最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
※このブログの内容・写真の無断転載を禁止します

ツヤドロムシ類

2011-03-08 12:05:20 | ヒメドロムシ
ナガアシドロムシ属とともに、同定が大変なツヤドロムシ属。
今回はわからないながらも、少し書いていこうと思います。

国内で記録されているツヤドロムシの仲間は、
ナガツヤドロムシ[Zaitzevia elongata]
アリタツヤドロムシ[Zaitzevia aritai]
ヤエヤマツヤドロムシ[Zaitzevia yaeyamana]
アワツヤドロムシ[Zaitzevia awana]
ツヤドロムシ[Zaitzevia nitida]
ミゾツヤドロムシ[Zaitzevia revalis]
ツシマツヤドロムシ[Zaitzevia tsushimana]
アカツヤドロムシ[Zaitzevia rufa]
の8種類が記録されている。
ナガツヤ・アリタツヤ・ヤエヤマツヤは南西諸島に、ツシマツヤは対馬に分布。

本州には残りの4種が分布しているが、アカツヤドロムシは赤い体色と鞘翅先端の形状で区別は容易。
出典はわからないが、山形県内でもアカツヤドロムシは記録されているらしいので、採集は今後の課題。

問題になってくるのは残りの3種類。
ツヤ・ミゾツヤ・アワツヤは同定が難しいためか、正確な同定をせずに、ツヤドロムシ属の一種として記録されていることも多い。
アワツヤについては、緒方・中島(2006)ではキベリナガアシ同様に中部以北の確実な記録がないとしている。

では問題の3種類(と思われる)の写真を。

左からミゾツヤ・アワツヤ?・ツヤと思われるもの。全て山形県最上群産。



ミゾツヤドロムシ Zaitzevia revalis

上翅会合部に光沢が無いのが特徴。3種の中では最も上流部に分布している。
山間を流れる渓流のような所では本種しか採集していない。


ツヤドロムシ Zaitzevia nitida

体が細長いのが特徴。前種よりもやや下流に分布。
ミゾツヤと混生しているところがある。


アワツヤドロムシ? Zaitzevia awana?

ミゾツヤに似ているが、体が少し細く上翅会合部には光沢がある。アワツヤで合っているとは思うが、念のため?をつけてます。
中流から下流に分布。本種のみライトでしか採集していないので、正確な生息環境は不明。


ミゾツヤとアワツヤは裏側から翅端を見るのが正確な同定には必要だと言われているらしいが、私はあまりわからなかった
このあたりは実体顕微鏡を入手して見てみようと思う。前胸背の形状も違うので同種ということは無いと思うのだが…。

いつかは詳しい人に色々聞いて、正確な同定をしてもらいたい