解してくれるわけです。
結果ばかりに目が行って、相手が何を考え、求めているのかを無視すれば、結局自分の考えも伝わらないままです。

人一倍がんばっている。でも、結果が出ない。
体調まで崩した。

そういう人が、今は世の中に溢れています。
私も、そうならないとは言い切れませんし、危うい時もありました。
ただ、今、私が社会人として、何とかがんばっていられるのは、「許す」ことを学んだからだと思っています。


俳優さんのブログでしたので、「俳優と一般人は違うか」というようなことも出ていました。
そういう括りはおかしいと思います。私の経験からすると、私対5名ぐらいまでのと、私対多数は、同じことを伝える場合でも伝え方が違います。
相手が少人数なら、先程も言いましたように、相手の考え方や求めていることを察知して、対応できます。
しかし、大勢が相手ではそれは時間の無駄にもなりますから、こちらの考えをとにかく伝えてみます。

一般人というか多くの社会人は、普段の仕事で一度に多数を相手にするということはないと思います。ですから、結果を出したいなら、まず相手を知ることです。それが、「許す」ということだと思います。まさに、互いに心を許し、信頼感が出来れば、結果なんて後からついてくるわけです。その時間を惜しむと、がんばったはずが、惨憺たる結果となるわけです。

しかし、俳優さんは、舞台に立つ度、相手である観客の考えなど知らずに、仕事をするわけです。その上、観客の考えはまるでバラバラです。
一対一なら、「ちょっと風邪気味なので、小さい声でいいですか?」ぐらいは初対面でも言えますけど、観客はただ「聞こえない(怒)」
そういうふうに考えると、大多数の前で何かを表現する職業の人に、私は敬意を払わないではいられません。

あんなに、ボロクソ言いたい放題の観劇記を書くくせに、と言われそうですが・・・
劇場の片隅にいるときには、とにかく楽しんでいます。笑って、泣いて、怒って、感動して・・・それはそれは濃密な時間を過ごします。

生き方について悩んでいる方たちは、とても真面目な方たちばかりです。
まずは、今の自分を許してあげましょうよ。

時々、お客様から、大変な仕事なのに楽しそうですね、と言われます。
確かに、今日も2件も緊急の対応が必要な事項が起こりました。
まあ、慣れてしまうと、何もない日の方が怖かったりします、苦笑。
楽しい、というのは当たらないと思いますが、自分を許している、つまり自分の能力の限界を知って行動しているから、そう見えるのかもしれません。

おいおい、結局自分を甘やかしているんじゃない?
はい、その通りです。でも、人生楽しいよ!!!

有言不実行

2007年12月08日 | 雑記
こんな言葉はありませんが、今日この頃の私です(苦笑)。

「テイクフライト」の感想の続きも、世界初演の話も書かず、本業がらみの論文も書かず。
書けなくなると、本当に一行も書けなくなってしまいます。
今まで、風邪で声が出なくなるという物理的に不可能な場合を除けば、しゃべれなくなる、という経験はありません。まあ、意識してしゃべらないということはありますけれどね。
書けない、というのは本当によくあります。

それに、今日は、週末の疲れと、昨日久々に飲んだからか、頭がぐるぐるしています(笑)。
飲んだ時間も遅かったし、いつもより強めのお酒で・・・なんだか、何年ぶりかの二日酔い?????

とは言うものの、昨日観た「ライト・イン・ザ・ピアッツァ」はとても良い舞台でした。
完成度が高く、芸術を感じる舞台でした。
ミュージカルというより、ストレートプレーの舞台を観たという感じですね。でも、音楽は音楽で素晴らしいし、キャストの皆様の歌もすごく良かったです。
結婚を控えている人や、家族の関係で悩みのある人達にお勧めの舞台です。
光が見えてくる作品です。
そして、

いわゆる舞台好きの方たちへ、今年一番のお勧めの舞台!

だと、私は感じました。

ちゃんと書けていますね。かなりアルコールが薄まってきたみたいです。では、また。

オリンピックへの切符

2007年12月05日 | 雑記
子供たちがバレーボールにはまっているので、女子も男子も北京オリンピック予選を兼ねたワールド・カップの試合を随分テレビで見ました。がんばっているのだけれど、この大会では男女ともオリンピック行きの切符を手にすることは出来ませんでした。
来年5月頃の最終予選に望みをつないでいます。

そして、野球。こちらはすんなりと切符を手にしました。
昨日の対台湾戦を途中から見ていました。結果だけ聞けば、すんなりと勝ったように思えますが、実はいろいろなことがありました。
でも、いろいろなことを、良い方向に変える力が今の全日本チームにはあります。というか、日本のプロ野球選手全体にそういう力があるような気がします。
技術以上に、精神的な強さが磨かれていると感じています。
絶対勝つ、という強い思いが、テレビの画面から伝わってきた試合でした。

などなど、スポーツ観戦に時間をとられ、本業の派生的にやっている講義のための準備や論文の締め切りが知らないうちに間近に迫って来ていました。こんなことを書いている場合ではない、テレビを見ている場合ではないのですが・・・行き詰っています。
行き詰って、行き詰って、でも、何とかしなくては!

今拓哉さん

2007年12月03日 | 俳優情報
今拓哉さんは、
東京公演 新国立劇場中劇場 2008年 4月 4日~22日
名古屋公演 名鉄ホール 2008年 4月 26日~27日
神戸公演 新神戸オリエンタルホール 2008年 5月 2日~ 8日
「SE・M・PO」にご出演の予定です。

(以下、敬称は略させていただきます)
ライズ・プロデュース制作
作曲 中島みゆき


主なキャスト
愛華みれ、彩輝なお、井料瑠美、森奈みはる、泉見洋平、辛島小恵、田村雄一、徳垣友子、池田祐見子、宇都宮直高、川本昭彦、水澤心吾、沢木 順

詳細は、ライズ・プロデュースのHPへ。


テイクフライト

2007年12月02日 | 観劇記
テイクフライト
2007年12月2日マチネ   東京国際フォーラム・Cホール  
1階実質4列目センター

宮本亜門氏演出、ジョン・ワイドマン氏脚本、出演者に治田敦さん、今拓哉さん、岡田誠さん、と「太平洋序曲」関係者が多くいらっしゃるにもかかわらず、プレビューにも初日にも観劇せず、やっと今日出かけてみました。
事前の宣伝文句に「太平洋序曲」の文字を多く見ますので、この作品をこよなく愛する私にとってはこの「テイクフライト」も素晴らしい作品となることを期待しています。しかし、約一年前、やはり世界初演の作品の初日に観劇し、本当に、本当に、本当にいろいろなことがあったので、今回は敢えて開幕して少し経ってからの観劇を予定しました。
この計画が良かったのか、作品自体が良かったのか、はたまた私が寛大になったのか?!?!?
後日、「世界初演」についてはじっくり語りたいと思っていますので、今日は少し触れる程度で、作品への感想を書きたいと思います。

この作品は過去の事実がベースになっていますので、結末を書いても大丈夫だと思いますが、知りたくない方は読まないで下さい。
と言っても、思い切り「あらすじ」(荒い筋)です。
ライト兄弟は有人飛行の夢を追い、砂漠で試行錯誤を重ねる。一度は諦め家に戻るが、また、挑戦を始める。
リンドバーグは人類初の大西洋横断飛行に挑戦している。その最中に、リンドバーグの飛行機との出会いや挑戦にいたるまでの苦労が語られていく。そして、最後はパリに降り立ち、人々の歓声に迎えられる。
アメリアは女性初の大西洋横断飛行をしたとして大いに人気を博すが、同乗していただけということに疑問を感じ、自ら操縦桿を握り大西洋を飛行することを、パットナムと結婚することと引き換えに実行する。そして、彼女は飛行士として自立するが、最後の飛行にすると夫と約束した世界一周飛行の途中で消息を断つ。

この3つの話が平行して進みます。

ラストは、ライト兄弟のグライダーがテイクフライトする、というところで終わります。


私は、リンドバーグの大西洋横断が描かれた「翼よ、あれがパリの灯だ」という映画を見ています。ライト兄弟の簡単な伝記も読んでいます。アメリアのことは今回初めて知りました。
が、もし、どの登場人物も知らなかったら・・・何が何だかわからないお話だと思います。
このモザイク模様のようなお話の進み方は、「太平洋序曲」によく似ています。ですので、私はとても好きです。が、やはり「太平洋序曲」も歴史を知っているから、あちこちに話が飛んでも話が理解できていたのだと思います。そして、ナレーターという交通整理をしてくれる役がとてもしっかりしていたのが、今回とはかなり違う点ではないかと思います。

ワイドマン氏の脚本から受ける印象は、やはり彼は「アメリカ人」だという点でしょうか。アメリカ人なら誰でも知っているということが前提になっているのです。ですから、日本で上演するなら、もう少し丁寧に最初に登場人物の偉業を説明しないと、作品で言いたいことが分からないような気がします。アメリカは飛行機が移動の中心ですし、宇宙飛行にしても日本に比べればとても身近なはずです。アメリカ人は私たち日本人に比べて登場人物をいつも身近に感じているのではないかと思います。

音楽については・・・う~~~ん、私の好みではないですね。ミュージカルにしては管楽器が強過ぎます。不協和音が続き過ぎだと思います。やはり、不協和音は「ここぞ」という場面で使って欲しいのです。
作曲と言わず「音楽」と言いましたが、音楽には、旋律、編曲、歌も入ると歌詞、そして歌い手も含め演奏と幅広くなります。どれかが改善されるとぐっと良くなったりもしますので、敢えて作曲とは言いませんでした。というのも、音楽監督と指揮をしていらっしゃるアベル氏の音作りが私はちょっと苦手なのです。以前、同じホールで「キャンディード」を観劇しました。初演のときはフル・オーケストラで佐渡裕さんの指揮でした。再演時は今回のアベル氏でした。再演では、オケの編成が変わったのかもしれないので、比較するのはよくないかもしれませんが、軽やかな反面、ちょっと金属的な音色過ぎるのでは?と思ったものです。
飛行機という非常に金属的な話題に、金属的な音。合致しているのかもしれませんが、描かれるのは人間の心なのです。もう少し、温かみのある音が響くといいのになぁ、という場面がありました。
温かみのある音に、もう少し歌い手が音楽に馴染めば、今不協和音の連続という場面も、落ち着きが出てくるかもしれません。

作品全体として、一幕がつまらないです。この倦怠感がいつまで続くのかという感じです。
その上、私の観ていた回では最初のころ池田成志さんのマイクが入ったり、入らなかったり・・・私は前の方ですから聞こえますが、もう少し後ろは・・・お話に入り込めない観客が相当いたと思います。
リンドバーグが操縦を習う場面なんかで、もっと飛行機を飛ばせたりしたら、メリハリがつくのにと思いました。
その場面ばかりでなく、飛行機の話なのに、そして、操縦の場面もあるのに、飛行機が飛んでいるという印象がとても薄いのです。

二幕は話が煮詰まることもあり、テンポがよくなります。
が、とても残念な場面があります。これも「太平洋序曲」の外国司令官が続々日本にやってきて条約を結ぶ場面と似ているので比べてしまうのですが・・・。リンドバーグの前に、大西洋横断飛行に挑戦して失敗する人達の話が、ショーのように繰り広げられるのです。出演者総出で、「死」を笑い飛ばしてしまうというブラック・ジョークの極め付けみたいな場面なのです。絶対、楽しくて、一番盛り上がる場面にしなければならないはずなのですが・・・。台詞も歌詞も聞き取れません。オケがもっと引くか、歌詞を詰め込ませ過ぎないか、視覚的な工夫をするか。観ながら、「勿体ない!!!」と絶叫してしまいました(心の中でですよ、笑)。

公演回数が進むうちに、自然と改善される点も多いと思います。
しかし、この作品は何を伝えたかったのだろうか?と振り返ったとき、何も残っていないのです。
アメリアが女性として自立し、結婚しても自分を見失わなかった点でしょうか?でも、現実として、そういう女性が殆どになった今、あまり重視される点ではありません。母親が夫から暴力を受けている場面がシルエットのように出ますが、アメリアの結婚観の裏づけには印象が薄過ぎます。
報道に翻弄される時の人についてかと思うと、リンドバーグの大西洋横断成功後の苦悩が描かれていないので、そうでもないらしいです。それに、アメリアがリンドバーグに「ずっと飛び続けて」と忠告する場面が、あまりにも不自然です。私は、アメリアがリンドバーグに感謝を伝えるために登場したのかと思いました。あの場面は、この作品の中で一番不自然な場面だと思いました。
ラストがライト兄弟のフライトですから、彼らの偉業を見直そうというのかとも思うのですが・・・何かピンときません。
「大空を飛ぶ夢」という問いかけから始まるのですから、劇場を出るときに、登場人物の誰かに共感して「自分も夢のためにがんばろう」となるといいなぁと思います。

俳優の皆様のご活躍については、また、後日。

今の日本の演劇のシステムでは、プレビューが機能しないとか、ロングランが出来ないとか、「世界初演」の作品を育てていくことが出来ない環境にあることは私もよくわかっています。
ですので、先程も書いたように、また、細かいことは今後じっくり書きたいと思っています。それでも、やはり厳しいことを言えば、このチケット代、これまでの宣伝には疑問を持ちます。
その一方で、キャストの皆様は、舞台で本当に素晴らしい動きをして下さいました。その姿を拝見しに、劇場へ足を運んで、本当に良かったと思っています。