暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

Jazz Orchestra of Concertgebouw at BIM Huis

2005年11月08日 09時44分02秒 | ジャズ
Jazz Orchestra of Concertgebouw / With Deborah Brown at BIM Huis 06-11-05

長ったらしい名前だがオランダで最高のビッグバンドの名前である。 世界に冠たるクラシックのコンセルトへボーのジャズオーケストラとしてそれぞれのセクションの最高プレーヤーを集めた18人ほどのオーケストラで今は指揮、編曲をHenk Meutgeertが担当している。

こちらは他のヨーロッパのオーケストラと同様に国や企業からの援助金がなければ維持できない状態であり、現在オランダ政府の文化政策、とりわけ放送、芸術部門での再編の名の下の援助打ち切り、一般に受け入れられる芸術をという文化担当次官の掛け声のもと、これに対して質の低下を招くという危機感が大きく広がっていて、国会でも放送における文化番組、統廃合の議論がかまびすしく繰り広げられる中、この日のコンサートは指揮者Henk Meutgeertのオープニングでのスピーチはこういった状況説明ということで始まった。

まさに今の法案が通過すればオランダ国内のジャズをあつかうテレビ・ラジオの番組が消滅することになり、会場の聴衆にとっても打撃は大きいことから、そういう風潮に棹差す意味で昨年度から行われた、ジャズのコンサートをより広くアピールするキャンペーンの一環のプログラムの一つがこの夜のこのコンサートでもある。

オランダを代表するジャズメンのコンサートを2倍楽しめるようにと一晩で二つのグループをワンステージづつ担当して、バックは同じメンバーがサポートするという趣向である。 10ほどのグループが1年間で10ステージほどをこなすというプログラムである。 シーズンは9月に始まりバカンス前までだから大体5月の終わりまでに全部で120のプログラムを消化する予定になっている。

さて、この夜はこのビッグバンドが第一部・ヨーロッパソングブックと題して、ヨーロッパの作曲家の作品をこのリーダーが編曲してビッグバンドの演奏、第二部が歌手デボラ・ブラウンを招いてアメリカンソングブックと題して良く知られたスタンダードを歌わせ、彼女とこのビッグバンドとの競演を見せるという贅沢な仕組みになっている。

すでにこのオーケストラのCDは4枚出ており、今回はそのどのCDにも入っていない新しいものを披露する宵でもあった。 過去のCDには精力的にオランダの作曲家のものを取り上げ世界に知られた曲を編曲したものと組み合わせてそれぞれにスター・プレーヤーが中でソロを取るというものでもあり魅力十分、この日はそれぞれのファンが集合して317席が一杯で立ち見まででる大盛況だった。

第一部ではこのバンドのリード・テナー奏者ヤン・メニューの作品、フリージャズの重鎮ミシャ・メンゲルベルグ、指揮者の作品と、オランダ製の、あとはそれぞれブルガリア、スウェーデン、ベルギー人の作品を合計6つ、それぞれの曲のなかで少なくとも3人の違った楽器がソロを取るという構成である。

それぞれの曲はよく考え抜かれた編曲で普通のものは一つもなく、どれもハーモニー、リズムと一筋縄ではいかない仕組みになっていて最高の音楽教育を受け、第一線で活躍する団員であるから一糸乱れぬ歯切れの良い音が奏でられ、また、そのような団員の能力を知悉するゆえ最大限に音を引き出そうと書かれた長いスコアをもとに指揮者はやさしく叱咤激励しながら進むプログラムでダイナミックな音がホールに響くのである。

第二部はがらっと趣向が変わってカーン、ロジャーズ、ベルリンなどの良く知られたアメリカン・ソングブックである。 しかし、この編曲にしても基本的にはアメリカのビッグバンドのカラーを出して歌手を盛り上げる趣向であるもののスコアはよく練られており多用する歌手のスキャットとの各楽器のユニゾンや後ろでの伴奏のサウンドの統一感は普通のピアノトリオをバックに歌うヴォーカルだけでは経験できない豊かさと贅沢さである。 歌手は甘いベルベットの歌声を丹精に調整された喉でじっくり歌の世界に導き、楽器に挑戦すべきスキャット部分では一転して熱演を見せる。 この日の複雑に構成されている各曲にあわせるべく自分の能力85%のヴォリュームで疾走する、華麗さに重点を置いた歌唱である。

最後の2曲は、第一ステージのトゥーツ・シールマン作曲のHard To Say Goodbyを歌手の希望で急遽第二ステージが始まる前に指揮者が筆を入れ練習なしで演奏した。だから、その分実験的なアドリブがあったりするので失敗があったらご容赦のほどをと、事前に指揮者から断りがあったもののそのようなことはピアノとギターのソロに入る部分がどちらが先か不確かなことがあったくらいで、ギターのイエッセ・ヴァン ルーラーがたちあがり猛烈なスピードで1小節ほどを弾いた後、また急に席につき、それをうけてピアノのピーター・べーツがこれまた驚くべき速さのピアノソロを展開するという場面があり、それでも気づかないほどの一瞬のことでありオーケストラの盤石の安定感は揺らぐ事がなかったからこの日の演奏でソロの奏者としては一番出番の多かったJvRの驚くべき短いソロだと思う聴衆もいたに違いない。それに楽器だけの第一ステージと歌唱と小アクシデントを含む第二ステージの同じ曲を別のアレンジで聴けるという僥倖をものにしたのは臨機応変にダイナミックに変化に対応できる指揮者と各奏者のおかげである。

演奏会の後帰りの終電車の時間を気にしながらそそくさとJvR立ち話をした中で、この日のギター、Elferinkの鳴りについて質した。 デオ・ダート作のLittle Tearsという佳曲の中ででヴォーカルのバックをギター1本だけで行うというこたえられない場面があった。 けれど、どういうわけか今日の響きに甘さが欠けて固さが前面に出る。 こういう場面でこそ名器Levinが力を発揮するのだが、それにしても今までにこの自分の名前を冠した新楽器を馴らし、ある程度の調整も済んでいてそれをこの何ヶ月かで体験しているはずだったのだが、今日は手違いで他人のアンプで演奏するはめになり、それで満足のいく音が得られなかったとのこと、これでいくつもあった今日のソロパートではいつもはゆったりとしたところでも緊張が漂ていたのだと理解した。だからあるソロではコードを殆どアンプなしで弾く場面もあったのだがこの音の響きが印象深く残っている。

12月4日にもここでこのオーケストラのJvRとアルトのJorg Kaaijを中心にしたプログラムが予定されているのでそのときにはいつもの豊かで華麗な音が聞かれるのを期待して小雨の降る港に面した道をこの日たまたま会場で出会った二人の日本人旅行者と中央駅に急いだのだった。

Mon. 07-11-05 オランダ風ミンチボール

2005年11月08日 04時02分17秒 | 喰う
オランダ風ミンチボール


朝、昼   ピザパン、 トルコ胡麻リングパン
      目玉焼き
      ミルクティー 500cc


午後    ミルクティー 250cc


夕     オランダ風ミンチボール(70g x 2個)
      赤カブの煮物 ヨーグルト、クレムフレシュ和え
      茹でとうもろこし
      ルコレとレタスのサラダ
      蒸ジャガイモ
      炭酸水 450cc

      自家製プリン、 各種ベリーのソース

      コーヒー 250cc
      バースデーケーキ 小1片

夜     フルーツジュース
      クッキー 

      炭酸水  250cc