観測にまつわる問題

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実用耐用年数の長い東京のタワマンの活況、投資/賃貸から分譲へ、旧耐震基準の建築物と防災

2024-09-19 20:04:12 | 国土交通・防災
東京では都心回帰の流れがあり、タワマンに比較的若い層が住んで、人口が増加中しています。また(海外含む)富裕層や投資家の投資の対象にもなっているようです(賃貸として貸出しか)。地価が上昇していることから、需要が大きく、見合った供給がされていない(絞られている)と考えられ、空き室率も低いようです。待機児童も普通に発生しています(東京都中央区「認可に入れないNo.1」の保育事情 東洋経済 2020/11/12)。ただし23区の保育園は定員割れです(東京23区の保育所「待機児童」から「定員割れ」? 現場で何が) NHK首都圏ナビ 2022年7月28日)。従って中央区では保育園を整備したら良さそうなものですが、多分あえて整備していないと思います。一気に流入した世帯に合わせて整備すると、子供が卒園して需要過小になってしまうからです。タワマンは垂直的な団地と捉えることが出来、同じ年齢層の住人に偏る問題があります(数十年後には高齢化が言われるでしょう)。そして東京都の公立小学校1年生の数はこれから急速に減っていきます(令和4年度教育人口等推計(速報値)の概要について 東京都教育委員会)。要は東京都の住宅環境は多様でミスマッチが生じています。私等は、定員割れの保育園や小学校を閉鎖・縮小して、人員をタワマンが林立している中央区に持っていけばいいと思うのですが、そういう柔軟性は無いのかもしれません(少人数学級の推進でお茶を濁すべきではありません)(例えば保育士が移住するとして、需要が減ったらどうするかですが、また次の人口拡大地に移ることも考えられ、保育園の跡地とかは資産価値があるので転用が想定できます)。都心に住む女性が働きたくても働きに出れないとすれば、女性活躍の観点からは損失です。結局、都心のタワマンは子育て世帯に人気で、環境整備や供給が追い付いていない(から価格が上がる)ものと思いますが、(それでも売れてしまうので)粗製乱造気味の可能性はあって、強度不足のニュースがありました(湾岸タワマンが「強度不足」発覚で販売延期 中央区・豊海の53階建て計画 三井不動産「対策を考える」 東京新聞 2024年4月5日)。

しかしタワマンは高いのではないかと考える向きもあるかもしれません。果たしてタワマンはバブルなのでしょうか?どうやらそうではないようです。資産価値が高く評価されているんですね。この理由はタワマンの物理的な寿命が長いことによるかもしれません(タワーマンションは何年持つのか?寿命はどれくらい? すまいValue)。何でも100年ほどとか。

東京23区分譲マンション賃料、8月0.5%安 2カ月連続下落(日経 2024年9月17日)

ここで23区ですが、賃料が少し落ちたようです。基本的に分譲マンションの方が賃貸マンションより家主がいない分、有利なんですが、財産としては中古の建物の価値が日本では低いのがネックになるようです(勿論先に触れたようにタワマンでは新しい流れが生じているようです)(空き家問題と建築業界の人手不足に同時に対応するため(資産の有効活用)、中古(新耐震基準)の不動産取得税減税は検討の余地があると思います)。新耐震基準の建物の法定耐用年数を実用耐用年数と同じにすると分かり易いと思いますが、いずれにせよ(タワマン等)中古分譲マンションの担保評価が上がると、賃貸から分譲への流れが生じると思います。これ(投資用マンション=賃貸の供給過剰)で生じるのは賃料の下落ですが、そもそもが分譲なのですから、(中古は資産価値が無いと思わずに)中古として売却する選択肢もあるような気がします(年金として利用したいのでしょうか?相続税対策になるんでしょうか?前者だったら、株を購入して配当を得るという選択肢があります)。

なおワンルームマンションも同じで、購入する単身者も増えているようです(ワンルームマンションを購入する独身が増えている理由とは〜注意点などを解説(RENOSYマガジン 2018.09.04))。

勿論、例えば中央区のタワマンを整備し続ければ(供給を増やせば)、寂れるところは(需要が減る地域も)出てくるでしょう。その問題に関して言えば、防災の観点から、(既に資産価値のない)旧耐震基準のマンションや住宅を取り壊す方向に誘導できれば、供給を絞ることが出来ます。東京(近郊)でも空き家問題があるようです。住民の高齢化問題と併せて、住宅が長寿命化して資産価値が生まれたら、空き家にならず、若い住民が入ってくる可能性も考えられます。東京全体では賃貸の空き室率もまあまあ高いようです。変化/手術が必要かもしれません。

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2 コメント

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千葉県注目の地価変動 (管理人)
2024-09-20 04:37:44
【基準地価】千葉県、住宅地上昇率トップは流山 商業は浦安(日経 2024年9月17日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC12B4H0S4A910C2000000/?n_cid=SNSTW005

浦安市の商業地の上昇は東京ディズニーリゾート人気。価格変動制等、価格戦略が成功。

流山市はつくばエクスプレス効果(秋葉原駅まで快速で27分)で6年連続人口増加率No.1(全国)(つくばエクスプレス効果による人口増加で脚光を浴びる流山市も古い住宅街に空き家問題。旧耐震基準の住宅は資産価値が無いのかもしれません。場所は悪くないと思われ、建て替えを促す施策の検討も必要でしょうか)。

東金市はシーサイドライナー(バス)が便利か(通期快速は遠隔地の足ですが、京葉線のダイヤ変更問題はどうもバス(シーサイドライナー)との競争に敗れて撤退ということかもしれませんね)。

銚子鉄道はエンタメ鉄道で黒字化も過疎に歯止めかからず。
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東京23区で増える空き家 (管理人)
2024-09-26 09:26:01
空き家数、東京23区は64.7万戸で過去最多 総務省(日経 2024年9月25日)

旧耐震基準の建築物は建て替えを促し、そうでなければ、中古市場の活性化を促すのが良いと考えます。空き家を増やして新築を促進するのは明らかに不経済。
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