暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

ちょっとびっくりした一枚の古い絵

2010年11月04日 03時10分41秒 | 見る

このあいだロッテルダムのボイマンス美術館に新しく本物と鑑定されたレンブラントを見に行き、そのときいろいろなものを観たけれど、他にも、あれ、これはこの時代にしてはモダンだな、と思ったものがあった。 それがこれだ。 そこにはこのように書かれていた。


Barthelemy d'Eyck  (Active Aix-en-Provence 1444-1470)

Maria Magdalena  (1442-1445)

この人のことは何もしらず、名前だけを見てフランドル、ベルギーのヴァン アイクなのだろうと思いネットで見るとなんとバーテルミー・デックと出ていて、カタカナだけみたら何のことかわからなかったに違いないと思った。 デックとはだれなんだ。 ヤン・ファン・エイクのものはベルギーの教会でもロンドンのギャラリーでも見ているがその時代のように見えたのだけれど本作は違った。

中世のこの時代、宗教画ではその構図、人物の描き方にある程度のパターンというかスタイルがあっていくつも見ていると類型がわかる。 この時代の絵画の好きな人はそんな楽しみ方をしてあれはこういう風、これはああいう風、というぐあいにそれぞれ型に納めて整理するのだろうし、近代の個人の確立、個人の表現と社会、教会の力関係もそこに現れているようでもある。 その中で、そんな絵画がいくつもかけられているそんなセクションをずうっと眺めていて目に留まったものがこれだった。 この時代にしてはモダンだ、ここに置かれるているのは何かのジョークかとおもった理由は配色と髪の処理、青と赤の使い方、空のデザイン、といったことからだろうか。 ボーっとみていれば19世紀のマチスやそのあたりの作家の色使いとも見えなくもないし、妙に遠近法や草原などの細部に近代の軽味があったりして、15世紀が19世紀、20世紀の初頭のように見えたのだ。 さすがに強調されている衣服の皺はその時代のもののように見えることと顔から手の表情がなぜだか20世紀前後の芝居がかったようにも見えるからその全体的なバランスにその時代にこんなものがあったのか、という驚きにうたれたのだ。 絵画の初めの意図はどうか知らないがこのセクションにかけられた一枚の絵として深く印象付けられた。



ウィキぺディア; バーテルミー・デックの項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF