親友である
こんなに
遠慮会釈もいらない
相手もいない
思えば二十数年前に
津軽の地で
やっとの思いで
仕事にありついて
そして出会った
あんたは
スポーツ万能の
三人のお父さんだった
年は三つも上なのに
いつも
酒の席に
誘ってくれた
私が職を辞し
障害者施設を
開設準備をすると
早速手伝ってくれた
家内が
あんたを
多分一番信頼する
友人として認めている
それは
おかしなことを始めると
必ずやあけすけに
指摘してくれるからだろう
是々非々は
まさに
隠し事のない
あんたのためにある言葉だ
時にあんたは
それが災いし
経営者から
疎んじられた
でも
最後まで
あんたは
大久保彦左衛門だった
まだまだ
引退するような年でもない
でもあんたは
じっとしていられない
今度は
老人福祉から
障害者福祉の世界だ
いいじゃないか
あんたがあんたらしく
呼吸ができて
話すことができ
居心地さえよければ
まあまあ
お疲れさんだ
三十四年間も
働いたんだと
今はゆっくりと
温泉につかって
命の洗濯をして
老後を思ってください
お疲れさま
お疲れさまでした
大儀であったな
さっぱどしたべ