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「(梅花の歌9-16/32首)」
「梅の花散らくはいづくしかすがにこの城キの山に雪は降りつつ
(#5.0823 大監大伴氏百代)」
「1.梅の花散るはいずこかさておいてこの城の山に雪は降り継ぐ()」
「城の山は天智四年に築きたる大野の山の頂きにある()」
「梅の花散らまく惜しみ我が園の竹の林に鴬鳴くも
(#5.0824 少監スナキマツリゴトヒト阿氏奥島)」
「2.梅の花散るのを惜しみわが庭の竹の林にウグイスがなく()」
「梅の花咲きたる園の青柳を縵にしつつ遊び暮らさな(#5.0825 少監土氏百村)」
「3.梅の花咲いてる庭の青柳を縵にしては遊び暮らそう()」
「打ち靡く春の柳と我が屋戸の梅の花とをいかにか分かむ
(#5.0826 大典オホキフミヒト史氏大原)」
「4.打ち靡く春の柳とわが家の梅の花とをどう評価する()」
「春されば木末コヌレ隠ガクりて鴬ぞ鳴きて去ぬなる梅が下枝シヅエに
(#5.0827 少典スナキフミヒト山氏若麻呂)」
「5.春になり梅の梢で鴬が鳴くが移れる下枝の方()」
「人ごとに折り挿頭しつつ遊べどもいやめづらしき梅の花かも
(#5.0828 大判事オホキコトワルツカサ舟氏麻呂)」
「6.それぞれに梅を挿頭遊べどもいや愛すべき梅の花かも()」
「梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべく成りにてあらずや
(#5.0829 薬師クスリシ張氏福子サキコ)」
「7.梅の花咲いて散らなば桜花続いて咲けるようになりおり()」
「万代に年は来経キフとも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし
(#5.0830 筑前介佐氏子首コビト)」
「8.万代に年は往来したるけど梅は絶えずにずっと咲きおれ()」