観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

少子化問題解決は結構お金の問題、全員活躍が少子化問題を解決する

2023-08-10 05:15:26 | 少子化・男女問題
少子化問題はお金を配っても解決しないという意見もあるようですが、私は結構お金の問題と思います。

子供の有無、所得が影響 「格差感じる」8割(日経 2023年8月10日)

日本の少子化抑止策は子育て低所得世帯への手当が薄い 翁百合(週刊エコノミストOnline)

結婚と出産は「高所得層の特権」になった…日本の少子化を深刻化させる「世帯年収600万円の壁」の分厚さ(プレジデントオンライン)

「所得が低すぎて、子育てなんて…」他国の“政策”と比較した、日本社会の恐ろしい行く末(ゴールドオンライン)

第3章 人口・経済・地域社会をめぐる現状と課題(内閣府)
>低賃金の非正規雇用者の増加などは、未婚化を加速しているおそれがある。

合計結婚出生率はそれほど下がっておらず、低所得者層を中心に結婚しない層が出生率を下げているのが問題だと思います。希望出生率の実現が重要ではないでしょうか。
格差縮小というより、少子化対策が重要なのは、低所得者層に単純にバラ撒いたとして、結婚して出産するか分からないからです。
産めよ増やせよと言っている訳でもなく、あくまで希望出生率の実現が目的です。
どうして少子化対策が重要なのかと言えば、このままでは急速な少子化で、若い人の福祉の負担が重くなり、日本が消滅してしまうからであって、市場の縮小で経営者や消費者のマインドが冷えてしまうからです。
現状はブルーカラーや(成長産業の)IT産業を中心に人手不足局面で働き手が必要というのもあります。ホワイトカラー志望が現状で多いですが、長時間労働が解消され、給与は相対的に下がっていくのかもしれません。

子育て世帯、所得は一般の1.4倍 世帯数初の1000万割れ(日経 2023年7月4日)
>厚労省の担当者は「お金があるから結婚でき、子供も持つ傾向にある」と分析する。
・・・まぁそうなんでしょうね。お金配っても少子化問題は解決しないという人もいますが、案外希望出生率のところまではお金で解決するような気もします。

伊藤忠商事、働き方改革で出生率2倍 生産性も向上
10年前の出生率1.0が1.97に改善したのだそうです。中高所得層にとっては国の少子化対策は決定的ではないのでしょう。働き方改革で改善可能かもしれませんし、それなくして、お金を配っても難しい可能性も考えられます。共働きの長時間労働で出生率を上げるのは中々難しいかもしれません。働き方改革に関しては、デジタル導入が進めば、生産性向上で時短が可能になるように思えます(伊藤忠では生産性向上が出生率向上の鍵になったようです)。

“異次元の少子化対策”「児童手当拡充」が柱 第3子以降は支給額3万円に増額「ありがたい」「選挙対策?」「財源は」(yahooニュース 長野放送 6/15(木) )
問題は第3子以降の出産を促す「異次元の少子化対策」です。これは希望出生率を満たす政策ではなく、現状でも3子以降を儲けている家庭もありますから、効果に疑問が無いとは言えません。専業主婦優遇策・中高所得者優遇策とも言えます。まぁ子供を儲けないと決めている方々を優遇しても仕方なく、子供を多く儲ける意志がある家庭を優遇することに意味があると考えることも出来ますが、3子以降を儲ける意志のある人は多くないので、大きく局面を変えると思えず、異次元の名が泣くのではないでしょうか?財務省がお金を出したくないから、効果の薄い政策をやっているようにも見えます。

低所得者層をどうにかすると言えば、社会主義かと言われるかもしれませんが、そうではありません。少子化対策は国の存続がかかっており、市場縮小予測でデフレマインドに陥らないために必要な政策だと思います。低所得者層は能力が低く、怠け者というステレオタイプがあるかもしれず、低所得者層を再生産してどうするのかと考える向きもあるかもしれませんが、そうではないでしょう。
それは優生思想であり、現代日本のタブーではありますが、結果的に少子化問題に関連して優生思想のような動きをしていることは指摘せねばなりません。ただ、私に言わせれば、優生思想としても二流です。優秀な人があえてやりがいを求めて低賃金の仕事を選択している可能性もあるからです。学者になるためにポスドクになっている人とか、俳優になるために、例えば飲食店に勤務する人もいるでしょうし、アニメが好きだから、低賃金でアニメーターの人もいるでしょう。夢を追うと成功する人は一握りですが、失敗した人が優秀でないとか怠け者とか言えるでしょうか?成功した人が優秀である確率は高いにせよ、ほとんど失敗するのに失敗したら低所得なのであれば、クリエーティブな職業に優秀な人は集まらないでしょうし、クリエーティブな仕事が盛んにならなければ、日本の将来は明るいものにならないのではないでしょうか?勿論、安定的な仕事もあっていいと思います。でもただ安定的な仕事が高収入で皆志望では社会のバランスが崩れ、少子化が加速し、亡国の道へまっしぐらではないかと思います。そして人がやらない仕事(ブルーカラー・IT等)は高収入であるべきです。ブルーカラーの仕事が国を牽引するとは思いませんが、人手不足を放置していては有効な投資先も無く、持続的な賃上げも有り得ません。また、ブルーカラーやIT労働者に適性はあるでしょうが、必ずしも中高所得者が優秀だとも言えないのではないかと思います。子供を儲ける中高所得者が必ずしも優秀ではない訳で、中高所得者優遇の少子化対策が優生思想にもなっていないというのはそういうことです。優秀だからブルーカラー・IT労働者になる訳では必ずしもなく、お金を稼ぎたい人がブルーカラー・IT労働者になるということではないでしょうか?東アジアの儒教は労働を蔑視すると言いますが、キツイ仕事の人手不足は、キツイ仕事に慣れた農村労働者の供給が細り、労働蔑視だけが残った結果の可能性もあります。政府はそこのところを認識して、ブルーカラー・IT労働者を本気で優遇して人手不足を解消していく必要もあるでしょう。それでクリエーティブな職業の人材が細るかと言えば、元々やりがいを求めている人達なので、そうは影響しないのではないかと思います。寧ろ少子化問題に関連して言えば、仮に失敗しても家庭をもてるなら、志望者が増える可能性もあります。安定的な仕事に関して言えば、優秀な人を集めるのにそれなりの報酬は必要かもしれませんが、安定的なので(皆が志望するので)、それほど人材を集中させる必要はありません。

日本の学会は本当に優秀な人を引き立てたりしているんですかねぇ・・・。大御所が若手の論文をパクッて腐らせたり、嫉妬でライバルの足を引っ張ったり(素晴らしい成果を無視したり)、政治的見解で人事したり(日本学術会議とか見ていたら、そうとしか思えないんですよね)してません?

フリーランスにインボイス反対の声があるようですが、税の公平性の観点からインボイスは必要と私は思います。クリエーティブな仕事を志望する人を守らないのかということですが、少子化対策で家庭をもちたい人には十分支援をするべきでしょう。いずれにせよ、自分一人食べる分は働けばどうにかなるはずです。働かないで専業でクリエーティブな仕事をやれれば(出来れば成功できれば)、それが夢でしょうが、家庭を持ちたい人には少子化対策で支援をし、親の金で専業出来る人は好きにすればいいということです。

マスコミって若手やゴーストライター等の作品を大御所がパクるのとか、見て見ぬふりしてないですよね?とある超有名「ジャーナリスト」が、池○の意見として紹介したいと言ったとされていますが・・・。誰の意見か重視するあまり、虚像を創るようになったら報道として終わりですね。

自然科学分野で引用回数多い論文の数 日本は過去最低の13位(NHK 2023年8月8日)
日本は科学技術立国を目指すべきとは思いますが、博物館通いから科学者になった人って実際どれほどいるんでしょうね?優秀な人を(優遇して)科学者にした方が早い気がしないでもないんですが。別に博物館が憎い訳じゃないですよ。

日本はクリエーティブな職業でアジアの首都を目指すべきでしょう。具体的には例えばアニメ・漫画ですが、それに携わる裾野が不幸であってはいけませんよね。家庭を持てば幸福とは限りませんが、必ずしも成功しなくても、大きな負担なく、家庭を持てるようになれば、優秀な人達の志望も増え、業界の底上げに繋がる可能性があります。大都市東京は日本の強みでもあるでしょうが、そこで働いている人の多くが、中高所得のサラリーマンでもないでしょうし、これからはエンタメ産業等を強化して、稼ぐ力をつける必要もあります。大都市には多様な働き方を許す仕事が多いと考えられます。それが夢を追いながら、仕事をすることを可能にするのであって、デジタル・交通が発達している現在、必ずしも本社が東京になければならない訳でもなさそうです。法人税率を地方と東京で変えるのは一案で、東京でなくてはならない仕事が東京に残ればいいのであって、東京の人口が流出したら、それはそれで問題ですが、地方からの人口供給はいずれ断たれることが分かっており、東京の出生率を本気で上げることで対応できるはずです。東京は保育士とかの人手不足で今、人は要らない、仕事も要らないとなっているのだと推察しますが、東京がブラックホールのように人口を吸い込むのを野放しにしていれば、日本自体消滅しかねないのであって、地方も東京も出生率を上げていく必要があると私は思いますし、地方でしかやれない仕事を地方でやると共に、地方でやれる仕事は地方でやってもいいのではないでしょうか?

ホワイトカラーの生産性向上(デジタル)で余った時間ですが、子育てに使うことも出来ますし、趣味で消費することも考えられ、大都市中心に副業・ダブルワークで稼ぐことも出来るかもしれませんし、人手が足りないなら出産・子育て後の女性の社会復帰を進めること、高齢者が働くこと(何時までもピラミッドの頂点で高所得ではそれはそれで問題ですが)でも解決しそうです。生産性向上を渋る言い訳はしなくていいのだろうと私は思います。

“令和臨調”メンバーと有志の知事 人口減少社会で意見交わす(NHK 2023年8月7日)

>岡山県の伊原木知事が、人口の東京一極集中がさまざまな課題の根底にあるとした上で、「東京と地方で法人税率を変えるくらいの思い切った措置が必要なのではないか」と指摘しました。
・・・私は大都会は嫌いじゃありませんし、東京は日本の強みでもあると思いますが、出生率が低いにも関わらず、保育所が足りなくなっているのはバランスが悪いと言えるのではないでしょうか?東京がこれ以上の人は要らないとなっているから、出来る少子化対策(低所得者が金の問題で少子化を選択しています)が採られない訳ですが、将来的には地方からの人の供給が断たれるので、少子化の放置は東京にとっても大きな課題です。東京と地方で法人税率を変えるのは一案かもしれません(ふるさと納税は魅力ある地方や税収が少ない京都に税収を移転しており、悪くない結果と思います)。それで東京から人が流出したらどうするかの問題がありますが、それこそ少子化対策(出生率上げ)でどうにかすればいいと私は思います

>兵庫県の斎藤知事は、「奨学金の負担が結婚や出産などの大きなハードルになっている。国公立大学の無償化は世界的な潮流であり、若い世代に多額の借金を負わせないよう、国が大学の無償化を力強く進めてほしい」
・・・奨学金は本人負担です。いいか悪いか別にして、結婚や出産のハードルにはなってなさそうです。若者の給与が低いことは大きな問題ではあるでしょう。寧ろ親がお金を出していることが、結婚や出産のハードルにはなっているとは思います。ただ高等教育の負担軽減策はいいと思いますが、大学の無償化を断行すべきかは一考の余地がありそうです。無償化をするとなれば、大学が教育にお金をかけられなくなりますから。小学校とか差別化の必要が薄いところでは、無償化は馴染みますが、お金がある人が教育にお金をかけると言っているのに無償化だから(国がお金を出すから)ここまでとはならないのでは?

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1 コメント

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経済衰退・少子化「非正規雇用が元凶」という俗説と非正規教員/公務員 (管理人)
2023-10-27 05:58:53
経済衰退・少子化「非正規雇用が元凶」という俗説(https://toyokeizai.net/articles/-/709888 東洋経済 2023年10月26日)

なるほどと思いますが、非正規「公務員」にブラックのイメージがありますね。非正規教員が典型的ですが、これは増加しており、低賃金で劣悪な環境で働いていると言われます(私学の方が非正規率が高いとか)。少子化は分かりますが、採用抑制で対応して同一労働同一賃金は守るべきだったのでは?

非正規教員が多様な働き方の受け皿となっており、パート感覚で働いているというなら、何も言いませんが、恐らくそうではないでしょう。教員の「人手不足」の原因に産休・育休の増加もあると言いますが、本質的な問題と思えません。昔の女性教員で子供が多い人もいるからです。

産休は子供を産む上で必ず必要になるものです。昔の人が子供を産むのに産休をとらなかったと思えません。育休が長くなっている可能性はあるかもしれませんがね。アメリカの方が日本より産休・育休に関して厳しく、仕事への復帰が短いと言います。それでも日本より少子化していません。

厳しい少子化の日本で育休を短くして少子化が加速しないか検討は必要と思いますが、核家族化とかも言い訳で、やって出来ないことは無いんじゃないですかね。結婚出生率の低下は緩やかと言いますし。いずれにせよ、恐らく正規を優遇して非正規を落としめる身分格差が教員/公務員にあると思います。

教員の仕事って、ITとか業務で必要な知識が増えることが無いとは言いませんが、基本的には新規に覚えないといけないことって少ない(既存の知識が多くは対応可能な)はずですし、ホワイト化がやり難いとは思えないところがあります。研究の仕事は時間外に趣味で勉強できないとキツイと思いますけどね。

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