今回、抜栓したイタリアワインはブルネッロ ディ モンタルチーノ“チェルバイオーナ”(Brunello di Montalcino “Cerbaiona”)1999です。最近ちょっと元気のないカンティーナ、造り手が移り、それに伴う解釈の変化を求められているのかも、しれません。
コルクを引き上げた瞬間に、フルーティーでフローラルな香りが向かってきました。最初に感じた香りは白いバラ、後は寄せては返し寄せては返す渚のように次から次へと移り変わる香りに、複雑過ぎて解らなくなっていました。しかし、単純に特定できない状態である、とも言えますが、しばらく居心地の悪さを感じていました。30分過ぎた頃からヨウド香を拾い始めると、其処から逃げ出せなくなり、海を思い起こし、小石を洗う渚になり、そのリフレインの中に酔って冷静さを失っていく自分が居る状態。そのような訳で後半をよく覚えていません。昨夜の空瓶にわずかにへばり付いているワインの香りは桑の実、プルーン、クローブ、黒胡椒、レーザー。ヨウド香の残骸も感じられず、抜栓してからのハングタイムをもっと長く取っていれば、と悔やんでいます。
味わいは。硬さを崩したような柔らかな酸にほっくりしたタンニン、ふくよかな果実味は穏やかでシンプルで懐の深い味わいがあります。当然、酔い心地は良かったですよ。
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