ひらのかおるタウン通信

ひらのかおるの日々の暮らしや市民活動の中で、みなさんにお伝えしたい情報や雑感などを綴っています。

JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願 採択ならず

2016-10-05 | Weblog
9月30日の本会議、請願の行方が注目され、若い世代の市民のみなさんを中心に傍聴席はほぼ埋まっているように見えました。10時過ぎから各会派および議員が請願に対する賛否の討論を交互に行い、採決をする時には12時を回っていました。

採決結果は敬称略しますが、
反対8名(平井・関・田中・村上・野村・清水・岡田・川嶋議員) 
賛成5名(外村・戸田・平野・河野・佐藤議員)で住民の請願は採択には至りませんでした。

「町はJR島本駅西側の農空間を開発する計画を一時ストップして、都市農業振興基本法にもとづく西側地区を農地として維持し、食料供給、防災、環境教育、景観保全を目的として活用するための方策を検討する機会を設けてほしい、町民の意見を十分反映させた計画を長期的視野から作り直してください。それまでは市街化しないでください。住民の代表である議会は請願を採択し、住民のそのような声を町に届けて下さい」と請願されたものと認識しています。

しかし、「ここまで事業が進んでいるのに、地権者の意向を無視している」「請願は実現不可能で願意の妥当性がない」「本請願は議会の権限外である」との理由で採択されませんでした。町は西側地区を農地として維持し活用することを一度も検討しておらず、検討もしないで実現不可能とは断定できません。事業決定は大阪府の事業認可および市街化編入が都市計画決定されるときです。スケジュールでは早くとも2018年度なので、検討できる時間はまだあると考えられます。

「議会の権限外」という理由は全く誤った見解です。「請願とは、国または地方公共団体の機関に対し、その職務に関する事項についての希望、苦情、要請を申し出ること」(伊藤真 日本国憲法逐条解説)です。

西地区まちづくりは町の都市計画にあたるものです。町は「まちづくり活動支援業務」を毎年100万円ほど予算化しており事業化を支援しています。そして土地区画整理事業化に伴い補助金・公共施設整備負担金として多額の町の税金が使われる公共工事でもあります。島本町議会の権限内の請願であることは明白です。

審査した総務建設水道委員会では請願者を参考人として招致していただき意見を聞く機会を持って下さい、という要望も認めませんでした 請願者の意見を聞き、そして委員として質疑をし、請願の妥当性、願意の妥当性を十分審査することができたのではなかったでしょうか。多くの議会が請願者の意見を聞くことを明文化しています。島本町議会は請願者である住民の声を聞くこともせず門前払いしたようなものです。

 平野の賛成討論は次の投稿で掲載します。

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9月会議で審査した請願を掲載します。14名の請願者と1447名の賛同署名を添えて提出され、9月30日までに提出された署名は2,715名でした。

JR島本駅西側地区を農地として維持し活用する事を求める請願
【請願趣旨】
JR島本駅西側から南方にかけ第三小学校を越えて広がる17haほどの西側地区は、これまで市街化調整区域として、開発が厳しく制約されてきました。ところが2016年、この地域が保留区域として再指定され、市街化区域への編入手続きを経て、農的空間が市街地に変わる可能性が高まってきました。
私たちは、この可能性について深く懸念します。それは、これから数十年間、人口減少が続く事が確実な現代に、西側地区に新たに市街地を拡大する事が、町財政ひいては未来の世代への負担を生み出すと考えるからです。温暖化に伴いゲリラ豪雨の増加が見込まれる今、農地の持つ防災機能が損なわれる怖れもあります。環境保全効果も損なわれます。また、駅のプラットフォームから眺める広い田園風景は、今や島本町のシンボルであり、近隣の市町と比べた本町の優位性を生み出す最大の魅力です。その景観が失われる事は、島本町の未来にとって大きな打撃となります。
農地は一度壊されてしまえば、元に戻す事は困難です。私たちは、未来のこどもたちに、自然豊かで安全な島本町を受け渡したい。その願いを込めて、西側地区を農地として維持し、食料供給、防災、環境教育、景観保全を目的として活用するため、以下の事を請願いたします。


【請願事項】
1.JR島本駅西側の農空間を開発する計画を一時ストップしてください。
2.JR島本駅西側地区の将来について、町民の意見を十分反映させた計画を長期的視野から作り直してください。
3.2.が満たされるまで当該地区を市街化区域に編入しないでください。