じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

内野さんメモ

9/24 読売新聞夕刊(東京本社版)インタビュー掲載
9/26 週刊文春CINEMA!2024秋号(文春ムック)
9/27 男の隠れ家11月号(三栄)
9/28 LDK11月号(晋遊舎)
9/30 13:05~ NHKラジオ第一「まんまる」出演
10/3 八犬伝ジャパンプレミア
   映画『八犬伝』オフィシャルBOOK(KADOKAWA)
10/7 週刊ポスト10/18・25号(小学館)
10/11 8:15~ NHK総合「あさイチ プレミアムトーク」出演
10/13 7:30~10:25 日本テレビ「シューイチ」出演

10/14~26 芭蕉通夜舟 東京公演
 ≪地方公演≫
  10/29 群馬 11/2 宮城 11/12 岩手 11/16 兵庫 11/17 丹波篠山 11/23~24 名古屋 11/30 大阪

10/16 モノマガジン11/2号(ワールド・フォト・プレス)
    DIME12月号(小学館)
10/19 Cut11月号(ロッキングオン)
10/21 FLIX12月号(ビジネス社)
10/24 STEPPIN' OUT! WINTER 2024(幻冬舎)
10/25  映画「八犬伝」公開
10/26 八犬伝 公開記念舞台挨拶(全国中継あり)
11/22 映画「アングリースクワッド」公開

fff-フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~(宝塚大劇場)その1

2021-02-21 20:53:56 | 観劇記
1月31日11時公演の観劇記です(注ネタバレあり!)

~あらすじ~

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。音楽史に革命を起こし、今や不滅となったその男の名前。しかし男の名は、あらゆる不運に彩られている。失恋、孤独、失聴…。それでもなぜ彼は、至上の喜びを歌う「第九」を完成させることができたのか。聴力を失い絶望する天才音楽家の前に姿を現した謎の女。女の不可解な存在にいらだちながらも、いつしか彼女を人生の旅の友としてゆくルートヴィヒ。やがて二人の不思議な関係が生み出した音楽とは──。フランス革命後の混沌のヨーロッパで、ナポレオン、ゲーテ、そしてベートーヴェンが歩む覇道が交差する。誰もが知る伝説の男たちについての、新しい物語…ミュージカル・シンフォニア!(1幕)

西から東へ、そして東から西へ…文化、文明、人を乗せ、陸と海とで西欧とアジアを結びつけてきた交易路「シルクロード」。路往く隊商を襲った盗賊は、一粒の青いダイヤモンドを手にいれる。しかしそれはインドの女神シータの失われた片目であった。ある者には幸福を、そしてまたある者には悲運をもたらしつつ幾度となく持ち主を変え、遙か古よりこの「シルクロード」を彷徨ってきた宝石の、その煌めきの中に宿る数多の記憶を辿る旅へと盗賊は誘われてゆく…過去から未来へ、そして未来から過去へ。時代と空間を超えた旅の中で綴られる、エキゾティシズムに富んだレビュー・アラベスク。(2幕)

(公式サイトより)

この日を迎えるまで本当に長かった 本来観に行くはずだった日から3ヶ月余りが経っているという“長さ”ではなく、新たに決まった観劇日の幕は無事に上がるのか、何事もなく観劇できるのかという不安を抱えた毎日という長さ……。おそらくこの公演を生で観られるのは最初で最後。一瞬たりとも見逃すまいと必死に、でも感覚フル稼働で存分に楽しみました。

1幕はベートーヴェン=ルイを描いたお芝居……といっても生涯を描いた物語ではなくミュージカルでもなく、まぁ言ってみれば1つの交響曲的な 台本や演出で理知的にゾワゾワするのではなく理屈なんぞ取っ払って感覚で楽しむ作品だと思いました。まぁ賛否両論あり~の好き嫌いは分かれるだろうなぁ~と感じですが 如何様にも解釈できる話だし、トップコンビが恋愛をして結ばれるわけでもないし、ベタなサヨナラ公演を期待した人にはつまらないだろうし……じいは嫌いではない、いや寧ろ好きなタイプの作品です 音楽経験者なら個人的なツッコミどころを含めて楽しめること間違いなし 冒頭から笑わせてもらったわ~~天国の門をくぐるために審判待ちしている偉大な音楽家3人→ヘンデル、テレマン、モーツァルト♪「バッハは早々に天国に行ったのに」と不満タラタラなところとかツボったツボった バッハは神のために真面目に音楽を作ったのに3人は利己的に音楽を作ったと言われ……まぁそうだよね、でもバッハはクソ真面目過ぎてめんどくさくて暗くてつまんない曲多くて苦労したわ と超絶個人的な恨みが沸々と(笑)あと、マリー・アントワネットが天国の門をくぐる時にモーツァルトが手にキスするところはお嫁さんにしてあげるエピをさりげなく入れていてニンマリ そうそう、ルイが幼少期を思い出すシーン。二段になった舞台セット、上段では王侯貴族の前で幼いルイが父親の傍らで演奏して下段で天国待ちのモーツァルトがそれを見ながら何やら突っ込んでて……王侯貴族の前で家族で演奏、中心には子供ながらに天才音楽家のルイ。これ、めっちゃM!じゃん。冒頭のWas für ein Kind!神が~遣わした~~奇跡の子だ~のアノ場面。お父ちゃんが息子を殴ってたのは違うけど 何かもうぅ~~M!の当人、モーツァルトが絡んでいるところがツボすぎたっ!

ルイの生涯が中心に据えてあって、そこにナポレオンやゲーテが絡んでくるのですが随所にフィクションを挟んでくるので途中で思考が混乱することも……交響曲「英雄」はナポレオンに捧げるからオーストリア皇帝には献呈できないというシーンがあったけど、元々はボナパルトという題名で作曲してナポレオンに捧げるつもりだったのが皇帝になったので怒り狂って上げるの止ーめた、題名変えよーになったんじゃなかったっけ???終盤でナポレオンと語り合うところも完全なフィクション。ナポレオンの夢からEU的な考え方まで喋らせるってちょっとぶっ飛びすぎなのでは そもそもキャラや思考が既存の史実で描かれているのとは違うし あと政治的な話もね……ベートーヴェンやゲーテは芸術的な面から捉えがちなのであまりしっくり来ないというか、ちょっとイメージ違うなと 実際にはフランス革命からのナポレオン戦争からのウィーン体制の流れの中で自由主義的な思想が生まれ、その影響を受けて作曲なり作詩なりをしているし、その象徴として描いている側面もあるので場違い感はないのですが……ここら辺はも少し予習して何回か観て反芻したかったかも でも史実云々ではなくこの作品で息づいている登場人物として味わえばいいことだし、とにかく良い作品だったから

望海さん演じるルイと真彩さん演じる謎の女。このトップコンビだからこそ演じられる役であり今の雪組だからこそ成り立つ作品ではないかと……生オケだったら、音の響く2階席だったら、あるいは博多座みたいな演劇的音響の良い劇場だったら、、、ここまで言いたくなる音楽力なんですよね~~このコンビは 贅沢を言えばキリがない、生で味わえただけ感謝しなければ!1階後方席で2階席が被るのでマイク音で籠って聴きづらい部分はあったのですが、それでも音感を揺さぶる歌と演技はさすがでした。歌が上手とか音が正確とかそんな類のものではないんですよね~~全てが音符になる音で全ての音に色があって情景が浮かんで感情がある。ハイリゲンシュタットの遺書はもうぅ~~圧巻で完全に劇場内の空気を支配していました ルイ、、、やっぱり相変わらずの突っ走りの拗らせ役(笑)思い込み激しいし、すぐに勘違いしてキレるし、異常に自信過剰でKYな時があるし……そりゃ女性はドン引きするし、一方的に好意を持たれた方、ナポレオンとかゲーテとか心当たり無さすぎて迷惑だろうなぁと思う まぁそこが可愛いと思えるのは望海さんだからなのかベートーヴェンだからなのか でも今回は観ている側の心の声というかツッコミ???を謎の女さんがやってくれるのが堪らないんですよね~ トップ男役に対して「は?」とか「何言ってんの?」とか「今度は〇〇に片思い?好きなわけないじゃない」みたいな酷いことを言えるトップ娘役って……こういう女性ホント大好き 途中にある“夫婦漫才”な場面、、、可愛くてめっちゃ笑った~

謎の女の正体、、、真っ新な状態で驚きたかったのでSNSの情報は一切入れず。観劇の途中から何となく予想できたというか選択肢が2つ3つ頭に浮かんできていたのですが、あぁそう来たかと 7割ぐらいは予想的中でした。謎の女=人類のずっとある不幸、ルイの「運命」。謎の女が歌う自分の正体、、、私は殺された兵士、母に捨てられた子供、犯された女、人類がこれまでずっと経験してきた怒りや悲しみが集合した不幸そのもの。ずっと傍らにいる負の存在ってトート的な……っていうか謎の女さん、最初の方とか女トート閣下かいっ!逆エリザかいっ!という感じだったんですけどね ルイに銃を渡すところとかそのまま接吻しちゃう~~みたいな でもここからまさかの号泣に繋がるとはね……。

とにかく今まで感じたことのないような感覚で最初から観てきて、悲劇ではないと聞いていたから爽快感で終われるのだろうと思っていたらコレが甘かった(苦笑)自分の正体を明かした謎の女をルイが抱きしめて自分の運命を受け入れる。実らなかった恋愛、届かなかった思い、悲しみだけが残った別れ、自身を襲った病、、、不幸せなことに変わりはないけれど一方でその中に幸せもあって、不幸ゆえに生み出されたものも確かに存在する。生きることは辛くて苦しいこと、それでも前を向いて立ち上がり輝いていこうとする人間の強さ、尊さ、美しさ……これってレミゼ、ベガーズ、ジェーン・エアを思い出させるような……全部ジョン演出の舞台だわ 「世に苦しみの炎消えないがどんな闇夜もやがて朝が」「生きることは辛いけれどだからこそ愛し合う」「人は皆生きるためにもがいて罪を背負う」……あまり被せすぎると宗教的になるので頭を過った程度に留めておきますが、、、ちょっとそういう負から生じる前向き発想が異常に響いて涙が止まらなった~~ まさに喜ぶ劇で喜劇的な結末でした。そしてね、、、違うところでも響いて大号泣になったことを白状します 全てを受け入れたルイが不幸の塊と称する謎の女と一緒に生み出したのが歓喜の歌というのがもうこれね、反則でしょ~~ 望海さんと真彩さんのトップお披露目公演のショーSUPER VOYAGERにあったデュエットナンバーで使われたのがこの旋律。ヅカ知識の師である黄泉友から当時のエピソードをいろいろ聞いていたのもあったんだけど、このコンビでいろんな景色を積み重ねてきて辿り着いたのが今ここ……じい、中の人の背景と役柄を結びつけて鑑賞するのは嫌いなので目の前の板の上が全てとは思っているけど、さすがにこれは堪らなかったな~~あなたが笑顔でいられるように、皆が笑顔でいられるように、、、現代の人が後から付けた歌詞のはずなのに妙にリンクしてしまって涙腺決壊でした でもやっぱり一番大きく残ったのはルイ&謎の女としての思い。人生は幸せだったと最後に微笑んだルイ、天上界まで巻き込んでの歌わずにはいられない歓喜の歌、全てが受け入れられ包み込まれて昇華された不幸の運命。最後は全員が白い衣装で急にサヨナラ公演感↑↑↑ まぁ他の部分もサヨナラを意識すればそのように見えなくもないとは思ったのですが、サヨナラ公演らしくない、音楽そのものだった作品というのが逆に良かったと思うし、じいはそういうところが気に入りました 終演後に寂しさはなくて後から後から押し寄せる多幸感。幸せいっぱいになりました
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