・油繪など豊かに掛かる子供部屋夢に見つ我が子らの部屋にはあらず 高安国世『真実』
子供部屋に油絵を、と思ったことはないけれど、絵を掛けるのは好きで、学生のころから自分の部屋には小さな絵を飾っていました。
このあいだ、ようやく届いた高安醇さんの「広場」。玄関に掛けて毎日眺めています。
うちの玄関はどこへいくにも通る場所。洗面所へいくにも、トイレへいくにも、キッチンやリビングにいくにも必ず通ります。もちろん二階へあがるときも。だから、一日に何度もそこに「ある」ことを確かめて、心がぴょん、となるのです。
子供のころ、団地の4階に住んでいて、毎朝学校へ行くのに階段をおりてゆくのですが、踊場の青いクレヨンのらくがきに「いってきます」と唱えるのが日課でした。(童話『白』にこの話がでてきますが、実話です)なんでそのらくがきに唱えていたのか不明ですが、子供のころっていろんなものがよりどころになるのかもしれません。
いまは、玄関の「広場」の絵にむかって、「いってきます」とか「きょうもいい一日でありますように」と唱えています。
そうすると、ちいさなことでも、いいことのように思えてきて。
あしたもいい一日でありますように。