きょうは休み明けで仕事がたまっていると思って出勤したら、みんなお盆休みだったせいか、午前中には片付きました。
お昼休み直前に向かいの席のIさんが
「ふじたさん、きょうはお昼持ってきはったんですか」と訊くので、
「うん、ご飯が余っていたからお弁当つくってきた」
「そうですか、じゃあいいです」
なんか悩み事でもあるのかな、と思ったけれど、そのままお弁当を食べました。
3時ごろ。またIさんが私のところにやってきて、
「ふじたさん、ちょっといっしょにトイレ行ってもらえませんか」
「トイレ? 男子の?」
「はい、お願いします」
Iさんについて男子トイレ前へ行きました。 やな予感。
「はやく言おうと思ってたんですけど」
「うん」
「僕、今月いっぱいでこの会社辞めることになったんです」
「え・・・・ なんで?」
「つぎのところが決まりまして・・・」
「正社員なの?」
「はぁ、まあ」
「よかったね。 いまの臨時職員のままじゃ不安定やもんね。ご両親も喜んではるでしょう」
「はぁ、まぁ」
というわけで、退職の告知をされたのでした。 Iさんは私の半年あとに入ってきたひとで、チームは別だけれど同じ課で、私のチームの仕事を手伝ってもらったこともありました。
なんだか寂しいけれど、彼の将来を考えるとそのほうがいいに決まっているし、もう決めたことだし、有志を募ってお別れ会をすることにしました。
そのあと仕事をしながら、「部長にはもう言った?」「課長は?」「主任は?」とつい気になってきいてしまいました。
「実は主任はまだ知らないんです。いま夏休み中だから。きょうあたり電話してみるつもりです」
「電話で言うより、つぎ出勤されたときに言ったほうがいいよ」
「そうですかね」
「そりゃあそうでしょ。 お別れを告げるときは電話って寂しすぎるじゃないの。 ちゃんと会って言うべきよ」
「いや、恋人じゃないし・・・」
「いやいや、恋人じゃなくても、よ」
Iさんならどこへ行ってもうまくやれると思います。 あしたはIさんがお休みだから、女性部(なぜかIさんは男性なのに女性部長なのです)のみなさんにお別れ会の相談をしようと思っているところです。