
砂子屋書房のHPのなかのコラム、「日々のクオリア」で内山晶太さんが私の歌を鑑賞してくださっている。
・叱られて泣き出すまでの静けさの同心円のなかのひぐらし
https://sunagoya.com/tanka/?p=35100
歌は外へ出した瞬間から読み手に委ねられているというけれど、言語化しにくく見えないものをこんなふうに感じて、その自分のなかに湧き上がってきたものをつきとめていく道筋に驚きながら読んだ。
内山さん、すごいな。
子供はいつもこらえている、と思う。
叱られたとき、いじわるを言われたとき、悲しい思いをしたとき、「だって」と言い返したい気持ちが湧いてくるけれどこらえる。自分の言いたいことがうまく言えなくてもどかしくて、一瞬の間のあと「わああああん!」と泣き出すのだ。
大人は「わあああん!」となかなか泣かない。言葉で伝えることができるから。
一昨年亡くなった父が入院していた病院を抜け出して勝手に家に帰って来た時に「なんで帰って来たん??」と詰問したら、父は「寂しかったから」と言った。あのときは呆れて父を叱ったのだけれど、寂しかったんだなぁと今は思う。
私も大人になってしまったから、これから先「わあああん!」と泣くことはもうないのだろう。
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