観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「北方領土」を考察する予定(未定)。

山林投資と林業、及び熊

2023-11-03 19:34:29 | 農林水産
お荷物が「宝の山」に? 山の取引価格、31年ぶり上昇(日経 2023年8月23日)

>国内の山林取引価格が31年ぶりに上がった。世界的な木材資源の供給懸念や、環境意識の向上による注目の高まりが背景にある。
>主因は21年に発生した世界的な木材不足「ウッドショック」だ。
>国産材へのシフトが進み、02年に19%だった木材自給率は、21年には41%まで上がっている。

コンクリートに使う砂が有限で日本では採取できず、輸入しています。中長期視点で木造建築を見直すことが必要かもしれません。耐震性や耐火性も現在はそんなに悪くないようです。日本は木材の輸入を主に先進国に頼っているようですが、特に消失の激しい熱帯雨林の収奪林業(天然林も再生するなら、伐採不可ではありませんが、急激な熱帯雨林の減少の事実は現在の伐採が持続可能か疑問を抱かせます)は問題であって、国産材による合板の需要等、増える可能性も考えられます。いずれにせよ、アメリカの住宅ブームは、日本等でも住宅ブームが起こる可能性、日本の林業のチャンスを想起させました。

>アウトドア人気を受け、レジャー用の購入も話題だ。

何にせよ、実需に基づく土地取引が活発になるのであれば、歓迎できます。

>外国人の購入などに懸念の声もあがるが、比賀社長は「中国人は合理的に、投資商品として割安とみて買っている」とみる。

日本で中国人が林業するとは聞きませんが、実需に基づく投資なら、何人でもまぁいいんじゃないかと思います。また、転売目的の投機ですが、日本の山林も広いですから、(東京のタワマンなんかと違って)実需の妨げにならないようにも思われ、固定資産税を払ってくれる(なら)お客さんと言えるかもしれません。

>東京農業大学の関岡東生教授は、人工林のうち「大まかに7〜8割は放置林ではないか」と話す。安値の海外材の流入、大規模化の遅れ、高級木材頼みの経営など、要因は様々で「どこから手をつけていいか分からないほど複雑で深刻だ」と話す。

まぁ林業は息の長い産業なので、出来ることは限られていると思います。今、成長している木をどう利用するかが中心の課題になると思うのですが、利用できないなら損切する必要もあると思います。今から木を植えて将来ペイするか考えると、勿論難しい問題になると思いますが、一つの考え方として、どんな木が世界で植えられているか=供給から逆算するのは一つの手法かもしれません。即ち、供給が見込める樹種を今から植えても競合してペイしない可能性が高いです。世界でペイしている林業は大陸の適地の林業でしょうから。よって(熱帯雨林の収奪林業とか)問題のある林業にターゲットを絞って、競合する樹種を植えたらどうだろう?となります。スギもいいんですが、需要が供給を上回っているから、林業の衰退が言われる訳でしょう?だったら、他の樹種を植えるしかありません。また天然林や放置された人工林の木の活用(チップになる?)も考えていいと思います。どうせまた生える訳ですから。

>国も森林整備の財源となる森林環境税を導入し、花粉症対策を掲げてスギの伐採・活用の促進策も打ち出す。官民挙げて対策を急ぐが、活用は道半ばで「宝の山」のイメージとの差は大きい。

森林環境税(1人年額1000円)の問題は小さくありません。額は大して大きくなくとも、上手く利用できないと批判は必至でしょうね。日本の国土の多くは山林です。上手な活用が望まれますが、損切で花粉症対策するのは、一つの考え方だと思います。合成生物学の林業への適用/研究とかも考えていいかもしれませんね。


山林と言えば、動物が住んでいるところですが、今話題なのが熊です。続いて熊について考察してみます。

過去最悪ペースで人を襲うクマ 「2010年問題」追う専門家に聞く(朝日 2023年10月26日)

>環境省の2018年の分布調査によると、クマの分布域は04年と比べて40%ほど広がっていました。九州は絶滅していますが、四国以外のほとんどの生息地で拡大しています。人的被害も1980年代は年平均12人でしたが、2010年代は平均96人、20~22年度は平均107人でした。
>――クマの急増は2010年代のこと。里山の変化とタイムラグがあるようだ
>例えば、シカは、早い時期から増加と被害がクローズアップされてきました。繁殖率が高い動物で、かつての里山に戻る反応が速かったと考えられます。多産なイノシシはもっと速いサイクルです。しかし、クマは動物園なら20~30年ほど生きます。子どもも2、3年に1度しか産みません。その分、進出も緩やかだったかもしれません。

どうも増えている原因は中山間地域の衰退/ハンターの減少による自然増のような気がします。鹿の増え過ぎは以前に話題になりましたよね。要は鹿に遅れて熊も増えたということなのでしょう。猪や鹿と違って、熊のジビエはあまり聞きませんし。

まぁジビエを普及させるなら、食中毒の問題が言われ、よく加熱する必要があるんでしょうが、放射線照射も選択肢に入れていいかもしれません。水産物で言えば、アニサキスなんかは放射線に対する抵抗性が高いようですが、海外では当たり前の食中毒対策「放射線照射」 消費者にもメリット…日本ではなぜ使えないのか(産経 2018/8/10)によれば、牛肉でも何でも照射すればいいのかもしれません。牡蠣なんかも放射線照射で食中毒が無くなるなら、大歓迎でしょう。日本に放射線アレルギーはあるんでしょうが、合理的に研究する必要があると思います。

ともあれ、本州・北海道はハンターを増やせば?といったところですね(個人的には森林環境税も流用していいと思います)(狩猟税をとっている場合?)。九州のように絶滅、四国のように減らし過ぎて回復困難なところまで追い込めとは言いませんが、適度な生息数にまで減らせば、人里まで降りてくることは少なくなるんじゃないかと単純に思います。林業を守ることにも繋がるかもしれませんしね。対処療法では熊は増える一方だと思いますよ。

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