“ヴィタミーナ”な生活

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夏への扉

2009年06月19日 | 
ロバート・ハインラインが1957年に発表したSF小説です。

舞台は1970年。
主人公ダンは優秀な技術者。
家事用ロボットを発明して会社を興し成功しますが、共同経営者マイルズと婚約者ベルの陰謀ですべてを失い、30年の冷凍睡眠につくことにします。
2000年に目覚めたダンは、その時代が自分の知っている30年前の時代の流れと微妙に違っていることに気付きます。
軍事機密であるタイムマシンの存在を知ったダンは、開発者をだましてそのタイムマシンで30年前に戻ってくるのですが・・・

古い小説なので訳語も古めかしく(家事用ロボットは「文化女中器」と訳されていたりします)、全体的にノスタルジックでのんびりした雰囲気の小説です。
また、1957年から見た1970年、2000年は実際よりも機械や医療がかなり進歩した未来に描かれていて、子供の頃にわくわくしながら見た海外のSFドラマ(サンダーバードとか、スペース1999とか、謎の円盤UFOとか)を思い出します。

ダンは猫(ピート)を飼っていて、そのピートは扉を開けてもらって雪が降っていると別の扉を開けろ、とダンに命じる猫です。
雪が嫌いなピートにしてみれば「こっちの扉のむこうはきっと(雪が降っていない)夏だニャ」ということ。
これがこの小説のタイトルの由来です。
どちらかというと内向的でちょっと機械オタクで女性にコロッとだまされてしまうようなタイプのダンですが、ピートと同じように違う扉を開けて人生を切り開いていきます。

前向きでほのぼのとして、ちょっとハラハラするオススメの小説です。
文化女中器というネーミングだけは何とかならないか、と思いますが・・・

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