ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

アラスカの星

2008-02-16 | art/exhibit/museum

 

poppyさんブログで、市川市にある芳澤ガーデンギャラリーに於いて
「星野道夫展」が開催中であることを知った。
ギャラリーがこじんまりしているので大丈夫かな、と思い
母と一緒に先日の連休最後の日に行ってきた。
星野さんの展覧会は何回めになるのだろう?彼はもういないけど、
彼に会いに行く、そんなつもりで、写真を通して見えてくる「彼」に会いに行った。
年を取ると集中力がなくなり、デパート規模の展覧会でも疲れる、という母だが、
今回は、写真のわきに添えられた星野さんのことばを一つ一つ読み、
頷き、感嘆し、スライドショーまで見終えたので、誘って本当によかった。
星野さんは写真家、と同時に文章家だ。文章を読み、写真を見ると
もはや星野ワールドの虜となっている自分がいる。
文章が生身の彼の口からでた率直な言葉だと感じてしまうし、
実際その通りだろうな、と思わずにいられない。



ギャラリーのほか、ガーデン内には大きなパネルが幾つか展示されていた。
市川で生まれ育った彼の作品が故郷の空の下で、アラスカやカムチャッカまで
繋がっている無限の空の下で展示されている、とは、
なんとも小憎い構成ではないか。太陽の元でまぶしくて見づらいのだって、
曇り空の下でボンヤリしているのだって、どれも自然だもの。
彼は「北国の秋」というエッセイでこんな風に綴っている。

 秋は、こんなに美しいのに、なぜか人の気持ちを焦らせます。
短い極北の夏があっという間に過ぎ去ってしまったからでしょうか。
それとも、長く暗い冬がもうすぐそこまで来ているからでしょうか。
初雪さえ降ってしまえば覚悟はでき、もう気持ちは落ち着くというのに・・・
そしてぼくは、そんな秋の気配が好きです。

無窮の彼方へ流れゆく時を、めぐる季節で確かに感じることができる。
自然とは、何と粋なはからいをするのだろうと思います。
一年に一度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。
その回数をかぞえるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれません。



星野さんは一生が、人が思っているよりずっと短いもんだ、ということを
よく知っている。私くらいの年齢になり、やっと感じることを、
彼は若い頃体験した親友の死を通してすでに知っていた。

 スライドショーの間、バックで流れていた、アルビオーニの
弦楽とオルガンのためのアダージョ ト短調」と言う曲が、
彼の写真の場となったアラスカの地と重なり、
私の心に静かに、そして切なく流れ続けた。
(上の曲ですが、素敵なクラシックライブラリーを見つけました。
DISPをクリックしてからプレイをクリックで試聴できます。)

このギャラリーでは1月の最後の土曜日に、星野さんがアラスカで
聴いていたジャズの名曲コンサートがあったそうだ。行きたかった~!



余韻たっぷりに帰宅し、即、今度は夫と、前日行きそびれた映画を見に
新宿まで行った。息子はそのころは中国へ旅行中だったし、娘は友人宅。
夕食の支度の心配がなく、心置きなく映画が見れる日だった。
私は「ジプシーキャラバン」を見たかったけど、今回は
夫の見たい映画、「レンブラントの夜警」にした。それがぁ・・・
全然面白くなかった。面白いほど、面白くなかった。

そんなこんなで、近場だけで私の三連休は終わった。